みなさん,こんにちは。
福岡市健康増進課 歯科医師の安永です。

11月26日掲載の健康コラムでは,
歯の大切さと,多くの人はむし歯や歯周病が原因となって40歳から歯が失われていくこと,お口のお手入れや定期的な歯科健診の大切さについて,お話しさせていただきました。
この歯周病,実は30歳代から始まっていることが多いこと,そして,お口の中だけでなく,体全体に影響を及ぼすこともあることをご存知でしょうか?

ということで,今回は,歯周病と全身との関係についてお話しさせていただきます。

歯周病とは
歯周病は,生活習慣病(毎日の生活習慣のつみ重ねが原因となって引き起こされる病気)の一つとされています。
歯ぐきの色が赤く,はれぼったくなっている
歯ぐきから出血する
ときどき,歯が浮いたような感じがする
歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
これらの症状に1つでもあてはまる方は,歯周病の可能性があります。
このまま放置すると,歯を失うことにつながります。

歯周病と糖尿病
糖尿病が原因で,体の免疫能力の低下が起こり,歯周病菌から体を守る力が弱まることで,歯周病が進行しやすくなります。そして,歯周病菌が持つ内毒素は,血液中の糖分を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔し,血糖値のコントロールがうまく出来なくなって,糖尿病に悪影響を及ぼします。

歯周病と心臓・肺
歯周病菌がお口の中だけでなく,全身へと広がり,心臓の弁に感染して発症する心内膜炎や,気管に入って肺炎を起こすこともあります。

歯周病と認知症
歯周病によって歯が抜けてしまい,よく噛めなくなってしまうと,脳血管の血流が少なくなって認知症を発症するリスクが高くなります。

歯周病と喫煙
喫煙の影響で歯周病が進行することもあります。原因としては色々ありますが,喫煙により,お口の中の血管が収縮するため,歯周病菌からの攻撃に対して,十分な免疫能力を発揮できなくなり歯周病が進むことや,煙の中の成分によって歯ぐきが傷み,歯周病が治るスピードも遅くなってしまうことなどが主な原因です。

その他,妊娠している女性が歯周病にかかると,低体重および早産の危険性が高まることが分かっています。


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このように歯周病は食べたり,おしゃべりする楽しみをうばうだけでなく,全身のさまざまなところに悪い影響を与えます。

そして,歯周病を予防するのは
ご自分での歯磨き(セルフケア)と歯科医院でのお手入れ(プロフェッショナルケア)の2本立てが大切です!

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みなさんは,「かかりつけ歯科医院」という言葉を聞いたことはありますか?
歯科医院へ,歯が痛くなったとき「治療に行くだけ」ではもったいないですよ!
「かかりつけ歯科医院」は,むし歯や歯周病の「予防」や治療が終わった後の維持管理,ご自分のお口のこと以外にも,子育てや介護での食事や,お口のケアの方法のご相談など,一人ひとりのライフステージに応じた,お口から全身の健康づくりのお手伝いができる歯科医院のことです。
なにより,歯が痛くなってから歯科医院を探し,初めての先生に診てもらうより,日頃から顔なじみの先生を持っている方が,ずっと安心ですよね。
まだ,「かかりつけ歯科医」をお持ちでない方は,ぜひ,あなたの「かかりつけ歯科医院」を見つけてくださいね。

福岡市健康増進課 歯科医師 
安永