2017年08月18日

8月臨床検査セミナー

当院では、月に1度平田雅彦先生(IDEXXラボラトリーズ)を招いて院内セミナーを行っています。今回のセミナーの内容は、主に白血球の好中球についてでした。

好中球とは、白血球の種類の1つで白血球の中でも1番多い細胞です。細菌感染などの急性の炎症に対応するため、激しい炎症が起きているときに増加します。白血球は全て核を持っていますが、特に好中球はその核の形により桿状核好中球と分葉核好中球に分類できます。

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(右)桿状核(左)分葉核

桿状核好中球から分葉核好中球へと成熟しますが、通常であれば末梢血には桿状核好中球は出てきません。しかし、炎症がひどくなると体は好中球の数が必要となるためどんどん好中球を産生して行きます。そこで起こるのが、まだ分葉しきれていない桿状核好中球が末梢血に出てきてしまう左方移動です。この時点では軽度の左方移動ですが、これよりさらに左方移動が進むと、桿状核好中球に分化する前の後骨髄球が出てきたり、さらに進むと後骨髄球に分化する前の骨髄球が出てきます。一般的に、後者2つの細胞は、桿状核好中球が出ないと見られない細胞なので、いずれもまずは塗抹で桿状核好中球が出ているかを判断できるようにならなければなりません。


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左方移動の画像

血液塗抹を見て、得ることの出来る情報は本当に多く、同時にその情報を得るための白血球分類の重要性を感じました。そして、その分類を行うにも日頃からのトレーニングが不可欠です。平田先生に教わったように、1日に出来るだけ多くの塗抹を見て眼を鍛えてより正確な白血球分類が出来るように頑張りたいです。


動物看護師 吉田


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2017年08月17日

8月の出張手術、1回目

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 当院にお盆休みはなく、私は出張手術の依頼を受けたので、新幹線で東京、秋葉原からつくばエクスプレスでつくば市に行きました。

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 前十字靭帯断裂症の秋田犬とマルチーズにTPLOの手術を行ってきました。当院にも、お盆前にTPLOの手術を行ったトイプードルが入院中です。
 黒いケースの中身は全て、私の手術器具、まあまあの重量です。私の移動日の夕方は、新幹線も殆ど満席でしたが、時間をずらして昼間に移動したので、のんびり座って移動することができました。

 みんな無事に退院して、順調に機能回復することを祈ります。

院長 是枝

fujiidera_ah at 18:38|PermalinkComments(0)clip!院長より 

2017年08月10日

ポパイのクレートトレーニング◎準備編

7月某日
我が家の愛犬ポパイのために注文していた新しいクレートが届きました。
クレートの必要性については前回お話した通り→クリック

これから実際に我が家で行っているクレートトレーニングの様子を記録していきます。
今後お家のワンちゃんにもクレートに慣れさせたいという方のために、少々マニアックな内容にはなりますが、良かったら参考にしてみてください・・・(^^)

まずは我が家の犬のプロフィールを紹介します。
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名前:ポパイ
犬種:シェットランド・シープドッグ
性別:オス(去勢済)
年齢:4歳8ヶ月齢
体重:23kg(シェルティにしては大きいです)
性格:慎重、甘えん坊、やや神経質。
もともと臆病な気質です。ポリバケツなどのプラスチック製の物が苦手です。
普段は彼専用のベッドや、夏場はフローリングで寝ていることが多いです。冬は飼い主のベッドで寝ていることも・・・(^^;)
室内で自由にさせており、お留守番はできますが、置いていかれることを嫌がるタイプ。飼い主のそばにいることを好みます。
食欲はかなり旺盛のため、普段はコングにフードやおやつを詰めて与えて、その隙に家を出るようにしています。


今まではソフトタイプ(布製)のクレートを使用しており、自らクレートに入って休むことはあるものの、扉を完全に閉めると「出して」と意思表示してきて完璧なクレートのトレーニングができているとは言えませんでした。
デンタルガムなどをクレート内で与えても、途中で出たがってしまいます。扉を閉められるのに抵抗がある模様・・・。

