僕は冬休みに被災地の復興ボランティアに参加した。そこは「絆」の最前線だった。震災から10ヶ月経った今でも爪跡はいたるところに見られたが、それ以上に僕の心を強く動かしたのはボランティアの方々との関わりだった。初めて出会った方ばかりであったが「被災地の力になりたい」という想いが僕たちを一瞬で団結させた。想いが同じ方向をむいたときのパワーがこれほど強いものかと実感した。
後日、ボランティアの語源を調べてみた。ラテン語の「自由意志で決定する」という意味を持つ「voluntas(ボランタス)」に由来しているらしい。僕自身、「自由意志で決定する」ことができていないと感じている。人に教えてもらってから行動をしたり、期限が迫ってから始めたりすることが多く、自由になるはずの自分の意志が他人や時間によって決定されている現状に気づかされた。
どうしたら意志決定が自分のものになるのか。キーワードは「自分発信」。家の人に言われるからではなく、自分が気持ちよく生活したいから自分の部屋を掃除する。テスト週間だからではなく、自分の叶えたい夢がある、そのために〇〇高校に行く必要がある、だから勉強する。常に自分から先に想いをもって動くことが自分の意志を自由に決定するために必要なのだ。
僕は身をもって痛感した。「自分発信」が想いからのボランティアだけで行われることではなく、日々の生活の中で発揮してこそ本来の価値が生まれてくるのだということを。