2014年11月

「火牛の計」

imagesS 「角」といえば、角に松明をくくりつけた牛の群を相手の陣に追い立てる作戦「火牛の計」は2つ伝わる。

中国の戦国時代、斉国・田単があみ出したというこの奇策で知られるのが源(木曽)義仲の「倶利伽羅峠の戦い(砺波山の戦い 1183.5.11)。

  治承四年(1180)年以仁王の令旨に呼応して信濃で挙兵した義仲に対し、10万の大軍を率いた平維盛の平家軍に越後の「火打城の戦い」(4.27)で敗れ、越中に撤退。

その後、能登・志雄山に別れた平通盛・知度軍3万に対して源行家・楯親忠をあてて牽制し、越中と加賀の国境にある倶利伽羅峠に陣を張った平維盛・行盛・忠度7万(4万とも)に義仲本隊(5000)が向かった。
夜、樋口兼光を敵の背後に回り込ませ、寝静まったころに数百頭の牛に松明をくくりつけて敵中に放ち、大混乱に陥れた。
平家軍は暗闇の中で我先にと逃げ惑い、唯一の逃げ場の先が断崖絶壁であったことを忘れ、次々と転げ落ちたと。 (現在はその信憑性が疑われているが、大勝利を得たことは事実)

  そして、もう一つが北条早雲の「小田原城攻め(明応四年/1195)。
足利将軍家の分家・駿河今川家を後見していた早雲は、「明応の政変」(1493)で擁立された足利義澄の兄と生母を殺し堀越公方となっていた茶々丸を追放し、庇護していた関東管領・山内上杉顕定方の小田原城を狙った。

若き城主・大森藤頼に書簡や貢ぎ物を頻繁に送って油断させ、頃合いを見て「鹿狩りをしていたところ、鹿がそちらに逃げ込んだので城の裏山に勢子を入れさせて」と申し入れると、気を許していた藤頼は快諾。
夜闇に乗じて石橋山と石垣山から松明をつけた牛を追い放つと、大混乱し城はまたたく間に落ち、早雲は小田原城を奪取したと・・。

 この早雲から第5代・氏直まで、北条家の家宝として伝わる名刀「日光一文字」が、天正十八年(1590)秀吉の「小田原城攻め」の際に和睦を仲介した黒田官兵衛に御礼として贈られている。

ユニコーンと一角仙人

ユニコーン ゼウスはクレタ島の山中で雌山羊アマルテイアの乳で育てられ、牡山羊アマルシアは一角獣ユニコーンになった。

ユニコーンはライオンの尾と牡山羊の顎髭を持ち、長く鋭い角はどんなものでも突き通すことができた。
しかし、ユニコーンが飲んだ水は無毒になり、角は毒を中和し、あらゆる病気を治す力を持っていた。

 人々はこのユニコーンを捕まえようとしたが俊敏で捕らえるのは至難の業だった。
しかし、美しい処女には自ら近づいて、膝枕をされるとおとなしくなるので捕まえることが出来たが、乙女が処女でないと分かるとその女性を殺してしまう。 
また、飼い慣らすことはできず、怒りと嘆きのあまり自ら命を落としてしまうという。

このことから、ユニコーンは「貞節」、「不節制」を表現するとともに「憤怒」の象徴ともされ、ヴォルテール(仏啓蒙思想家 1694-1778)は、「この世で最も美しい、最も誇り高い、最も恐ろしい、最も優しい動物」だと。

 能にも「一角仙人」という演目がある。
天竺波羅奈王国の行者・一角仙人は人間と鹿の混血で額から角の生えた異形の姿。
龍神を岩屋に閉じ込めたため天下は大干ばつとなった。そこで帝は一計を案じ容色無双の麗人・旋陀夫人を山中に遣わした。
はじめ仙人は警戒するもやがて心を許し、酒宴に酔っていつしか寝入ってしまう・・。

そして、にわかの雷鳴に仙人は驚くが、酒と色香に迷って法力は効かず、龍神は岩屋から飛び出して大雨洪水をもたらして昇天する。 
歌舞伎十八番『鳴神』の原作にもなっている。

男性の煩悩を暗示していると言うが、ユニコーンの話となんだか似ていると思いませんか?

