2005年02月06日

第10話 草薙の頃 再開

セントポーリア入り口








「ちょとーーーーー!!」
「どういうことよーーーーーー!」
「ありえなくなーーーーーーい!」


電話の向こうは、タカコだった。
あまりにその声が大きいので、俺はしばらく電話を耳から話し、しばらく距離を置いてその内容を聞いていた。


「なによあれーーーーーーー!」
「ケムマキの子分の猫の影千代って、どういうことよーーーー!!」

前回(第9話)タカコのことを書いてから、うすうす何かアクションがあるのでは、とビクビクしていたが、予想通り、電話の向こうのタカコは、テレビでよく見る、迫り来るテキサスのトルネードのように怒り狂っていた。


「ありえなくなーーーい!!」
「最低!!」
「忍者ハットリ君に出てくる、ケムマキの、しかも子分の影千代ってどういうことよぉ!!」


「いやっ・・・あの・・・。」
俺は、結構詳しいじゃないかと思いながらも電話のあまりの勢いに、「ちょとーーーーー!!」の小さい「っ」が抜けてるぞ、とは思っていても突っ込めず、しばらく何も言えないでいた。


「ちょとーーーーー!!」
「ケムマキって悪役じゃないのよ!!」
「しかもその子分の影千代ってどういうことよ!! え!!」

「いや・・っ、その、例えが、難しかったんだ・・・例えが。」
俺はとりあえず繕いなおし、なんとか言葉を発した。

「猫じゃないのよーー!!」
「せめて人にしなさいよ!!」
「本っ当っ、猫って何!?もっとキュートでかわいいキャラに例えなさいよ!!」

「いや、これから、その・・、これから徐々にかわいいキャラを出していくつもりだったんだ・・・。」
その場しのぎで、俺は何とか答えた。


「いいわ、ヒロインにしなさいよ!!」
「ヒロインに!!」
「訴えるわよ!!」


「ゾクッ」
俺はタカコの脅しに、おれおれ詐欺とはこういう感じなのだろうな、とビビりながらも懸命にタカコを静める方法を模索していた。

「と、当然だろ・・・。さ、最終的にヒ、ヒロインだよ・・・。」
「決まってるじゃないか、最終的にヒロイン・タカコのハッピーエンドの物語になる予定に・・・。」


「そう?」


単純だった。
あまりの単純さに頭が下がる。

「やっぱり?」
「そうよねぇ。」
「いや、そうかと思ってたんだ実は。」

「そうだよ。」
「シンデレラもマッチ売りの少女も最初は最悪のシチュエーションだったじゃないか。」
「でも、最終的にハッピーエンドだろ?」
俺はタカコの心の隙間を突くように、ちょっと持ち上げた。


「・・・そうよね!!」
「いや、わかってたんだけどね!!」
「そうよね、いや、ごめんね忙しいのに。」



「そうだよ。」
「最終的にヒロインになるんだから、心配するなよ。」
「それに結構、今のキャラもおいしいだろ?」

「うーーーん、ちょっとね!」
単純だった。
ほんとうに。
タカコは、ちょっと考えるとそう答えた。


それを聞くと、俺は話題を変え、タカコの怒りを静め、何とか電話を切る事に成功した。
危うく白雪姫の例も口から出そうになったが、何とかタカコの単純さに救われた。


さて、では張り切って「草薙の頃」再開と行こう!!


Posted by fujigoal2005 at 20:03│Comments(4)│TrackBack(0)

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この記事へのコメント
再開ですか、それまで長かったですが期待していますよ!
Posted by うっきー   at 2005年05月16日 22:40
ついに再開です。
Posted by oreyo at 2005年05月20日 00:01
ついに再開ですか?
Posted by oreyo at 2005年07月04日 20:56
再開して下さい
Posted by 横溝 at 2005年09月05日 18:43