2008年01月22日

ホスピス研修を受けたい方へ その

 このブログはすっかり終了したものとして、長らく見ていませんでした。現在の私のブログを通して直接メールをしてくださった方も含め、せっかく興味をもっていただいたのにすぐお返事できず、申し訳ない気持ちです。もしもまだ興味があれば、お読みください。

 「募集要項」のコメントにえみさんが書いてくださったように、研修の申し込みに関しては、直接私のお世話をしてくれた、ウィスコンシン州のホスピス協会に問い合わせたらいいと思います。具体的に興味をお持ちになるなら、私がまず聞いてみますし、今でも歓迎されるのではないかと思います。私自身も、他の方が行ってくださることを、嬉しく思いますしできる限り応援したいと思っています。ただ、アメリカで看護師として働きたいなら、この研修は必ずしも最善の方法ではないかもしれませんね。以下、お読みになってご検討いただけたら、と思います。私の研修の目的や申し込んだときの流れを書きたいと思います。

 私がこの研修に参加したのは、一番最初に書きましたが「アメリカの在宅中心のホスピスケアを見てみたい」という単純な興味からでした。短期間の視察ではなく、生活を見たかった。特に施設ではなく在宅中心となると、文化や生活習慣の体験と理解を外せないと思って1年間と考えました。

 先に「アメリカで看護師として働きたいなら、この研修は必ずしも最善の方法ではないかもしれない」と書きましたが、日本の看護師免許だけだと医療行為が行えないので、研修全体のイメージとしては「看護学生+α」くらいの扱いだと思っていただければ、結構です。働きたいと思っているなら、語学を習得してNCLEXを受け、きちんと資格を取得する道が確実で近いはずです。私の研修自体に、語学研修はありませんでした。

 また、「視察」を目的にしている場合でも、医療従事者向けにいくつも色々な団体が出している視察プログラムは、他にあると思います。英語学習とセットになっているものもあるようですよ。また、語学に長けていてきちんと視察に行くのであれば、補助が出るような団体を探すこともできるのではないかと思います。

 私は敢えて医療系に限ったものではなく、様々な分野のインターンシップに関わっている、国内の代理店に申し込みをして、研修先を探してもらいました。理由は大きく二つ。
  崟簑个砲海魁」という決めたところがあったわけではなく、英語もままならず、日本で実績があるわけでもない一看護師の私を受け入れてくれるところをどうやって探していいか分からない。広く探してもらうには、広い分野に関して世界中に研修生を出しているところがいいのではないだろうか、と思いました。(実際、いくつかまず自分でお願いのメールを送ったのですが、お返事はいただけませんでした。迷惑メールとでも思われたのかしら?英語がある程度話せるようになると、電話で直接やりとりできるようになり楽でしたが、そうでない間は、自分で研修先を見つけるのはかなり時間と労力を費やすと思います。総合病院での病棟勤務をしながら、そこまでの力は私にはありませんでした。)
 海外生活を楽しみたかった。大きな目的は在宅中心のホスピスケアを理解するための渡米でしたが、遊びも含めて色々な経験をしないと、その土地の生活や文化は理解できないですよね?という口実のもと、キチキチに組まれた研修制度ではなく、自由なものが良かった。
 
 というわけで、代理店に申し込み代理店がどうやってかいくつかあたって下さって、その中の一つがウィスコンシン州のホスピス協会だったのです。

 自由を求めたくらいなので、どのようなことをやりたいかなどは、私に任されていました。あちらもこのような形での研修生を受け入れたのは初めてでしたが、とても歓迎してくださいましたよ。

・・・と申し込みまででかなり長くなりましたが、続きはまた明日書きたいと思います。

fumie730fukuoka2006 at 23:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)アメリカのホスピス 

