音楽感想文

主にジャズの感想

zal
Chet Baker のファンにはお馴染み、
彼の晩年のレパートリー「Broken Wing」の初出が
この日本制作盤だったとは、少々意外の感がある

Richie Beirach の盟友、Dave Liebman の初リーダー作(1973)も
日本制作だったし、このラインは色々と縁があるんだろうな

透明で硬質、混じり気ゼロのキラキラ・ピアノに感化されたのか、
増尾好秋も日野皓正も、たいへん繊細なプレイを聞かせる

ここでの「Broken Wing」は
もはや足す必要もないほど完成度の高い演奏だが、
この原曲を削ぎ落して、自分のものにしたChet Baker の
「(自分に合う)曲に対する嗅覚」は
尋常ではないと思うのは、ファン目線過ぎるであろうか

Richard Beirach 『Zal』

Label:Trio
Rec:September 28 & 29, 1976

Richard Beirach (p), Yoshiaki Masuo (g, ①②③), Terumasa Hino (flh-④, tp-⑥)

①Mavrodaphne ②Broken Wing ③Yesterdays ④Zal ⑤Black Is the Color of My True Love's Hair ⑥What Is This Things Called Love
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upchurch1
コロナで控えていた中古レコード店巡りを再開、
やはり、あの空間は落ち着く

フュージョン系の凄腕スタジオ・ミュージシャンが
ストレートなジャズをやっているらしいので
興味を惹かれて購入

流れるように披露されるテクニックはさすがにスゴイ、
聴いていてそれがストレスにならず
サラッとラクに聴けるのが、またスゴ味にもなっている

中古レコード店に行くのは、
「こういうのがあったんだ!」
という出会いが第一の目的

Amazon のストリーミング配信などで
珍しい音源がいつでも聴ける環境にいると、
「このメンツ、曲目、ジャケットなどからどういう音を出すのか?」
と現物を手に取って想像し、購入するか否かを判断する、
いわば「嗅覚」のようなものが鈍ってしまうので、
その第六感を衰えさせないのが、中古屋に通う第二の目的である
・・・と、エラそうなことを書いてみる
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Phil Upchurch 『Dolphin Dance』

Label:Paddle Wheel
Rec:March 9, 1987

Phil Upchurch (g), John Clayton (b), Harvey Mason (ds)

①Joshua Fought the Battle of Jericho ②Django ③Sister Sadie ④Blues for Paul ⑤Dolphin Dance ⑥All Blues ⑦Love for Sale ⑧Embraceable You
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sunrise1
ジャズプレーヤーたちがアルバムのジャケット写真で
にこやかに映っているのも悪くないが、
このようにコワモテが揃って
ムスーと仏頂面を構えているのも、
「フリージャズ方面でもブイブイいわせた荒くれ者」感が
よく出ていて、なかなか良い
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この一筋縄ではいかぬメンツで、
よく知られたスタンダードナンバーをやるのだから
当然、普通にリラックスさせる音楽ではなく、
冒頭の「Sunrise Sunset」などは
John Coltrane の「My Favorite Things」を彷彿とさせる熱い演奏で
David Murray もフリーキーなソロを飛ばしまくる

しかし、この熱さだけで一時間押し通すのもシンドイ・・・のか
後半の「Old Folks」辺りから、落ち着いたバラード演奏に移行、
「Sunrise(昼)」と「Sunset(夜)」の二部構成にまとめる辺りは
かつてColtrane らをプロデュースしたBob Theile だけのことはある
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「ボブ・シール軍団」!

ラストの「Goodbye」は、Murray とJohn Hicks のデュオ
sunrise2

The Bob Thiele Collective 『Sunrise Sunset』

Label:Red Baron
Rec:December 28, 1990

David Murray (ts), John Hicks (p), Cecil McBee (b), Andrew Cyrille (ds)

①Sunrise Sunset ②Body And Soul ③'Round Midnight ④Old Folks ⑤We'll Be Together Again ⑥You Don't Know What Love Is ⑦Goodbye
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walterdavisjr.monk1
Thelonious Monk の楽曲だけを
演奏するジャズアルバムは多い

同じジャズピアノの巨匠、Bud Powell 曲集よりも
Monk 集の方が人気があるというのは
一流プレーヤーが挑戦する「大ネタ」なのかもしれない
(いちばんの大ネタは恐らく Duke Ellington)

曲のユニークさにのまれずに
如何に自分のカラーを出すかが
ピアニストの腕の見せ所なのだろう

Bud Powell のスタイルが身に染み込んだWalter Davis Jr. が
晩年に残したソロ・ピアノによるMonk 集も、
Monk のメロディを通して、Davis の朴訥さが伝わる

いかつい面相だが、笑うと物凄く愛嬌のある御仁
Walter Davis2
寡作であったが、生涯にわたって
良心的なレーベルからアルバムを残したWalter Davis Jr. は
周囲から愛されていたのだなと、
詳細なディスコグラフィーを見ても分かる

Dr. John のアルバムに参加していたとは!
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Walter Davis Jr. 『In Walked Thelonious』

Label:Mapleshade
Rec:April~May, 1987

Walter Davis Jr. (p)

①Green Chimneys ②Crepuscule With Nellie ③Gallop's Gallop ④Ask Me Now ⑤’Round Midnight ⑥Trinkle Twinkle ⑦Ruby, My Dear ⑧Monk's Mood ⑨Off Minor ⑩Panonica ⑪Bye-Ya ⑫Ugly Beauty ⑬Criss Cross ⑭Portrait of an Eremite (Reflections) ⑮’Round Midnight
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warm_sound
Little Johnny C』もいいけれど
Johnny Coles のアルバムといえば、やっぱりコレ!
初リーダー作にして、最高傑作ではなかろうか

ワン・ホーンで微妙なニュアンスを生み出す
Coles のラッパを存分に味わえる上、
Kenny Drew ほかの共演者たちも
適度な緊張感があって、歯切れが良い

「Warm」と銘打って
「Come Rain or Come Shine」や「If I Should Lose You」の
有名曲で売るように見せながら、
「Hi-Fly」など、Randy Weston の曲を4曲も演奏している辺りは
なかなか「Hard」で「Dark」な側面あるアルバム

でも「Come Rain~」でのKenny Drew のソロは
ノリノリで何度聴いても素晴らしい
ピアノがRandy Weston でなく、Drew というのが案外ポイントかも

The Johnny Coles Quartet 『The Warm Sound』

Label:Epic
Rec:April 10 & 13, 1961

Johnny Coles (tp), Kenny Drew (p), Peck Morrison (b), Charlie Persip (ds)

①Room 3 ②Where ③Come Rain or Come Shine ④Hi-Fly ⑤Pretty Strange ⑥If I Should Lose You ⑦Babe's Blues ⑧Hi-Fly (take 2)
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