ゆうこのゆるゆる通信

おとぼけ天然キャラ(*^_^*)箏奏者・福田優子の周りで起こる、日々諸々のこと

2009年11月

箏衛門ライブを終えて

今回の箏衛門でも色々なことを学びましたが、改めて実感したことは
「曲を生かすも殺すも演奏者次第」
ということです。

一ノ瀬さんの「We are stil all connected」
この曲は大変美しく繊細な曲で、かつ現代音楽を知らない人でもイージーリスニングとして聞くことも可能です。

でも耳を澄ますと、箏を糸でつないでいる効果により色々な響きが聞こえてきます。
海面がキラキラ光るように、波によって煌めきが変化するように、
その響きは複雑で一定しません。

初回の合わせで私達の意識は、まずテクニック的に難しいことに向けられました。

次の回には何とかテクニックは克服したものの、手順に追われていて腑に落ちない、あっけにとられているような感じ。
曲が全く掴めていませんでした。

でもその後、一ノ瀬さんとディスカッションをする機会に恵まれたことがきっかけでメンバーの意識が変わり、つなぐ弦を変えてみたり、長さや張力を変えたり、様々な工夫も生まれました。
その結果一ノ瀬さんの考えていることにようやく近づくことができたのです。
そうでなければ
「そんな筈はないよなぁ」
と頭の中は?が一杯のままイージーリスニングに終わらせるところでした。

曲が死ななくて本当に良かった!

作曲家は演奏家に曲を提供すると、実際に音として出てくる世界には関与できません。

もし提供した曲が(それは自分の子供みたいに愛おしい筈です)まったく的外れな演奏をされたら、
自分の着目したポイントや世界観が気が付かれずに無視されたら、

私が作曲家だったら耐えられません。
その曲もかわいそうです。
表現者としての根元的な欲求という点から言っても、
曲の意図するところや本質をもっと大事にし、考えて行きたいと強く思いました。

また演奏したいです。

一ノ瀬さんありがとうございました。

箏衛門15周年記念ライブ、無事終了!!ありがとうございました

昨日、箏衛門15周年記念ライブが無事終了致しました。
ご来場下さいました皆様、LAILA様はじめブログやメール等で応援して下さいました皆様、本当にありがとうございました。

昨日は午後13時に会場入りしました。
会場のMUSICASA(ムジカーザ)は客席数120席の小さなホールですが、響きが大変に美しい素敵なホールです。
お客様との距離も近く、空間を色々に工夫して使えるところも大きな魅力。
箏は基本的に音量の小さい楽器なので、迫力や臨場感を感じられる空間の大きさにはどうしても限界があります。
曲の内容に対して実際の音量が小さく感じられると、それだけで面白みが殺がれることだってあります。
その点でも、このホールはちょうど良い大きさなのです。

さて、リハが終わってメイクして着替えて調弦を取ると、あっという間に本番の時間です。


一曲目の「ラテララス」はアメリカのかなり有名なロックバンドの曲です。
非常にクール!!且つ凝っていて、音大で専門に作曲を勉強したかのような緻密な作品です。
しかも途中複数のリズム系が同時進行するという、恐ろしい変拍子。
これをブレット君が箏用にアレンジしてくれました。
このアレンジが非常に良く、今回会場にいらしてくれた作曲家の野村さん・一ノ瀬さんも絶賛でした。
私は個人的にミスってしまって(なんとかカバーできましたが)、後で録音聞くのが怖いです。
緊張していないようでも、一曲目から超変拍子の難曲はプレッシャーが強いですね。


二曲目は野村誠さんに以前書いて頂いた「52×51」。
楽譜は、「このパートが休んだらこれを弾きましょう」とか、「余韻を楽しみましょう」とか「長いけどがんばって」とお手紙風に書かれたいわゆる「お手紙楽譜」。
前半はノリノリのグルーブ感が楽しく、中間部分にゆったり流れるようなところがあり、後半はコミカル(!?)にリズミカルに激しく。
聞きに来てくれた弟曰く
「展開の激しい曲だね。いろいろな感じがあって面白かった」
ありがとう弟よ。
さすが私と血が繋がっているだけあり、音楽とは無縁の仕事をしているのにマニアックな世界が分かっています。

途中、摩美ちゃん・林さん・ブレット君は深呼吸して休憩する場面があり、その間はどこに行っても何をしても良いことになっています。
前回の練習で、摩美ちゃんのパフォーマンスに
「動きが小さいとかえって間抜けだから、もっと大きくした方が良いよ」
と注文を付けたところ素直に工夫してくれて、メンバーの楽譜をいじったり肩を揉んだり、しまいにはお客さんの肩まで揉みに遊びに行ってくれました。
どんな難曲よりもこのパフォーマンスが一番緊張したとか。
でも、とても良かったです。