2007年01月27日

日本での活動

アメリカウィスコンシンから帰国して、早7ヶ月が経ちました。

今は国内の訪問看護ステーションで働いています。

訪問看護は始めて4ヶ月、
アメリカでの研修を生かす機会は
今のところほとんどありませんが、徐々に!
と密かに企んでいます。

良ければ訪問看護の日々も見てみてください。
アドレスは
 http://ameblo.jp/greenvilla-カタ
で、「カタ」のところをローマ字で「ケー・エー・ティー・エー」
と直して入力していただければ見ていただけると思います。

fumie730fukuoka2006 at 00:10|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2006年06月05日

さよなら、ウィスコンシン

ウィスコンシンの大地と羊とラマ私のアメリカ・ウィスコンシン州での1年間の在宅ホスピス研修も今週で終わり。残りの日々はさよならパーティーを開いたり、お世話になったホスピスやホストファミリーをまわったりして過ごす予定です。

お別れを言いに行くホストファミリーの1人、テリーは車の部品を作る小中規模会社の中間管理職です。50歳前後の男性。若い頃は海軍に所属し、こどもを愛するがゆえに怒鳴ることも少なくない、厳しさいっぱいのテリーホスピスとは無縁の世界で働き、私が患者さんのお葬式に行ったというと「お葬式は好きじゃない」と返答する、普通の感覚(?)の持ち主です。そのテリーが、以前私に次のような話をしてくれました。

初めて「死」に出会ったのは、まだ小さなこどもの時で、おばあちゃんが家で亡くなっているのをテリーが発見した。すごく「死」が嫌だった−その時から「死」は「怖い」というより漠然と「嫌」なものになった。海軍に所属していた時も、戦争に行ったり友人の死に直面したりといった経験はせず、「死」は漠然と嫌なもののままだった。

一年前、隣の家の人が在宅でホスピスケアを受けた近所付き合いは面倒で基本的にはほとんどしないけど、介護していた娘から頼まれて、夜や週末娘が家を離れる時、時々その人の様子を見に行くようになった。

ホスピスからスタッフが来ていて、その人は好きなものを食べ、自慢の裏庭の木々を眺め「好きなように」最期まで暮らしているように見えた臨終の時は、テリーもその場にいて、隣人は家族に囲まれてとにかく「peaceful(穏やか)」だったのを覚えている。そして思ったことは、「最期まで自分の生き方を通し、自分で選んで死ぬのは悪くないな

少し間を置いてテリーは「I don’t know.(分かんないけど)」と自分自身に問いかけるように、何度か繰り返しました。

この話を聞いた時、私はただ、こうやって「生きる」ことや「死ぬ」ことを人は身近に感じていくんだろうなぁ思ったのを、鮮明に覚えています。普段、生死やホスピスの話をしない、テリーの性格も手伝って深く感銘を受けたのだと思います。

点滴は基本的に一切しない、自然に枯れる様に亡くなっていくここでの在宅における看取り「家族が」「友達が」「隣人が」亡くなっていくのを身近に感じる中で、こういう風にして、人は自然に亡くなることや看取ること、いずれ訪れる死を意識しながら生きることを学んでいくのだと思います。こういう風にして、ホスピス精神も地味に広がっていくのだろうと思います。テリーの所属する地域も、25年前はホスピスなんて全く知られていなかった。それが今では本当に多くの人に知られているのです。

「ホスピス」という言葉の表すもの・目指すものが、最期まで「生きたい様に生きる」その人を支えることだとすれば、それは決して「桃源郷」でも「遠い世界のこと」でもなく、あるいは医療従事者によってのみ提供されるものでもなく、本人・家族・友人など、その人やその人の住むところに関わる人々で支えていくものなのでしょう。理想論?確かに現実にはうまくいかないこともたくさんあると思います。

それでも、あと余命半年と言われたここでホスピスケアを受ける人が言う「やりたいこと」はたいてい日常生活の中にあり、その日常生活を支えるのは、家族や大切な人を始めとする今までその人に関わってきた人々なくして有り得ない様に見えます。

「家族と一緒にいたい」「家で過ごしたい」「こどもが学校に通う姿を一日でも長く見ていたい」中には「15匹(!)のネコを最期までお世話したい」そして家族は「できるだけ家で過ごさせてあげたい」。

