音楽感想文 Chain Listener

主にジャズの感想

MI0000137663
リーダーよりも
サイドでDennis Irwin、Mickey Rokerという
好きな面子が揃っているので思わず購入

エキセントリックで、アクの強いMonkの楽曲が
温和で波風を立てないJoshua Breakstoneの
ダシのようなギターによって
ニュートラルに煮しめられていく

それだけだと、半分くらい聴いたところで眠くなるが
そこは上手い具合に、IrwinとRokerがビシッと決めている
よく知られた「Round Midnight」はやらずに
あまり聴いたことのない②や⑩のような選曲が渋い

Joshua Breakstone 『Let's Call This Monk!』

Label:Double Time
Rec:December 11, 1996

Joshua Breakstone (g), Dennis Irwin (b), Mickey Roker (ds)

①Let's Call This ②Work ③We See ④Reflections ⑤Monk's Dream ⑥I Mean You ⑦Ruby, My Dear ⑧Eronel ⑨Brilliant Corners ⑩Humph
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adayinny
太田寛二さんのアルバムは過去の作品2枚を聴いたが
その年齢、その時のタッチがそのまま表れている

2016年録音の本作では
ピアノの音一つ一つが実に柔らかで
指の動きまで見えてきそうな、
音そのものに「筆跡」を感じさせる、
大変すばらしい出来だ

ピアノをフルでガンガンと鳴らすテクニックよりも、
こういう風に、絶妙に力を抜いて弾く方が難しいと思う
繰り返し聴いても全く飽きない

ドラムのLeroy Williams、
それにCharlie Parkerのビバップ・ナンバーなどから
太田氏のピアノからはBarry Harrisを連想させるが、
単に枯れたのでなく、ハツラツとした瑞々しさはそのままに
長い期間をかけて熟成されたピアノが
良い香りを放って、そのままここにある

Kanji Ohta Trio 『A Day in New York』

Label:T&K
Rec:January 11, 2016

Ohta Kanji (p), Osamu Kawakami (b), Leroy Williams (ds)

①Well You Needn't ②I Did'nt Know What Time It Was ③Brooklyn Bridge ④Deep In A Dream ⑤Just One Of Those Things ⑥Tricotism ⑦I Want to Be Happy ⑧Yardbird Suite ⑨Ornithology
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funkinfrance1
Grant Greenのライヴといえば
『Alive!』と『Live at the Lighthouse』くらいしか記憶になく
(またこの二つが強烈な内容だけに)
今回出たライヴ音源はジャズからファンクへ手を広げる
Greenの過渡期をダイレクトに記録しているという点でも貴重

1969年パリでのライヴは
ブックレットにある写真を見ると
かなり大きなホールのようで、そのせいか音も非常に良い
jazzinfrance2
1曲目をJames Brownのナンバーで決めてくる辺り
Greenのファンク志向が見えるが
ギター・トリオというシンプルな編成もあり
Greenのいつも通りのギターがイナセである

1970年になると打って変わって編成もオルガン入りとなり
メンバーを見ると『Carryin' On』と被っている
(1969年のライヴは『Carryin' On』の録音直後というのも興味深い)

演奏時間も1曲数分だった69年とは異なり
14分~27分と長尺に 演奏内容も完全にファンクへ

Clarence Palmerのオルガンも、スタジオ録音とは違って
ゴワゴワ~ッと濁った荒々しい音がファンクサウンドの空気を醸成
(ベースがいない分を補うのが、大変そうではあるが)
野外ライヴの良いとは言えない録音状態も
却って説得力を持たせている

何よりも、Greenのギターがノホホンとした69年とは大違い
火の出るような勢いで絶好調!

この取りつかれたような前ノメリの演奏を聴くと
やはり69年~70年というのは、ミュージシャンにとって「おかしな年」であり
Greenの頭上にも何か大きなものがガツンと降り注いだと思える

Grant Green 『Funk in France ~ from Paris to Antibes (1969-1970)』

Label:Resonance
Rec:October 26, 1969 & July 18, 20, 1970

Grant Green (g) with
Disc 1 ①~⑥
Larry Ridley (b), Don Lamond (ds), Barney Kessel (g, Disc1-⑥)
Disc 1 ⑦ and Disc 2 ①~③
Claude Bartee (ts), Clarence Palmer (org), Billy Wilson (ds)


Disc 1
①I Don't Want Nobody to Give Me Nothing (Open Up the Door I'll Get It Myself) ②Oleo ③How Insensitive (Insensatez) ④Untitled Blues ⑤Sonnymoon for Two ⑥I Wish You Love ⑦Upshot
Disc 2
①Hurt So Bad ②Upshot ③Hi-Heel Sneakers
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machine2machine3
バート・レイノルズが亡くなったという知らせが入る

