2011年05月23日

月刊タウンはりま2011年6月号

自分自身を愛する人を大切にする 兵庫県高砂市 藤原歯科医院

☆命の入り口、心の出口☆ 

taun2011-6-3その壱 喜ぶ献立 早食い招く軟らか食
 今月から、あなたに西日本新聞社発刊の「命の入り口 心の出口」を基にお話ししましょう。この本は西日本新聞社の2009年11月から2010年2月まで朝刊に連載されていた記事を一冊の本に仕上げられたものです。九州のある小学校の給食時間にカウンターを手に噛む回数を数えてみるとパンは平均10回。まだ噛み切れていないうちに牛乳で流しこむ子が目立つ。スパゲティはもっと早い。数回噛んだらすぐ次のスパゲティを口の中に放り込む。配膳から約15分後にデザートのシュークリームを満足気に味わって給食時間は終了して子供達は校庭に散った。担任が指摘するのは40分という給食時間の短さ。配膳にかかる時間や給食センターが食器を回収に来る時間から逆算すると食べる時間は正味15分〜20分しかない。「4時間目に体育があると着替えもあって、さらに時間は短くなる。自然と早食いを容認するような雰囲気にもなる」と担任は言う。噛まない原因は献立自体にもある。噛み応えのあるものが少ないのだ。この学校のメニューを見るとヒジキなどの噛めるおかずもあるにはあるが主流はカレーやジャーマンポテト等の子供が喜ぶ軟らかくて多国籍型の「カタカナ食」が多い。「必要な栄養素はカロリーには基準があっても『噛む』ことに対する指導はない噛み応えのあるメニューは時間がかかるから嫌がる担任も多いし残食を減らすため栄養士も子供が好む軟らかい献立にする必要がある」と学校栄養士は打ち明ける。現代人の咀嚼回数は弥生時代の6分の1、taun2011-6-1食事時間は5分の1に激減。戦前と比べてもそれぞれ半分以下に減っていることが分かった。その影響はムシ歯の増加として表れている。柳の枝を削った「房ようじ」で歯磨きしていた江戸時代は10%前後だったのに対し現代人は85%。現代人の方が、はるかに入念に歯を磨いているのに、である。「それは噛む時に出る唾液の量と食材の質と関係している」と神奈川歯科大学の斉藤元教授は解説する。唾液は食事で出来た酸性化した歯垢を40〜60分で中性化するし溶けた成分を再石灰化して歯を元に戻すのだ。顔の筋肉が動くと脳も活性化。さらに唾液と食物を混ぜ合わせることで消化効率も上がるのです。だから口は単に物が入る場所ではなくて体全体とつながる極めて重要な器官なんです。
○参考文献 
西日本新聞ブックレットNO25 食卓の向かう側・第13部 命の入り口・心の出口


fujiwarasika at 10:51コメント(0)トラックバック(0)タウンはりま  

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