飼い主として、これではいかん!(^^;)
と思い、今回改めてクレートトレーニングをし直すことにしました。

しかし適応能力の高い子犬の時期ならまだしも4歳という年齢であることと、今回用意したクレートはポパイの苦手なプラスチック製であり、もともと臆病な性分のため、練習はかなり気長に行うつもりです。

◎準備編
今まではこちらのソフトクレートを使っていました。
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しかし上記の様な具合だったため、今回はクレートを一新!
ハードタイプのクレートを用意しました。
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購入したのはこちら。
カラーバリケンネル ウルトラMLサイズ

ポパイは23kgですが体高が高めのため、こちらのサイズがぴったりでした。
ちなみに、クレートは犬が立って入り、奥でくるっと方向転換でき、伏せることができる大きさがちょうど良いサイズです。

狭すぎるとくつろげず、大き過ぎてもクレート内でトイレをしてしまう可能性があるため、その子にちょうど良いサイズを用意しましょう。

まずはクレートを組み立てます。
今回用意したクレートは特別な工具もいらず、女性でも10分もあれば簡単に組み立てることができました。
ポパイは少し興味がありつつも遠巻きに見ています。
苦手なプラスチック製のクレートを怖がることのないように、組み立て途中も「怖くないよ〜良いものだよ!」とひたすら声掛け。

クレートを置く場所はこちら。
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リビングにあるソファの隣です。ここなら、飼い主がソファに座りながらクレート内の犬にご褒美を与えることが容易にできます。

クレート内には犬の好むフカフカの敷物を引いてあげましょう。犬は自分の巣に落ち葉などを集める習性があります。フカフカの敷物を敷くことで、より犬の好む環境を作ります。

ちなみに、扉は勝手に閉まらないように固定しました。
扉があると、犬がぶつかって大きな音を立てたり、勝手に閉まってトラウマを与えてしまう可能性があるため、扉が簡単に取り外せるタイプのクレートをお持ちの方は最初のうちは扉ごと外してしまうのが良いでしょう。

クレートのトレーニングにはご褒美としてフードを使います。
今回のご褒美はこちら。
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いつものドッグフードと、大好物の鹿肉です。
(鹿肉は写真では分かりやすいよう塊のままですが、実際は細かくちぎっています)

鹿肉は冷凍していたため、レンジで解凍しているときからポパイはテンション↑↑
プラスチック製のクレートには初めて触れ合わせるので、ご褒美は大好物を用意しました。

その子の苦手とするものに慣れさせるときは、最初は特に大好きなものを用意しましょう♪

これで準備はOK!次回からは練習の様子をレポしていきます(^^)/


☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.

パピークラスでもクレートの練習をしています!
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詳しくはお問い合わせください(^^)
皆様のご参加をお待ちしております♪

☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.

看護士 森本

fujiidera_ah at 20:54|PermalinkComments(0)clip!スタッフ日誌 | パピー

2017年08月09日

8月23日:皮膚科専門診察日(予約制)

 当院では、毎月1回、皮膚科顧問の関口麻衣子先生(アイデックスラボラトリーズ:動物皮膚病理診断医)による皮膚科予約診察とスタッフ向け院内セミナーを行っています。
 8月の皮膚科専門診察は、8月23日(水曜日)です。

 皮膚疾患には、ありふれた疾患から生命を脅かす疾患が存在し、感染症やアレルギー性疾患、悪性腫瘍、自己免疫性疾患と多岐にわたり、若齢から高齢の動物と幅広く経験されます。

