相続放棄とは、相続が発生し、自らが相続人となる場合に、亡くなった方の財産と借金を引き継がないようにする、家庭裁判所で行う手続きです。
大原則として、相続の発生を【知った日】から、3か月以内に申立てをしなければなりません。
ただし、3か月を超えた場合でも、相続放棄ができる場合があります。
わたしが今まで経験した事例をデフォルメしいくつかご紹介します。
①親と疎遠であった事例
両親が離婚し、母方についていった為、父親とは30年以上疎遠であったAさん。ある日、父親が2年前に死亡していること、さらに借金があることを、債権回収会社から知らされた。
この事例では、Aさんは相続の発生を知る機会がなかったことを主張し、相続放棄ができました。
②既に相続放棄をしていたと思っていた事例
親が亡くなり、兄と弟(Aさん)の2人が相続人となったが、Aさんは口頭で兄にす
べてを任せると言い、兄もそれを了承した。その為、これで相続事は完了したと思っ
ていたところ、後日、役所から親名義の土地の固定資産税の督促が届いた。
この事例では、Aさんの相続分は全くないと信じており、その信じたことに相当な理由があると主張しました。
③知らない間に相続人になっていた事例
Aさんの兄には子どもがおり、兄が亡くなったことが知っていたが、子どもが相続したと思っていた。ところが、兄には借金があり、その子どもらは皆、相続放棄をしていた。そのことをすぐには知らさせず、1年が経過した時点で、知ることになった。
この事例でも、Aさんは自らが相続人となったことを知る機会がなかったことを主張し、相続放棄を申立てしました。
上記と同様の事例でも、必ず相続放棄ができるというものではありません。3か月経過後の相続放棄は司法書士へご相談下さい。
※文言の表現は分かりやすくするために平易なものを用いており、必ずしも法令に則した表現でない部分が含まれます。

コメント