“事業・コスト構造改革”のプロフェショナルを目指して

 


新型コロナウイルス感染症により、影響を受けられた皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。

 

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

旧年中は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。おかげさまで、弊社は本年で創業10周年を迎えます。これもひとえに、皆様方のご支援、ご協力のおかげと心よりお礼申し上げます。

 

 今から約100年前の日本も、H1N1新型インフルエンザウイルス(スペイン風邪)が大流行し、人々はマスクをし、密閉・密集・密接の3密を避け、今と同じような生活をしていた時期があります。

この時期に、モーター専業メーカーから総合電機企業に大成長した企業があります。この企業は、当時の社会課題を解決する新規事業の強化という事業構造改革と、収益性を向上させるコスト構造改革を感染拡大の中、実行しました。今日、保有する多くの事業と原価企画の考え方はこの時期にスタートされました。社会の大きな変化は、企業が大きく成長する機会だと考えられます。

 

さて、2021年は、感染症に対して強い企業と弱い企業で、企業収益は大きく2極化していくと考えられます。そこで、本年は、企業の持続可能な成長のために、現在の事業構造やコスト構造の再構築と、収益性の高い新規事業創造という、『事業・コスト構造改革』に取り組む必要があります。

『事業構造改革』とは、事業やコストの再構築により、より高い満足を、顧客や社会、社員、株主に提供し、効率よく、売上の拡大や利益の拡大を図り、企業価値を向上させる取り組みのことです。また『コスト構造改革』とは、部材コスト・生産コスト・間接コストの3つのコスト低減による利益の拡大を図り、企業収益を向上させる取組みです。これらの『事業・コスト構造改革』を実践するためには、『設計標準化』、『調達標準化』、『営業標準化』の3つの標準化が重要で、弊社は企業価値および企業収益向上のために、この3つの標準化を推進し、“事業・コスト構造改革”のプロフェショナルを目指します。

 

1. 設計標準化

設計標準化とは、顧客満足の高い多種多様な製品やサービスを低コストで開発していくための手法で、主に、プラットフォーム設計とモジュラーデザイン思考設計があります。前者は、顧客ニーズをもとに、プラットフォーム(複数の製品の共通となる部分)を設計し、これをベースとして、オプション、カスタム対応仕様を多種多様な製品を開発していくもので、後者はレゴ・ブロックの塊のような群(モジュール)を自由に組合せることで、多種多様な製品を開発していくものです。設計標準化によって、顧客が簡単に欲しい製品やサービスを選択できるようになり、また部材の共通化や生産の効率化、図面の共通化が進むことで、部材コストや生産コスト、間接コストが低減でき、社内リソースも低減できます。そのため、顧客にとって価値の高い製品やサービスの開発、新規事業創造に、社内リソースを増やすことができるようになります。

 

2.調達標準化

調達標準化とは、社外から調達する部品や材料、システム、委託品等の推奨仕様や推奨サプライヤを決定し、それを製品で採用することで、部材コストや生産コスト、間接コストを低減する手法のことです。主に、集中集約購買や開発購買等があります。集中集約購買は、ボリューム効果を目的に、社内の調達仕様を集約化・レンジ化・共通化・系列化等でまとめ、集約したサプライヤ先から一括してまとめて調達し、調達コストの低減を図るものです。これにより、部品点数や管理するサプライヤ数等が低減し、調達業務効率も向上し、新しい部材やサプライヤ調査と開拓のリソースを増やすことができます。また開発購買は、製品の企画構想や開発段階からサプライヤ、調達価格、仕様の決定に、調達部門も積極的に参画し、調達コストを低減するものです。これにより、下流での品質・コスト・納期のトラブルが減少され、調達業務効率も向上します。

 

3.営業標準化

 営業標準化とは、顧客ニーズ調査や売れ筋製品、売るべき製品等マーケティングと設計標準化によって、標準製品仕様を決定し、その標準製品仕様へ顧客を誘導することで、売上拡大と販売管理費の低減、営業業務の効率化、社内リソースの効率化を図るものです。これにより、営業担当者の顧客とのコミュニケーションや社会変化に対応した販売チャンネルの増加、社会課題を解決するソリューション提案、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する提案など、新しい営業戦略を考えるリソースが増えます。

 

弊社は“事業・コスト構造改革”のプロフェショナルとして、『設計標準化』、『調達標準化』、『営業標準化』の3つの標準化により、お客様企業の企業価値向上と収益向上を実現するために、誠心誠意努力して参りたいと存じます。

 

本年も皆様方のますますのご発展とご健勝を祈念し、引き続き、倍旧のご支援、ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。

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株式会社福原イノベーション研究所
代表取締役社長兼CEO 福原政則