これらはある程度、痛みなどの症状や心の準備がすすめられてこそ考えられること。そこに介入するのが医療従事者ですが、主役はあくまでご本人やご家族ということを毎日毎日感じる日々でした。

このブログは私の研修終了と共に今回でおしまいですが、ブログで意見を交わせた方々・あるいは見ていただいた方々とどこかでお会いできたら、と思います。短い間でしたが、ありがとうございました

fumie730fukuoka2006 at 14:27|PermalinkComments(8)TrackBack(0)地域の中のホスピス 

2006年05月24日

チョイス

思い出のパッチワーク(?)写真は、遺族によって作られた大きなパッチワークです。ご家族がそれぞれの思いをこめて小さな布に絵を描いたり刺繍をしたりし、それをぬい合わせたものが写真のパッチワークです。どのホスピスオフィスにも個性豊かなパッチワークが飾られています。

水曜日は、看護師のセンドラと医師のパティーと一緒に、ダイアナを訪問しました。ダイアナは街の真ん中の小さなアパートで1人暮らしをしている50代の女性です。乳がんと診断されています。

ダイアナのアパートは2階。1階は家具屋で、一見アパートがそこにあるとは気づきにくい「隠れ家」の様なアパート。その小さなアパートをダイアナは、キャンドルや絵画・素敵な家具やカーテンで美しく飾っています

「もう10年以上住んでて、ここが好き。絶対にこのアパートを離れないから。介護つきのアパートや老人ホームには絶対に行かない。」

ダイアナは、3月の始めに主治医に勧められてホスピスケアを開始しました。4月末くらいから、激しい頭痛や吐き気・物忘れや薬の飲み間違えなどに悩まされ、症状は日々変化しながら徐々に悪化しています。これらの症状から「ガンの脳転移」が疑われていますが、回復への治療は望めず、痛み止めや吐き気止めで症状を緩和している状態です。

とは言え、その症状緩和のための薬が正しく飲めていないので、ダイアナはいつも辛そうです。薬の数は最低限にし、定時の薬をパックにしても、自分で選んで飲んだり飲まなかったり。チェックリストや飲んだ薬を記載するなど色々試してみたけれど、全く活用されず。

本人はその状況を「自分で必要なときは薬を飲み、必要ない時は飲んでないだけだから大丈夫。」とオエオエ言いながらも主張しています。薬を管理するために朝・晩ナースエイドが訪問したり、身の回りのお手伝いをするボランティアの導入が考えられますが「うっとおしいし、自分でできるから必要ない」と一喝。

この日チーム・ミーティング(1/3の「さよなら、レインボー・チーム」を見て下さい)では、1人暮らしはもはや無理ではないかという意見もでました。薬を飲み間違えて致死量に至るまで飲んでしまうかもしれない、転倒してもライフライン(5/10の「電子カルテ」を見て下さい)のボタンも押せないかもしれないという「安全」上の理由です。

一方で、自分のお店をもち、これまでずっと1人で自立して生きてきたダイアナの「家で過ごしたい」「自分で何でも管理したい」という強い希望をできるだけ支えるべきではないか、という意見を強く主張する人もいました。

料理はしないから、火事を起こして他人を巻き込む危険はほぼ無い」
日時や人間関係など覚えているし会話も成り立っている。本人の希望は尊重すべき。」
誰かが発見した時は死んでいたという状況に至るかもしれないというリスクを、本人と遠くに住んでいる兄妹などに改めて説明し、それで本人も家族も納得できるなら、あとは本人達次第ではないか。」

ここでは、本当によく「It’s your choiceあなたの選択」というフレーズを耳にします。スタッフの仕事は、選択肢の提示と丁寧な説明、彼らが自分で選択できるようサポートする こと。選択はあくまで「患者さんや家族のチョイスというのです。

