うちのファミリーカーは、ファミリーカーなのにTRDのローダウンサスキットを組んである。
運転してても、もちろん縦に揺れる。(笑
老体に鞭打ちながら、ロングドライブを楽しんだ。
ひ○みがなんとなく嬉しそうだ。
ただ、銚子までケーキを買いに行くだけなんだ。
オレは女とデートはしない。
女の方はデートだと思っていても、オレにとってはただ一緒に飯を食いに行くだけのことなんだ。
デートなんて言われちゃうと、照れくさくって居心地が悪くなるんだ。
しばしば、強制デートなんてのもあったが、オレは終始、不機嫌だ。
み○りんに強制的に連れて行かれた、ユーミンのコンサートでは、開始5分後からみんな立ち上がってリズムを刻み出したが、オレは2時間座り続けた。
何にも見えなかった。(爆
一緒に出かけるだけで、一体、なにが嬉しいんだろ?
事前にネットで調べておいた、自船で取ってきた魚を料理してくれるっていう、海のまん前の定食屋に並んで、遅いお昼を食べた。
まァ、海を見ながら定食っていうのも悪くはないな。
犬吠崎の灯台に寄ってからケーキ屋に行ったが、潰れてた。
潰れてるのにホームページで宣伝しやがって。(爆
銚子市内を一周旋回してうちに帰った。
帰り道に、知手のゴエモンらーめんの裏手にあるHちゃんの墓に寄った。
ここを通る時のお決まりのコースだ。
墓参りには何にも持って行かない。
車から降りたらマイルドセブンのワンに火を付ける。
深く一服吸ってから、7年前、最後に会った、返り血を浴びて真っ赤になった服を着たHちゃんを思い出す。
会話が蘇る。
Hちゃん:今、5,6人伸ばしてきちゃったよ・・(笑
オレ:うん・・(笑
そう言えば、オレに付いてるMAの霊に向かってこんなこと言ってたっけ。
Hちゃん:オレもスグ、追っかけて行くからよ。(真剣な顔で)
この意味がこの時は分からなかったんだ・・・
吸いかけのマイルドセブンのワンを線香の代わりにして、手を合わせる。
哀愁のオーラを漂よわせながら戻ると、車で待っていたひ○みの様子が変だ。
悲しみが心の奥で沸々と湧きはじめてるようだ。
オレが感情を殺していると、ひ○みの方に現われるんだ。
それから、17の時、バイクで事故って死んだTOの墓に寄るんだ。
メカに疎いオレの青白のFXが故障した時なんか、いつもTOが直しに来てくれた。
TOが死んだ日、み○○から電話が来た。
み○○:もしもし !!!
TOが死んじゃったよ !!
今からみんな集まるんだって。
来れる??
オレ:通夜見舞いと香典・・オレの名前で渡しといてくれ。
当時、遠くの高校に通っていて、翌日に期末試験を控えていた。
推薦で医学部に入るためには、内申が4.8以上は欲しかった。
オレは、TOの最後に会いに行ってやれなかった。
TOの墓に着いた。
FMから、ミスチルの”しるし”が流れはじめた。
♪最初からこうなることが決まってたみ~たいに~♪
足早に、TOの墓に吸いかけのマイルドセブンのワンを置いて戻って来ると、ひ○みが泣いていた。
♪ダーリン、ダーリン、いろ~んな角度か~ら君を~♪
オレは相変わらず感情は殺してる。
最後にMAの墓に行く。
墓に行く道の途中、MAのうちの前を通るんだ。
奥のMAの部屋の前に濃紺のセルシオが止まってる。
まるで、MAがそこにいるようだ・・・
MAの墓にも同じように、吸いかけの煙草を置いて車に戻ると、ひ○みがオレの方に向かってシャッターを切っていた。
随分前にテレビにクレイジーキャッツのメンバーが出てた。
谷啓がこんな台詞を言った。
谷啓:クレイジーキャッツの生き残りだと思って・・・
この言葉がオレの心のツボに入った。
”クレイジーキャッツの生き残り・・・”
涙が溢れて止まらなかった。
三人の墓参りを終えて、うちに帰る途中にこの言葉を思い出していた。
”クレイジーキャッツの生き残り・・・”
感情は殺したままで・・



