最近少々暇が出来たのだが、その時間を利用して熱心に遊んでいるPCゲームがある。
それが今回紹介する「Tokyo Railways」である。
このゲームは作者様のHP(http://homepage.mac.com/s_jima/tokyorailways/index.html)よりダウンロードして遊ぶことが出来る。フリーゲームであるため通信費以外のユーザー負担は一切生じない。

このゲームはどんなゲームかというと、一言で言えば「鉄道経営シミュレーションボードゲーム」である。プレイヤーはマップ上に自由に線路を引き、その線路上を移動しながらマップ上の仕事駒を目的地へと輸送するという作業を行うことで収益を獲得する。最終的に一番早く勝利条件を満たしたプレイヤーが優勝となる。これだけの説明では分かりにくいかと思われるので下に実際のゲーム盤面を載せておく(このように盤面を画像出力する機能が用意されている)。

gamesample


私が感じたこのゲームの面白さを以下に述べる。
まず第一に「どう線路を引くか」を考えるのが面白い。仕事駒を配置都市から目的の都市まで輸送することで報酬が得られるため、より多くの仕事をこなすためには効率的に線路を引く必要があるのだが、山岳地帯や海に線路を引くためには平地に線路を引くよりも遥かに多額の費用が掛かるため、効率性とコストのトレードオフ問題がしばしば発生する。コストを度外視して直線で結ぶか、効率が悪くなるのを覚悟で迂回路線を引くか。地形の険しいマップだと特にこの判断が難しく、また面白い。3つ以上の都市を接続する場合にも環状線がいいか、放射状に引くのがいいか、などと考え出すとつい夢中になってしまう。
第二に「どの仕事をするか」を選ぶのが楽しい。プレイヤーが一度に輸送できる仕事の数は限られており、遠くに輸送する仕事ほど報酬が高くなっているため、短距離の安い仕事を複数こなすか、長距離の高額な仕事をこなすかの判断が必要になってくる。この判断は「どう線路を引くか」と常に表裏一体の関係にあるので、総合的な戦略的判断が求められる。
そしてこれらの面白さを増幅させているのが「他プレイヤーとの駆け引き」である。上のゲーム盤面を見てもらえれば分かると思うが、他プレイヤーもまた同様に線路を引いて仕事をする。仕事駒を他プレイヤーに取られてしまえば折角引いた線路が無駄になってしまうことも多いので、常に相手との駆け引きが必要になってくる。1人で遊ぶ場合は他プレイヤーはAIが担当することになるわけだが、このAIが中々に強く、またいくつかの異なる性格も設定できるため、AI相手といえど緊張感のあるゲームとなる。
さらに副次的な楽しみとして、色々な土地の都市について詳しくなることが出来るというのも個人的には魅力の一つに数えられる。追加マップとして作者様HPで公開されているものも含めると、現在全部で33のマップを遊ぶことが出来る。関東マップや関西マップというメジャーなマップから始まり、アメリカやフランスを舞台とした海外マップ、広島や京都といった一つの都市を扱った局地マップまで幅広い種類のマップが揃っており、バリエーション豊かなゲームを楽しむことが出来る。追加マップが月1以上の非常に高い頻度で更新されていることもあり、マップを一通り遊ぶだけでも相当楽しむことが出来るだろう。

ここまでの紹介で興味を持った読者がいれば、時間が許せば是非一度遊んでみて欲しい。
人数設定やマシン性能にもよるが1ゲーム1時間くらいなので、こういったゲームが好きな人ならちょっとした気分転換にはいいのではなかろうか。
まあ、私のように徹夜で遊ぶのはお勧めしないが。

参照:レビューサイトによるレビュー
http://www.forest.impress.co.jp/article/2009/04/17/tokyorailways.html(窓の杜)
http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/090527/n0905272.html?ref=top(ベクター)


続きでは難しくて敷居が高いと感じる初心者向けにちょっとしたアドバイスや戦略論の基礎を少しだけ。最初が少しとっつきにくい所のあるゲームだが、その段階で投げてしまうにはあまりに惜しいゲームだと思うので。自力で明記されていないルールやコツを掴みたい人は見ないことを勧める。
人数設定について
私はノートPC環境のためマシンパワーが少し弱いのでデフォルトの6人から4人に減らして遊んでいる。AIの思考時間が気になる環境なら人数を減らすといいだろう。ゲームとしては人数が多い方が「駆け引き」の妙が面白いのだが。

難易度設定について
難易度「至難」はかなり慣れてきた私でも2回に1回は何も出来ずに負けるので、最初のうち(マップの特性を掴むまで)は避けたほうが無難かと。「困難」までならどうにか。


付属マニュアルでは分かりにくいこと諸々

・一度積み込んだ仕事駒は出発地で下ろすことができる
マニュアルにも記述があることはあるが、1回の移動フェイズの間に何度でも積み下ろしが出来るというのが密かにかなり重要。例えば、1回の手番で「東京で仕事駒(東京→千葉)を下ろす」「横浜に移動する」「横浜で仕事駒(横浜→東京)を積み込む」「東京に移動する」「仕事駒(横浜→東京)を達成、報酬獲得」「最初に下ろした仕事駒(東京→千葉)を積み込む」といったテクニカルな立ち回りが可能なので、これを知っているかどうかで効率に大差がつく。特に序盤の積める駒の数が少ない時には重要度が高い。

