【広告】

 InTheHeartOfTheSea_00
巨大クジラとの激闘の末、沈没した船から逃げ出した乗組員たちの壮絶
な運命を描いたドラマ、といったような作品です。

原題 IN THE HEART OF THE SEA
製作 2015年・米 122分
監督 ロン・ハワード
出演 クリス・ヘムズワース、ベンジャミン・ウォーカー、キリアン・
   マーフィー、ベン・ウィショー、トム・ホランド、ブレンダン・
   グリーンソン

 ブログランキング・にほんブログ村へ 

解説
「ハーマン・メルヴィルの「白鯨」の裏側に迫るナサニエル・フィルブリック
のノンフィクション「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」を基に描く
驚異のサバイバルドラマ。19世紀を舞台に、白い大型のマッコウクジラと
捕鯨船の乗組員たちとの壮絶なバトルを描く。主人公を『アベンジャーズ』
シリーズなどのクリス・ヘムズワースが演じ、『ダ・ヴィンチ・コード』
などのロン・ハワードが監督を担当。大海原で繰り広げられるクジラと
人間の究極の闘いに息をのむ」


あらすじ
「1819年、エセックス号のクルーたちは鯨油を入手するためにアメリカ・
マサチューセッツ州のナンタケット島を出港する。一等航海士オーウェン・
チェイス(クリス・ヘムズワース)をはじめとする乗員たちは、太平洋沖
4,800キロメートルの海域で白い化け物のようなマッコウクジラと遭遇。
彼らは強大な敵を相手に必死で抵抗するものの船を沈没させられ…」
(シネマトゥディ)




本作、邦題や予告編などからは、まさに白鯨との激しいバトルがテーマ
となった映画かと思ってたんですが、メインはむしろ人間ドラマでした。
もちろん、クジラの猛攻・破壊シーンや、絶望的なまでのクジラのデカ
さとか、そういった絵はちゃんと出てきます。迫力もある。
 InTheHeartOfTheSea_01 InTheHeartOfTheSea_02
(C)2015 Cott Productions LLC and Enelmar Productions、 A.I.E. (C)2016 Warner Bros. Entartainmaent Inc. 以下同

ま、実際は死闘にも激闘にもなってませんでしたけどね。何しろ19世紀
の話なんで、船もその他の装備も今からしたら極めて貧弱、銛なんて手
で投げるやつで、大砲で撃つとかそんなんもないし。こんな巨大なヤツ
に襲われたらなす術もありませんわ…。


物語は小説『白鯨』の作者であるメルヴィンが、捕鯨船エセックス号の
生き残り乗組員から、船で実際にあった話を聞き出すという形で進行。
公には座礁で難破ということになってるが、実は鯨にやられたという噂
があるけど、その辺どうよ?と尋ねるのだが、相手はなかなか口を割ら
ない。
 InTheHeartOfTheSea_03 InTheHeartOfTheSea_04
鯨部分までは何とか聞き出せても、船が沈没して漂流してる時のことは
頑として口をつぐむ。さらに粘ってようやっと語らせてみると、極めて
苛酷な真実が…ってな感じ。何で鯨にやられたのを伏せたのか、漂流時
に何があったのかという辺りは、まあ実際に観ていただきましょう。


で、話としては後日談を語る形ですけど、映像的には当然エセックス号
での出来事が主体です。今度の航海では船長にしてやると言われてたが
一等航海士のまま置かれたチェイス(クリス・ヘムズワース)と家柄が
いいだけで経験もないのに船長になったポラードとの確執、船員たちが
信頼を寄せているのはチェイスだが現場では船長の命令は絶対なのよと
いう船内の緊迫感、何十日も鯨が捕れずダラけきってた後に大群を発見
した時の海の野郎どもの躍動感、てな感じですね。
 InTheHeartOfTheSea_05 InTheHeartOfTheSea_06 InTheHeartOfTheSea_07
そういえば、船ではお互いをミスター○○って呼び合ってて、何か違和
感あったけど、当時はそういう風習だったんですかね。


また、人間模様だけでなく、嵐との遭遇や捕鯨シーン、鯨アタックとか
沈没等々も…。
 InTheHeartOfTheSea_08 InTheHeartOfTheSea_09 InTheHeartOfTheSea_10 InTheHeartOfTheSea_11
私が特に感じ入ったのはクジラの大きさを表すのに、尾びれを見せつけ
てるとこですね。
 InTheHeartOfTheSea_12
ホンマ、こんなん捕るどころか、こっちが一発でエサになりますよ…。
あ、漂流時に生き残り船員たちがガリガリに痩せてる絵なんかも、ある
意味迫力でしたねえ。
 InTheHeartOfTheSea_13 InTheHeartOfTheSea_14
実際に減量したんかな…。


キャストですが、主役の一等航海士はクリス・ヘムズワース。
 InTheHeartOfTheSea_15 InTheHeartOfTheSea_16
得意分野(であろう)男臭いタフガイ、経験に裏打ちされた自信に満ち
溢れた役どころを、実に生き生きとやってましたね。やっぱ得意なんで
しょう。今回思ったけど、この人の声って野太くてヨイですね。


新米船長にはベンジャミン・ウォーカー。
 InTheHeartOfTheSea_17 InTheHeartOfTheSea_18
あんまり馴染みないな…と思ってたが、前にネタにした『リンカーン/秘密の書
の人やったんですな。気付かんかった…。本作では最初はいかにも家柄
に頼るだで本人は頼りない感じのヤツだったのが、様々な出来事を経て
最後には真実から目をそらさない男に成長する姿を上手くやってた。


あと、二等航海士にキリアン・マーフィー。
 InTheHeartOfTheSea_19 InTheHeartOfTheSea_20
この人、前にネタにした『パニック・フライト』の時の見事な悪党ぶり
が頭に残ってて、かつ、熱っぽい目付きもあって、どうもそういう方面
の人というイメージなんだが、本作では極めて常識的なサブリーダー的
役どころをキチンとやってましたわ。


さすがのB級愛好家の私とて、本作が鯨とのバトル中に時空が歪んで現在
に飛んで最後は核弾頭で仕留める…などとは思わんかったですが、それ
でも海洋パニック大作的なんかなあ…と思ったら、至極マジメな映画で
あった次第です。が、十分面白かったですわ。

 ブログランキング・にほんブログ村へ  


  

【広告】