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平取締役としての責任について、検証してみます。
社長と平取締役A氏が役員の株式会社です。
1 会社の借金について
原則、平取締役個人にまで、その債務の支払いを請求されることはありません。
ただし、その支払先と個別に保証契約を結んでいればその責任を負います。
2 平取締役A氏の不注意
仕事をする上で、相当な不注意(重過失)により、外部の人に損害を与えてしまった場合は、個人的にその責任を負います(会社法4291項)
3 平取締役A氏の不注意や不真面目
仕事をする上で、不注意や不真面目(任務懈怠)により、会社に損害を与えてしまった場合は、会社に対してその責任を負います(会社法4231項)
4 社長が悪いことをしていたのを見過ごした場合
社長が違法なことをしているのを知りながら、止めようとせず、外部の人に損害を与えてしまった場合にも、平取締役個人がその責任を負う可能性があります。
この点、取締役会を設置している会社にのみ、平取締役に他の取締役を監督する義務があることが規定(会社法362条2項)されていますが、取締役会を設置しない会社の取締役にも、同じように取締役業務の一環として監督義務を負うことが十分あると考えますので、注意が必要です。
ちなみに、上記「2」の平取締役の相当な不注意による外部の人への損害については、会社が共に責任を負うことはありませんが、これがもし、社長による不注意によって与えた損害についての場合は、会社も共に責任を負うことになります(会社法350)。
第423条
1項 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この節において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
第429条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

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