(´▽`)朝倉2号です。地球温暖化をきっかけに、トウモロコシをはじめとした飼料穀物の価格が高騰しているのはご存じのとおりです。そのため比較的安価に利用できる食品製造副産物に注目が集まっています。でも、いままで利用していなかったということは、何か理由があるということ。成分が不安定だったり、腐敗しやすかったり、給与に手間がかかったり、どこかに欠点があるのです。
朝倉地域でよく利用されているのが豆腐を製造するときにできるオカラ。日本最大のアゲ屋さん「オーケー食品」から大量のオカラがでるので、酪農のエサとして以前から盛んに利用されてきました。特に馬田地域にはオカラを発酵させてサイレージとすることで、腐りやすいと言うオカラの欠点をカバーして、安定的に給与する酪農家が多く存在します。そこで今回はオカラサイレージの作り方をご紹介します。
A牧場のオカラサイレージの作り方
原 料 オカラ 4立米
圧ペン大麦 1立米
ビートパルプ 1立米
糖蜜飼料 60kg
発酵期間 鉄板サイロに詰め5週間密封して発酵
★オカラを2トン車に2台分用意します
豆腐屋さんから持ってきて、その日のうちにサイロに詰めないと腐ってしまいます。注意しましょう。
★圧ペン大麦を1立米分バケットにとります
リフトにつけたバケットに圧ペン大麦を1立米とり、オカラのうえにかけます。
★ビートパルプを1立米分バケットにとります
次にビートパルプをバケットにとり、オカラ&大麦のうえにかけます。ビートパルプは水をよく吸い、発酵に最適な水分にしてくれるので重要です。特に夏は水分70%以下にしないと2次発酵しやすいので注意します。
★糖蜜飼料20キロ×3袋分をバケットにあけます
砂糖を製造するときにでる糖蜜を使った糖蜜飼料を60kg、オカラ&大麦&ビートパルプのうえにかけます。糖蜜には糖分が豊富に含まれているので、発酵をすすめる働きがあります。
★ショベルローダで混ぜます
オカラ&大麦&ビートパルプ&糖蜜をショベルローダでよく攪拌します。よく発酵させるためにはオカラと副資材がよく混ざり、全体の水分を下げることが重要です。今回は10分弱混ぜてました。
★鉄板サイロに詰めていきます
混ぜ終わったら鉄板サイロに詰めていきます。詰め込む量は大盛りになる程度が目安です。サイロは屋根のあるところに設置した方がよいそうです。サイロを開けてサイレージを使うときに雨が降りこむと、品質が低下するとのこと。
★うえに乗って踏み固めていきます
詰めるときに大盛りにしたのは踏み固めるからです。詰めたばかりの時はフカフカで空気がいっぱい入ってますが、よい発酵をさせる為には空気は大敵。特に端を念入りに踏み固めます。踏み終わったら密封するため、ビニルシートをかけます。
★ビニルシートの上からオガクズをかけます
密封の重しにするため、ビニルシートのうえからオガクズをかけます。ホントは砂や土がいいらしいのですが、サイロを開けるときに大変なので、オガクズにしているそうです。やっぱり端を重点的に踏み固めます。
★できあがり〜
オガクズを踏み固め、全体にかけたらできあがり。全体にかけるのはカチガラス(カササギ)対策です。こうしておかないと、透明のビニルシートを使っているために中身が見え、カチガラスが大麦を狙ってシートに穴を開けてしまうんだそうです。
★5週間後はこうなります
オカラをサイロに詰めて5週間後はこうなります。いろがちょっと黄色味を帯び、ビートパルプが水を吸ってふやけ、発酵したいいニオイがします。牛も喜んで食べるそうです。
こちらの周辺では毎日少量(小規模豆腐店)しか出ないのでかなり工夫が必要です。
ちなみに開封まで5週間とありますが最短でどれくらいでしょうか?牧草サイレージの場合は最短で3週間と記憶しているんですけど....