ニコニコ動画でやっていたコンピューター対人間の将棋対決、電王戦FINALを見たが、最終戦が意外な形で終わったことに、いろいろと考えさせられると共に、非常に残念であった。
電王戦FINALは5対5の団体戦で今回は3対2で人間が勝ったのだが、結局人間が勝った3戦のうち2戦が物議をかもす終わり方だった。
第2戦は、通常の人間相手ではやらない「角ならず」をプロ棋士が指し、それを認識できない将棋ソフトがそのまま投了した。
最終戦は、ある一定の状況にすれば角を捨てるような場所に打ってくれて角をほぼただ取りできるというソフトの特性を利用して、プロ棋士が通常の人間相手ではやらないような手を指し、角を打たせた段階で開発者が投了して、21手という早さで終了した。
この2戦は共にソフトの問題点をプロ棋士が認識し、そこをつく形で終了したという点では同じだが、本質的には大きく違った。
第2戦の棋士の時には、他のソフトが盤面の評価値を出してどちらが勝っているのか数字にして表示していた。これが試合が中断した際には500点ほどコンピューターが勝っていた。しかし、関係者が対策を検討しはじめ、数十分くらいだろうか放置していたある瞬間、1000点近く人間が有利と数字が変わった。あれを見たときには、ようやくコンピューターが人間の読みに追いついたのかと驚かされ、まだ負けていないんだなと、人間の可能性を感じさせてくれた。
「角ならず」という選択について、その後に攻めきれないと評価し、まだ勝てるか分からないのに勝利を確実にするためにソフトの弱点をついたプロ意識の強さという評価をしていた解説者たちが、その言葉を口にしなくなった瞬間であった。
これに対し最終戦は、人間が劣っているという前提に立っていた。事前のソフト貸し出しルールにより開発者は問題点を修正できず、プロ棋士には問題点をつく勝ち方を検討する余地を与えたことについて質問があったときもドワンゴの会長は、人間は面白くしようとする手などを打ってしまうがコンピューターはそんなことを考えないから、一般的な意味での対等な条件というのは対等とは言えず、むしろ3対2とせりあったことは成功みたいなことを言っていた。要するに、弱い人間に多少のハンデを与えないとコンピューターが勝ってしまうから、これで良かったということである。
またプロ棋士本人も、通常の将棋における自分の勝ちを確信してではなく、この問題点を利用して勝つために序盤からこのスキをついた。これは最終戦というこの対決の勝敗を分ける戦いであり、また八段という将棋界でも最高ランクの棋士ということで、負けられないという強い思いから出た行動ではあるのだろうが、逆に第2戦の棋士のようにプライドを持って、自分の勝ちを確信した段階でその問題点をつくということもできたのではないかと思わされた。
最終戦については賛否両論で、ネット上ではプロ棋士を擁護し、開発者をせめる人も多いようである。
勝つための戦略として正しい選択をしたことは否定しない。しかし、かつてオリンピックには足を怪我した対戦相手に対して、その足を攻撃せずに負け、銀メダルに終わった柔道家がいた。
しかし、今回の八段という将棋界でも最高ランクのプロ棋士は、プロとして、その大ケガをした足を徹底的に蹴りつけて相手を立てなくすることで勝利をもぎ取ろうとした。同じようにケガをした足を蹴ったのでも、第2戦の棋士は完璧にポイントをとって優勢勝ちが確実な段階で、それ以上の試合をさせないために足を蹴っていたのであり、そこが第2戦のプロ棋士との根本的な大きな違いである。
最終戦の棋士はプロとして勝負に徹したということで評価する人もいる。しかし、私は第2戦の棋士と比べると、どうも自分の棋力に自信がなかったのではないかと思えてしまうし、そもそも人間の可能性を否定しているように見える。そういう意味で、僕には小さい男だなと思えてしまうのであり、将棋界という小さな世界でいくら上位になっていても、人間としてはこの程度なのかと失望してしまうのである。
電王戦FINALは5対5の団体戦で今回は3対2で人間が勝ったのだが、結局人間が勝った3戦のうち2戦が物議をかもす終わり方だった。
第2戦は、通常の人間相手ではやらない「角ならず」をプロ棋士が指し、それを認識できない将棋ソフトがそのまま投了した。
最終戦は、ある一定の状況にすれば角を捨てるような場所に打ってくれて角をほぼただ取りできるというソフトの特性を利用して、プロ棋士が通常の人間相手ではやらないような手を指し、角を打たせた段階で開発者が投了して、21手という早さで終了した。
この2戦は共にソフトの問題点をプロ棋士が認識し、そこをつく形で終了したという点では同じだが、本質的には大きく違った。
第2戦の棋士の時には、他のソフトが盤面の評価値を出してどちらが勝っているのか数字にして表示していた。これが試合が中断した際には500点ほどコンピューターが勝っていた。しかし、関係者が対策を検討しはじめ、数十分くらいだろうか放置していたある瞬間、1000点近く人間が有利と数字が変わった。あれを見たときには、ようやくコンピューターが人間の読みに追いついたのかと驚かされ、まだ負けていないんだなと、人間の可能性を感じさせてくれた。
「角ならず」という選択について、その後に攻めきれないと評価し、まだ勝てるか分からないのに勝利を確実にするためにソフトの弱点をついたプロ意識の強さという評価をしていた解説者たちが、その言葉を口にしなくなった瞬間であった。
これに対し最終戦は、人間が劣っているという前提に立っていた。事前のソフト貸し出しルールにより開発者は問題点を修正できず、プロ棋士には問題点をつく勝ち方を検討する余地を与えたことについて質問があったときもドワンゴの会長は、人間は面白くしようとする手などを打ってしまうがコンピューターはそんなことを考えないから、一般的な意味での対等な条件というのは対等とは言えず、むしろ3対2とせりあったことは成功みたいなことを言っていた。要するに、弱い人間に多少のハンデを与えないとコンピューターが勝ってしまうから、これで良かったということである。
またプロ棋士本人も、通常の将棋における自分の勝ちを確信してではなく、この問題点を利用して勝つために序盤からこのスキをついた。これは最終戦というこの対決の勝敗を分ける戦いであり、また八段という将棋界でも最高ランクの棋士ということで、負けられないという強い思いから出た行動ではあるのだろうが、逆に第2戦の棋士のようにプライドを持って、自分の勝ちを確信した段階でその問題点をつくということもできたのではないかと思わされた。
最終戦については賛否両論で、ネット上ではプロ棋士を擁護し、開発者をせめる人も多いようである。
勝つための戦略として正しい選択をしたことは否定しない。しかし、かつてオリンピックには足を怪我した対戦相手に対して、その足を攻撃せずに負け、銀メダルに終わった柔道家がいた。
しかし、今回の八段という将棋界でも最高ランクのプロ棋士は、プロとして、その大ケガをした足を徹底的に蹴りつけて相手を立てなくすることで勝利をもぎ取ろうとした。同じようにケガをした足を蹴ったのでも、第2戦の棋士は完璧にポイントをとって優勢勝ちが確実な段階で、それ以上の試合をさせないために足を蹴っていたのであり、そこが第2戦のプロ棋士との根本的な大きな違いである。
最終戦の棋士はプロとして勝負に徹したということで評価する人もいる。しかし、私は第2戦の棋士と比べると、どうも自分の棋力に自信がなかったのではないかと思えてしまうし、そもそも人間の可能性を否定しているように見える。そういう意味で、僕には小さい男だなと思えてしまうのであり、将棋界という小さな世界でいくら上位になっていても、人間としてはこの程度なのかと失望してしまうのである。

