■今日の被曝量:0μSv(総被曝量:4万1030μSv)
今日は端午の節句だが、大日建設JVの作業員には関係ない。休暇で帰郷している人以外みんな、昨日も今日も明日も出勤。今日、僕は定休日。
8時20分、友人の部屋で起床。喫茶店で朝食。また原発話で盛り上がる。10時、車で来ていた友人に宿舎まで送ってもらう。宿舎の立派さに驚いていた。
入浴、掃除、洗濯。昼食後、昼寝。空が曇り、雨が降ってくる。
15時過ぎ、廊下で大きな足音がして目が覚める。同僚たちが帰って来たようだ。しばらくするとドアをノックする音がする。ドアを開けると丸山さんがいた。
「(Jヴィレッジの)売店で刺身買ってきたから呑もう!」
マーフの作業員が入居している棟(大日建設久ノ浜宿舎には二階建ての寮が9棟あり、1棟に30人ほどが住んでいる)では山本君の目が光っているので、ワンパーの作業員が入居している棟へ移動し、伊武さんの部屋で呑む。伊武さんの部屋は『和風居酒屋伊武』と呼ばれていて、誰かしらがここに来て呑んでいる。
今日の話題は、体調。みんな最近、体がとみに怠いという。
丸山さんは帰りの送迎バスに乗るとすぐ寝てしまう。そのため、全面マスク(1Fから3キロほど行った路上で全面マスクを外しサージカルマスクを着ける)をしたままJヴィレッジに着いてしまうこともしばしば。
僕も最近疲れやすく、帰りのバスの中でいつの間にか寝てしまい、読んでいた文庫本が足下に転がっていることが少なくない。とにかく、1F行きの送迎バスに乗ったとたん眠気が襲ってきて、睡眠導入剤を服用したときのようにスッと眠りに落ちる。
筋肉の疲れやすさというのは、働きはじめたときから感じている。
APDに表示される数値はガンマ線の被曝量で、そのガンマ線の大部分が放射性セシウム。某専門書の解説によると、放射性セシウムは筋肉に多大な影響を及ぼすらしい。
ただし、科学的に証明されているわけではなく、専門家のなかでも意見が分かれている。「1マイクロシーベルトでも体に悪影響を与える」と主張している学者がいるいっぽうで、「10万マイクロシーベルト(100ミリシーベルト、0.1シーベルト)までなら、むしろ体に良い」と説明する専門家もいる。
でも、3号機で毎日数百マイクロシーベルトも浴びている作業員がみなそう訴えているのだから、多大かどうかはともかく、影響がまったくないとはいえないだろう。
また、目に与える影響も無視できない。
同僚たちの視力は明らかに落ちている。近眼や老眼が進んでいるのだ。
僕も近眼が進んで眼鏡を買い直した。ここ5年、度が進むことなどなかったのだが、1Fに入って1ヵ月で目がかすむようになり、新聞の文字が読みにくくなった。
放射能の影響を調べる「電離検診」(月に1回の精密検査が法律で定められている)では必ず、目の水晶体のチェックが行われるから、放射線が眼球に悪さをすることは間違いない。放射性セシウムが目の筋肉にイタズラをしている可能性も考えられる。
話を戻そう。
最近こんなに疲れるのは、気温が上昇したせいだと思う。
最近、全面マスクを装着しての作業が、とにかく苦しい。
体が欲するだけの酸素を摂取できない。作業を始めると、すぐ体温が上昇し、心拍数が増え、酸素不足を感じる。
鉄筋の露出している現場では、タイベックが鉄筋にひっかかって破れないようにするため(破れると皮膚が露出し外部被曝する。重大事故と見なされ東電が大騒ぎする。そのため隠蔽されることが多い)、アノラック(厚手のビニールで作られている合羽)を着用しなければならない。雨水(1Fの雨水は当然汚染している)が溜まっている現場でもアノラックの着用が義務づけられている。
このアノラックがキツイ。サウナスーツのようなものだから、着て立っているだけで汗が噴き出す。全面マスクの顎の部分はもちろん、ゴム手袋の指先にも汗が溜まる。下着のパンツもびっしょりになる。
現場での作業時間が10分や20分だと言うと、外部の人は「なんて楽な仕事なんだろう」と揶揄するが、わずか5分の作業でも、出発の準備を始めてから作業を終えて戻ってくるまでに1~2時間かかるし、その間は防護服を着て全面マスクを着けた状態だから、その疲労度は街場での10時間の作業に匹敵する。
19時30分、宴は続いていたが、晩御飯を食べるため退室する。
入浴後、PCで映画のDVDを観る。22時30分、疲れたので早めに就寝する。