・季節イベントで発生する仕事駒のうちターンが1巡した時点で積み込まれていないものは消滅する
「スポーツ」「花見」などの季節イベントで発生する仕事駒は普通の仕事に比べて報酬が割高になっており狙い目なのだが、これらの仕事駒は都市に置かれた状態でターンが1巡すると消滅してしまう。そのため、これらの駒を積むチャンスは1回しかないことになる。限られた積荷の枠にどの仕事駒を積み込むのかは普段以上に重要な判断となる。なお、これらの仕事駒も出発地で下ろせるが、イベント発生ターンより後のターンに下ろした場合はそのフェイズのうちに再度積み込まない限り消滅してしまう。

・車両のアップグレードを行った建設フェイズでは線路の建設が出来ない
車両をアップグレードすることで移動力や積荷の量が増え、より効率的な仕事の遂行が可能になる。したがって、ほとんどの場合車両のアップグレードが出来る状態ならアップグレードするべきであるが、そのフェイズでは線路の建設が出来ないため、次のターンで増加した移動力を活かせない状態であれば(これから進もうとする方向の線路がすぐ先で途切れているなど)、アップグレードを遅らせて線路を建設した方が良い事もある。

・勝利条件はマップによって違う
勝利条件はメニューから見ることが出来るが、その条件はマップによって異なっている。今のところ全てのマップで勝利条件は「大都市接続+資産」になっているが、接続すべき大都市の数、満たすべき資産額はマップによって違うので、最初に確認しておく必要がある。私は一度勝手に資産600が勝利条件だと思い込んでいたら実は勝利条件資産は450で、勝てるはずのゲームを落としたことがある・・・


戦略論の基礎(あくまでも私の主観であり他にも有効な戦略は多いだろうが、初心者の参考程度に)

・積荷の目的地の方向を揃える
例えば現在積荷を2つ積める状態で、所在地の近くに東に向かう仕事駒が1つ、西に向かう仕事駒が1つあるならば、東と西どちらに進むかを決めてそれに該当する仕事駒だけを積むと良い。仮に西に向かうとして、積荷の枠が空いているからといって東向きの仕事駒も積み込んでしまうとその駒が枠を圧迫してしまい、道中や帰途で近くに発生する新たな仕事駒を積むことができずに損をすることがしばしばある。AIが強いといっても時折大きく崩れるのは間違いなくこれが原因で、方向性を問わず見境無く高額仕事駒を積み込んだ結果立ち回りが重たくなって近くの少額仕事駒を拾えなくなっているのを良く見かける。終盤で車両のアップグレードが済み積荷枠に余裕がある状態ならば他プレイヤーに取られないために違う方向の(特に高額の)仕事駒をあえて先に積んでおくという戦略もあるが、序盤の積荷枠に余裕がない状況では立ち回りの自由度を下げるデメリットの方が大きい。

・競争の少ない地域を狙う
仕事駒は他プレイヤーとの取り合いになるので、周囲に他プレイヤーが多数いる地域では仕事が発生する先から次々と取られてしまい、結局仕事にありつけないことも多い。特に(難易度の関係で)車両のアップグレードが遅れている場合には仕事の取り合いでは絶対に不利になるので、多少仕事が少なくても競争の少ない地域に線路網を引いてその地域の仕事を独占的に達成した方が良いことが多い。

・地形上の要点を押さえる
マップによっては平地が少なく、ある2都市間を結ぶ時に通れる平地がかなり限られている場所が存在することがある。このゲームのルールとして他プレイヤーの線路と重なる線路は引けないので、細い平地を押さえられてしまうとコストの高い山岳地帯に線路を引かざるをなくなってしまう。こうなるとかなり不利な状況になるので、地形上の要点を押さえることは重要になってくる。実は上にゲーム盤面を載せた北海道マップがその典型で、札幌=室蘭ルートは平地が極めて限られているため、最初に引いた赤(私)は平地に線路を引けているが、後から来た黄や緑は山岳地帯に線路を引くことを余儀なくされている。このような地形上の要点は何度かマップを遊ぶと自然に分かってくるのだが、これを意識するだけで大分有利になるはず。

・「片道仕事」はできるだけ避ける
ある仕事が報酬的に魅力的だとしても、その仕事を達成した後は長い線路を手ぶらで帰ってこなければならないような場合(私は勝手に「片道仕事」と呼んでいる)は行き帰り全体の効率が悪いので、他に往復で仕事ができる選択肢がある場合はそちらを選んだ方が良い結果になることが多い。もっとも片道仕事しかない場合も多いし、片道のつもりが途中で帰りの仕事が発生する、などという場合も多いのでそれほどこだわる必要がないような気もするから、選べる場合は往復で仕事がある方を選ぼう、程度に意識しておけば十分。

・借金は余裕が出来るまで返さない
借金がある間は車両のアップグレードが出来ないし、法人税(手持ち現金に応じて支払い)や利子(借金額に応じて支払い)のイベントがあることから早く借金を返したい所だが、一度借金を返した後に再度借金をすると、5だけ損をしてしまう(50借りるたびに借金が55増えるので)。たかが5なので車両のアップグレードができる時は無理にでも借金を返した方が良いことも多いが、されど5なので借金を返してもすぐに線路建設などで借金になりそうな時は返さない方が良い。


こんな所か。これ以上の例えば線路の引き方(放射状か環状か)、フェリー利用か橋を架けるか、仕事の取り合いになった場合の立ち回り、他人の線路を利用するか、積極的に小都市を接続するか、などはケースバイケースとしか言いようがない上、好みによっても分かれるので省略。この辺の答えが出ないところで悩むのがこのゲームの楽しいところとも言えると思うので。

ここに書いた程度のことを意識すれば少なくとも全然勝負にならなくて面白くないということはないだろうから、後は合うか合わないか。この記事を読んだ人1人にでも面白いと思ってもらえたら幸いである。