ジャズ好きの映画人は
イーストウッドやウディ・アレンだけではない、
バート・レイノルズがいるのだ

彼が1981年に監督・主演した映画『シャーキーズ・マシーン』は
「面白いB級刑事アクション」の最高峰と言っても過言ではなく
もう何度見たか分からないが
サントラ盤も参加ミュージシャンが超豪華!
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Ray BrownやShelly Manneら名だたるスタジオミュージシャンの中に
Art Pepperの名前も見える(ソロ・パートは無し)

映画で流れている音源と、
このLPに収録されているものとは微妙に違っていたり、
またChet Baker(これは恐らく昔の音源)やJulie London、Peggy Leeの歌、
Eddie Harrisの「Sharky's Theme」のように
映画では使われていないものもある
(Oscar Petersonの『サイレント・パートナー』のように
映画からイメージしたアルバム、という面もあり)

それでも、あのシーンにはFlora Purimが歌っていたのか、とか
高層ビルのエレベーターが上昇していくシーンに流れる豪快なナンバーに
Buddy DeFrancoが参加していたり(ヴァイヴはTerry Gibbsであろう)
刑事たちが捜査を繰り広げるのを、
カッコいい編集処理でテンポよく見せるシーンに使われる「High Energy」
また映画を見返したくなる

度肝を抜く見事な空撮から始まり、「人を食った」空撮で終わるこの映画、
Randy Crawfordのヒット曲「Street Life」から始まり、

Sarah VaughanとJoe Williamsの大ベテランコンビによる、
ハートウォーミングなデュエット「Before You」で終わる

都会的なフュージョンサウンドから
コテコテの伝統的なジャズへと回帰するような冒頭とエンディング

70年代では天下を取ったそのベタ過ぎるセンスが、
80年代以降になると 時代から置いてきぼりを食らったようなレイノルズの
俳優人生とシンクロするかのようにも思えるが

しかしそれはそれ、
映像、音楽、アクション、台詞その他が
奇跡的なまでに結晶したこの映画を
時代が大きく変わりつつあった80年代初頭に遺した、
偉大な男の業績をサントラを聴きながら称えたい

『The Soundtrack Music from Burt Raynolds Sharky's Machine』(LP)

Label:Warner Bros

Randy Crawford (vo), Sarah Vaughan (vo), Joe Williams (vo), Peggy Lee (vo), Julie London (vo), Flora Purim (vo), Manhattan Fransfer (vo), Chet Baker (vo), Doc Severinsen (tp), Eddie Harris (ts), Art Pepper (as), Pete  Jolly (key), Berney Kessel (g), Ray Brown (b), Shelly Manne (ds) Al Capps, Bill Holman, Bob Florence (arr,cond) and others

Side A ①Street Life ②Dope Bust (Flora Purim & Buddy DeFranco) ③Route 66 (Manhattan Transfer) ④My Funny Valentine (Chet Baker) ⑤High Energy ⑥Love Theme from Sharky's Machine
Side B ①8 to 5 I Lose (Joe Williams) ②My Funny Valentine (Julie London) ③Sexercise ④Let's Keep Dancing (Peggy Lee) ⑤Sharkey's Theme (Eddie Harris) ⑥Before You
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coltranetime
名前だけを見て
「これ以上ない食い合わせの悪さ」
を感じずにはいられない、メンバーの顔触れがすごい

ColtraneとLouis Hayesの共演というのも珍しいのでは、
と思ったら、Wilbur Hardenのアルバムで共演していた

まったく別々の場所で演奏していた5人が
突然目隠しされて車に押し込まれ、
拉致されたスタジオにそれぞれ集まったところで目隠しを外して
「さあ演奏しなさい」と指令される・・・ような光景を連想する

しかしそれは録音から半世紀以上経って、
各メンバーのその後の活動を知っているからであり
この時点でのColtraneであり、Cecil Taylorがここにいる

Monkっぽいタッチで元気よく飛び込んでくるCecil Taylor、
あちこちに飛び跳ねたり、邪魔するような不協和音を出したりするが
「こんなにスウィンギーなピアノも弾けるの?」と意外なくらい

あと、Kenny Dorhamのパワーが予想以上に大きい、
「50年代後半のあの空気」に一気に連れて行かれる
Cecil Taylorに我関せずという余裕、やっぱり腕っ節に自信あるからか?

心配になったChuck Israelsだが
特に狂乱するようなこともなく、いつもの黙々と刻むベース
もともとCecil Taylor名義でリリースされたようで
いろいろ曰くありげなのも面白い

John Coltrane 『Coltrane Time』(Cecil Taylor『Stereo Drive』)

Label:Blue Note (United Artists)
Rec:October 13, 1958

John Coltrane (ts), Kenny Dorham (tp), Cecil Taylor (p), Chuck Israels (b), Louis Hayes (ds)

①Shifting Down ②Just Friends ③Like Someone in Love ④Double Clutching
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