2014年12月15日

CCRPコース in ノースカロライナ州立大学

かなり前のことですが、
10月22日から5日間、ノースカロライナ州立大学で行なわれたCCRPのコースに参加してきました。
CCRPはC.C.R.Pは米国テネシー大学獣医学部のリハビリテーションの公式認定資格です。

会場の大学はアメリカ合衆国南東部のノースカロライナ州のローリーという都市にあります。
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今回は3日間の実習と2日間の症例検討のプログラムでした。

3日間の実習では、実際に普段リハビリに通院している犬達に、触診したり、様々な治療を施したりします。
整形外科的検査の実習の写真です。
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講師の Denis Marcellin-Little 先生は、有名な整形外科医でもあります。
専門医ならではの知識の豊富さとシビアな評価に少し戦きましたが、
整形外科的疾患、特に術後のリハビリテーションの必要性についての明確な考え方が、非常に勉強になりました。

ストレッチの実習の写真です。
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講師のKerry Fisher先生です。彼女はアメリカでの犬のリハビリテーションのパイオニアであり、現在はコロラドでリハビリ専門病院を開業されています。
彼女が、年老いた自分の飼い犬と亡くなる直前まで行なったリハビリテーションのビデオを見せてくれました。それは非常に愛にあふれたビデオで、老犬のリハビリテーションのこれからの可能性を感じました。

電気治療、超音波治療の実習の様子です。
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講師のDavid Levine先生は、今回の講師陣のなかで唯一の理学療法士です。とてもユーモアのある先生で、日本からわざわざ来た私のために、日本で一番多いであろう椎間板ヘルニア疾患のミニチュアダックスフントを実習に用意してくれた、っと言ってました。が、その犬は日本のミニチュアダックスフントとは少し違って見えました。

ショックウェーブの実習の様子です。
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ショックウェーブは、衝撃波を患部にあてることで慢性痛に効果があります。
まだ日本では、競走馬での使用しかないようです。実際に自分の手で試してみましたが、かなりの衝撃で痛かったです。

様々な運動療法の実習の様子です
トレッドミル
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アンダーウォータートレッドミル
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アンダーウォータートレッドミルは当院にもありますが、さすがアメリカには大型犬が多いので当院のよりも二回りぐらい大きかったです。

実習では講師の先生に教えてもらいながら、手技を行なうのですが、もっとも気をつけることは、患者に痛みや不快感を与えないこと。
実際に痛みを持っている犬達を扱うため、常に様子を確認しながら行なうのですが、その犬達から教わることも多かったです。


前半の3日間の様子が終わったところで、大学の付属病院を少し紹介します。
会場となったノースカロライナ州立大学は、数年前に付属病院を建て替えたところで、非常に大きくきれいな病院です。診察科により入り口や待合室が別れており、機能的な配置になっています。
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待合室には患者だった犬や猫の写真が飾られでいて、がんばった動物達に対する愛情が伝わってきます。
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また、病院玄関のレンガには、亡くなった犬や猫の名前が刻印されていて、病院と飼い主さんの絆を感じます。
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では、本題に戻りますが、
後半2日間の症例検討は、グループでディスカッションを行うのですが、
私たちのグループのディスカッション中、どこからか猫がやってきました。
実習では犬ばかりだったので、この猫ちゃんの登場をみんなで歓迎しました。
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グループディスカッション中、参加者の先生達のアグレッシブなディスカッションに、私は負けてしまいそうでした。この猫ちゃんの存在が、グループの雰囲気を和ませてくれ、私を助けてくれました。
おかげで、様々な国の先生達と情報交換の出来る貴重な時間になりました。

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CCRPのコースは、来年も続きます。
英語力だけではなく、発言力、説得力の向上が、わたしの課題です。

獣医師 石川





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