 より高度な皮膚科診察、治療を提供するため、当院では2015年4月より関口麻衣子先生を皮膚科顧問獣医師として迎えています。

 関口先生の皮膚科専門診察は、毎月1回、予約制となっており、詳しくは当院スタッフにお問い合わせください。

院長 是枝
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 写真は、2015年から2016年にかけて6回行われた大阪府獣医師会学術講習会で講演される関口先生。(VETS CHANNELより引用・改変)

fujiidera_ah at 16:40|PermalinkComments(0)clip!院長より | お知らせ

2017年08月05日

タイの大学で、股関節形成不全の犬に人工関節全置換術(THR)の施術

 7月27日はカセサート大学、28日はチュラロンコン大学で、股関節形成不全の犬に人工関節全置換術を行いました。今回、私がタイから呼ばれたのは、このためでした。

 2年前にタイで開催されたWorld Small Animal Veterinary Association(WSAVA、世界小動物獣医師協会)の年次大会の整形外科実習の講師として参加させて頂いた際に知り合った、両大学の先生からタイで手術をして欲しいとの依頼でした。
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 私の手術機材をトランクに詰め込んで出発。

 タイの先生方に「行きたいところはない?」と聞かれて、「手術の成功を祈るためにワットポー」と
答えて、関節鏡の講習会の後に王宮やワットポーなどを見学する手配をして頂きました。
 
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 7月27日の朝からカセサート大学で、カセサート大学、チュラロンコン大学の外科チームが集まってブリーフィング、3時間程かけて人工関節全置換術(THR)の講義し、私の手術ビデオをみて頂きました。
 私は英語で講義する語学力はないので、私の手術ビデオだけみせようと思っていましたが、岐阜大学の博士課程に留学されていたKae先生が、日本語をタイ語に通訳してくれるとのことで、急遽、講義も行いました。
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 右からカセサート大学の外科のMonchanok教授、通訳をしてくれたKae先生、私、Janut先生、通訳できる先生が居て助かりました。

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 27日は午後から人工関節全置換術(THR)を施術、ラブラドールレトリバー、4歳齢、34kgと雑種、6歳齢、47kgの2症例に手術を行いました。ちょうど、台湾の獣医学生も研修でカセサート大学に来ており、大勢の見学者が居て驚きました。多くの方が、携帯で写真やビデオを撮られていました。
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 中央の1人だけ帽子が違うのは私です。手術中もKae先生が私の隣で、私の説明や見学者からの質問を通訳してくれました。
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 この日は、なんとか2症例とも無事に手術は終了しました。
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 カセサート大学の動物病院の待合ですが、前国王の写真が飾られていました。街中の至る所に前国王の写真や絵が飾られており、人気があり尊敬されていたことが解ります。
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 翌日はチュラロンコン大学に移動して、ラブラドール・レトリバー、11ヵ月齢、47kgとオーストラリアン・シェパード、1歳齢、25kgの手術を行いました。ラブラドール・レトリバーで47kgは、日本ではみたことのない大きさでしたが、無事に人工関節全置換術(THR)は終了。残念ながら、オーストラリアン・シェパードは骨変形が酷く、人工関節の装着が困難で大腿骨頭切除術(FHO)で手術を終えました。
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 手術を終えて着替えたら、チュラロンコン大学の若手の先生方に写真を一緒に撮って欲しいと言われました。写真を撮ってたら、部屋の外に居られたオーストラリアン・シェパードの飼い主様が、「自分とも」と言われて入って来られました。右がマレーシアからタイに手術を受けに来られた飼い主様、左がチュラロンコン大学のChalika先生。
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 昔は、タイも獣医学部の学生は女性は少なかったそうですが、現在は女性の方が多くなっているそうで、日本と同じ傾向です。手術の翌日は、チャオプラヤ川をみながら夕食をご馳走になりました。
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 今回は、当院の手術になれたスッタッフが居ない中での手術でしたが、カセサート大学、チュラロンコン大学の先生方は、よくサポートしてくれました。最後の夕食時に、次回は人工関節全置換術(THR)と前十字靭帯断裂に対するTPLOをして欲しいと依頼を受けました。
 タイ出張前には、韓国の獣医師からも、日本に犬を連れて行くので人工関節全置換術(THR)をして欲しいとの依頼がありました。1頭でも多くの犬を健常犬と同等のレベルに治してあげれればと思います。

院長 是枝