『ズムウォルト』

images9 アルゴー船と比べれば2015年に就航が予定されている米の最新ズムウォルト級ミサイル駆逐艦は異様。

窓もアンテナもないが、改良型の”イージス・システム”を搭載して高い防空能力を誇ると。

 この”イージズ”という言葉は「アイギス」の英語読みが由来。
幼いゼウスはクレタ島のイーデー山の洞窟でアマルテイアという名の雌山羊とアマルシアという牡山羊に育てられた。

006冬の代表的な星座「ぎょしゃ座」の目印・カペラは牡山羊を意味するラテン語。そしてアマルテイアの丈夫な皮でつくられた楯が「アイギス」で、この楯は知恵と技術そして戦いの神で、ゼウスの頭から生まれ出た女神アテナのものとなった。

彼女の導きにより船大工アルゴスは50本のオールを持つガレー船・”アルゴー船”をつくり、イアソンはふたご座のカストルとボルックス、こと座のオルフェウスやヘラクレスら50人の英雄たちを引き連れて黄金の羊の皮を取りに旅立った・・。

 潜水艦のような最新駆逐艦の1番艦『ズムウォルト』は’13年10月に進水しており、ステルス性を考慮して突起物はほとんどなく、レーダー反射断面積は50分の1といわれる「未来軍艦」。
しかし、コスト高のため3隻しか建造が認められていないと
。(「ズムウォルト」とは海軍提督名)

アルゴー船

Argo   来年の干支は「乙羊」。と言う訳で「おひつじ座」にまつわる話を。

占星術では「おひつじ座」(3/21~4/19)生まれの方は、正直で正義感に溢れどんな分野でも第一人者となれるのだと。 自分の星座「いて座」とも相性がイイとのことなので、来年が楽しみでもある。

 ギリシャ中部のポイオティア王の息子プリクソスは継母に追われゼウスに遣わされた空飛ぶ牡羊の背にのって逃れた。

コルキス(現グルジア)にたどり着いたプリクソスは牡羊を生け贄としてゼウスに捧げ、黄金の毛皮をその地の王に贈ったことから、王女を妻を迎え5人の子をもうけることができたと。

 後に、この黄金の毛皮を求めてギリシャ中部のイオルコスの王子イアソン率いる英雄たちが、アルゴー船に乗って冒険の旅に出た。
数多くの苦難を経てコルキスに到着し、王女の魔女メディアの助力もあり金羊毛を手に入れることができ帰国した。
しかし、妻としたメディアを捨てようとしたばかりに魔術ですべてを失い、朽ちたアルゴー船にもたれていたところに船首の女神像が落下して命を落としたと。 (アルゴー船とはギリシャ神話に登場する巨大な船で、プリクソスの子である船大工アルゴスが建造したことにちなむ)

南天にある「あるご座」は、あまりに巨大なため1752年「りゅうこつ座」「とも座」「ほ座」「らしんばん座」に分割された。 その主星はカノープス。

 ところで、「金羊毛勲章」というのがある。
金羊毛勲章1430年フランスでカトリックを守護するため「金羊毛騎士団」がつくられ、後にスペインに移って王家の勲章として存続している。日本でも明治天皇以降すべての天皇がこの勲章を受けていると。 そう言えばTVで見かけたことがある。 
(宇宙科学研究倶楽部編「星座と神話がわかる本」参照)

「五賢帝時代」

Hadrian's_Wall スコットランドと云えば、「ハドリアヌスの長城(壁)」(1987年世界遺産)のこと。

ローマ帝国はトラヤヌス帝(在位98~117年)の治世の頃にその領土は最大となっていた。
AD80年頃までにイングランド(当時はブリタニア)を征服していたが、北のスコットランドに目を向け、「カレドニア人」(体に色を塗っていたことからピクト人とも)呼ばれた北部ケルト人と戦った。

しかし、執拗な反撃に苦しめられたハドリアヌス帝(在位117~138年)は両国の間(現在のニューカッスル・アポン・タインからカーライル)に防壁を造ったのが「ハドリアヌスの長城」で122年に完成した。高さ4~5m、厚さは3mで、総延長は117㎞にも及ぶ。

 ハドリアヌス帝は五賢帝のひとりで、現在、イタリア・ローマの観光スポットであるパンテオン、サンタンジェロ城(自らの霊廟)は彼によって建造されたもの。 漫画『テルマエ・ロマエ』は彼の治世が舞台となっている。

「旅する皇帝」とも呼ばれ、3回12年にわたって帝国を巡幸した。
先帝と同じく子宝に恵まれずケイオニウス・コンモドゥスを養子にし、帝位を狙っていたと姉の夫とその孫に死を科したが、ケイオニウスはまもなく死亡。(秀次を死に追いやった秀吉と同じだ。 洋の東西を問わず、権力への執着は肉親愛より勝るということか・・。)
そこで既に51歳となっていた第15代アウレリウス・アントニウス(・ピウス)皇帝(在位138~161年)に引き継がれた

 ローマ帝国の最盛期といわれる五賢帝時代のあとは混迷の時代となり、「3世紀の危機」と呼ばれた。
軍人が皇帝となる「軍人皇帝時代」で26人が皇帝となった。暗殺が相次ぎ、自然死はわずか4人だけだったと。 
(歴史人「ローマ帝国の繁栄と滅亡の真相」KKKベストセラーズ参照)

ちなみに、その頃日本は弥生時代後期。 148年卑弥呼が王に共立されている。
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