今日は端午の節句だが、大日建設JVの作業員には関係ない。休暇で帰郷している人以外みんな、昨日も今日も明日も出勤。今日、僕は定休日。
8時20分、友人の部屋で起床。喫茶店で朝食。また原発話で盛り上がる。10時、車で来ていた友人に宿舎まで送ってもらう。宿舎の立派さに驚いていた。
入浴、掃除、洗濯。昼食後、昼寝。空が曇り、雨が降ってくる。
15時過ぎ、廊下で大きな足音がして目が覚める。同僚たちが帰って来たようだ。しばらくするとドアをノックする音がする。ドアを開けると丸山さんがいた。
「(Jヴィレッジの)売店で刺身買ってきたから呑もう!」
マーフの作業員が入居している棟(大日建設久ノ浜宿舎には二階建ての寮が9棟あり、1棟に30人ほどが住んでいる)では山本君の目が光っているので、ワンパーの作業員が入居している棟へ移動し、伊武さんの部屋で呑む。伊武さんの部屋は『和風居酒屋伊武』と呼ばれていて、誰かしらがここに来て呑んでいる。
今日の話題は、体調。みんな最近、体がとみに怠いという。
丸山さんは帰りの送迎バスに乗るとすぐ寝てしまう。そのため、全面マスク(1Fから3キロほど行った路上で全面マスクを外しサージカルマスクを着ける)をしたままJヴィレッジに着いてしまうこともしばしば。
僕も最近疲れやすく、帰りのバスの中でいつの間にか寝てしまい、読んでいた文庫本が足下に転がっていることが少なくない。とにかく、1F行きの送迎バスに乗ったとたん眠気が襲ってきて、睡眠導入剤を服用したときのようにスッと眠りに落ちる。
筋肉の疲れやすさというのは、働きはじめたときから感じている。
APDに表示される数値はガンマ線の被曝量で、そのガンマ線の大部分が放射性セシウム。某専門書の解説によると、放射性セシウムは筋肉に多大な影響を及ぼすらしい。
ただし、科学的に証明されているわけではなく、専門家のなかでも意見が分かれている。「1マイクロシーベルトでも体に悪影響を与える」と主張している学者がいるいっぽうで、「10万マイクロシーベルト(100ミリシーベルト、0.1シーベルト)までなら、むしろ体に良い」と説明する専門家もいる。
でも、3号機で毎日数百マイクロシーベルトも浴びている作業員がみなそう訴えているのだから、多大かどうかはともかく、影響がまったくないとはいえないだろう。
また、目に与える影響も無視できない。
同僚たちの視力は明らかに落ちている。近眼や老眼が進んでいるのだ。
僕も近眼が進んで眼鏡を買い直した。ここ5年、度が進むことなどなかったのだが、1Fに入って1ヵ月で目がかすむようになり、新聞の文字が読みにくくなった。
放射能の影響を調べる「電離検診」(月に1回の精密検査が法律で定められている)では必ず、目の水晶体のチェックが行われるから、放射線が眼球に悪さをすることは間違いない。放射性セシウムが目の筋肉にイタズラをしている可能性も考えられる。
話を戻そう。
最近こんなに疲れるのは、気温が上昇したせいだと思う。
最近、全面マスクを装着しての作業が、とにかく苦しい。
体が欲するだけの酸素を摂取できない。作業を始めると、すぐ体温が上昇し、心拍数が増え、酸素不足を感じる。
鉄筋の露出している現場では、タイベックが鉄筋にひっかかって破れないようにするため(破れると皮膚が露出し外部被曝する。重大事故と見なされ東電が大騒ぎする。そのため隠蔽されることが多い)、アノラック(厚手のビニールで作られている合羽)を着用しなければならない。雨水(1Fの雨水は当然汚染している)が溜まっている現場でもアノラックの着用が義務づけられている。
このアノラックがキツイ。サウナスーツのようなものだから、着て立っているだけで汗が噴き出す。全面マスクの顎の部分はもちろん、ゴム手袋の指先にも汗が溜まる。下着のパンツもびっしょりになる。
現場での作業時間が10分や20分だと言うと、外部の人は「なんて楽な仕事なんだろう」と揶揄するが、わずか5分の作業でも、出発の準備を始めてから作業を終えて戻ってくるまでに1~2時間かかるし、その間は防護服を着て全面マスクを着けた状態だから、その疲労度は街場での10時間の作業に匹敵する。
19時30分、宴は続いていたが、晩御飯を食べるため退室する。
入浴後、PCで映画のDVDを観る。22時30分、疲れたので早めに就寝する。