休憩を挟んで三曲目は今回委嘱初演の「We are still all connected」
一ノ瀬響さんの作品です。
この曲は二面の箏を向かい合わせにして片方の一の弦の倍音ともう一方の二の弦の倍音のところを三弦の糸でつないで演奏します。
片方が一の弦を弾くと、三弦の糸ともう一方の二の弦が振動して共鳴し、不思議且つ複雑な響きが得られます。

最初にこのアイデアに基づいた一ノ瀬さんの曲を聴いた時、なんて素晴らしい発想だろうと感動し是非弾きたいと思っていたら、カート氏も同じ事を考えていて箏衛門で委嘱することになりました。

で、できあがった曲がこれがまた…
左手は目の前にいる(要するに糸で繋がっている)相方と6/4拍子のメロディーを掛け合いながら奏で、
右手では全く別の旋律を休符を入れたりしながら即興で弾くという、
脂汗の出るような難曲。
つい自分のパートをクリアすることに腐心し、全体が感じられなくなりがちです。
リハでは私とブレット君の組がミスを犯してしまい曲の最後で音が変なことになってしまいましたが、本番はミスなくできました。

良い出来だったと思います。
ただ、倍音の響きは偶然性が強く、リハでできた面白い音のする条件を本番で再現できなかった事、それからもうちょっと工夫したらもっと深く大きな世界が広がったんじゃないかと思われるところが心残りです。


プログラムの最後は忠夫先生の「独奏箏と箏群のための詩」です。
独奏はカート氏。
忠夫先生の曲は一番慣れ親しんでいる筈なのですが、逆に距離感が近すぎるせいか練習ではこの曲が今回一番難航しました。
つい皆それぞれのイメージで弾いてしまい、箏群が全くまとまらず一体感ゼロ。
最後の練習までその状態が続き頭を抱えました。

結果的には悪くない演奏だったとは思うのですが、忠夫先生の曲は詳細に作り込んでいった方が活きると思うので、曲作りのプロセスには課題が残りました。


そして最後に箏衛門では初のアンコール
比河流先生の「夢の輪」を演奏しました。
箏衛門で何回も弾いている曲です。
暗譜だったのですが、途中わたくし暗譜が飛びましてミスタッチを何カ所か…
本当に私は暗譜での演奏が大の苦手です。
何回も暗譜で本番に臨んでいる曲でも、ちょっとした拍子に吹っ飛んじゃうんですよね

色々反省点もありましたが全体としてはとても良い出来だったと思うし、
お客様にも喜んで頂けたようです。
「また来たい」
とおっしゃってくれた方もいてとても嬉しかったです。
やっぱりライブは楽しい!!

次の箏衛門に向けて、またアイデアを練らないといけませんね。
皆様ありがとうございました。











完売御礼

おはようございます
いよいよ明日は箏衛門ライブ
ですが、わたくし例によって雑用に追われ…早く練習したいよう(>_<)
午後からはしっかり弾きましょうね
ところで、お陰様で箏衛門の前売り券は完売となりました。
しかも一昨日。
お知らせ忘れてました(汗)
みなさまありがとうございますm(_ _)m

いよいよ明後日

いよいよ箏衛門のライブが明後日に迫ってきました
が、何なのでしょう、この怒濤の忙しさ!(>_<)
他の本番が入ったりしていたので、めちゃくちゃ慌ただしい日々を過ごしています。
とりあえず、明後日に向けて気合いだ気合いだ!

練習そして練習

1093de60.jpg昨日は箏衛門の練習でした。
本番まであと1週間。
なかなか予定通りには仕上がらないもので、切羽詰まってきました。

昨日は10時集合、10:30〜18:30まで、30分のお昼休憩(1時間取っていたけど午前中が延びて短縮)以外は実質ノンストップで練習しつづけました。
めいっぱい詰め込むのは結成以来変わらずです。

最後には作曲家の一ノ瀬さんに来ていただき、試行錯誤。
曲を進行させることはできるようになりましたが、そこから内容を深めていくのが大変です。

さて箏衛門のリハが18:30に終了すると、私と可栄ちゃんはタクシーで渋谷へ。
実は昨日は箏衛門の他に、23日のお仕事のリハが19時からあったのです。
こちらは21時終了。
トータルでほぼ9時間弾きっぱなしという、私にはいささかハードな一日でした。
一人だと9時間ぐらい練習時間をとっても、疲れて実質6時間くらいしか弾けないのですが、
合奏だとそんなに時間をとらなくても、 ノンストップで一気に6時間くらいいけちゃうんですよね。
集団の力ってすごいです。
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