「安全」をどう守るかということでしばしば話し合いが行われますが、長所や短所、リスクなどを理解していて公共の安全を害さないなら、あとは彼ら次第という意見に、私は賛成しています。

fumie730fukuoka2006 at 17:38|PermalinkComments(4)TrackBack(0)アメリカのホスピス 

2006年05月19日

リクルート

ボランティア写真のお2人は、在宅とホスピスハウス(1/17「ホスピスハウス」を見てください)でボランティアとして活躍しています。

金曜日は、ウィスコンシン州のボランティア・コーディネーターのミーティングに行きました。HOPE(ウィスコンシン州のホスピス協会。5/8の「ホープ」を見てください)が主催して年に4回開かれています。各地からコーディネーターが集まり、ボランティアに関することを学びあったり、情報交換したりする場です。

この日のテーマは、「ボランティアの人材募集・保持・評価

ボランティアは自然に集まってくるものかと思いきや、どのホスピスでもボランティアの人材確保には頭を悩ませている様子です。

そもそも、アメリカでは政府の保険メディケアの規定ボランティアが全r労働の5%以上をカバーしていないと、「ホスピス」への特別な保険がおりないことになっています。ですので、ホスピスは「患者さんやご家族の必要度」に合わせてボランティアに活躍してもらう一方、「ボランティアの人数や仕事量を確保する」ことに抜かりなし(!)私も、以前のホスピスでボランティアとして活動した時は「1分でもお金になるから、ボランティアとして働いた時間はしっかり記録してね〜。」と言われました。

ミーティングは、地域のケーブルテレビの番組を使ってボランティアを募集している人の特別講演から始まり、どのようにして多くのボランティア1人1人の良さを把握しているかなどまで、テーマに沿って進められました。

そのうちの1つ、人材募集に関して書いてみたいと思います。

ポイントは、ボランティア・コーディネーターとして、自分が必要としていることをまずはっきりさせること。

どうしてホスピスにボランティアが必要なのか
  患者さんにとって、
   特に1人暮らしの方への、身の回りのことや外出時の体力的なサポート。
   誰かがそばにいる、といった気持ちの面でのサポート。
  家族にとって、
   どんなにスタッフがサポートするといっても、24時間自宅で介護するのは家族。
   そんな家族に休息を

どんな内容のボランティアを求めているのか
  患者さんへの、
   話し相手や身の回りのちょっとしたお世話係り
  家族への、
   庭の草むしりや家族の外出時に患者さんを看ていたり。
  などなど。

どんな人をターゲットにボランティアを募集するのか
  誰もが口を揃えて言うことには「一番のターゲットは退職した人」。
  中には、95歳でボランティアをしている人もいます
  (基本的に、年齢は伺いませんが、話しているうちにおいくつか分かることもあります)。
  やる気はあるけど1人で患者さんを任せるのは心配、という時などは
  他のボランティアと一緒に活動してもらうなど、
  ボランティア・コーディネーターが調整します。
  写真のお2人も年齢は不明ですが、退職してから「何かしよう」とボランティアを始めて、
  週1回簡単なお食事を患者さんにつくっています。
  他に「学生の夏休み」
    「遺族」
    「乳がんを患っているけど今は元気に活動している人」
  といった意見もありました。

今回しみじみ再認識したのは、ものすごくボランティアが組織的にまとめられていることです。また、個別のボランティアがとても大切に、そして意識的に大切にされるよう多くの配慮がなされていることです。小さなホスピスでは、チャップレンや看護師などがボランティア・コーディネーターを兼任しているところもありますが、専任にせよ兼任にせよ、人材確保を含め、患者さんやご家族・スタッフ・そしてボランティアの関係がスムーズにいって皆が満足できるかなど、コーディネーターなくしてここのボランティアは有り得ないと思います

fumie730fukuoka2006 at 23:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)ホスピスに関わる人々〜ボランティア〜 

2006年05月16日

新人さん

リフト写真は、介護用のリフトです。

どのように使用するかというと(ベッドから車椅子に移る場合)、.螢侫箸肇札奪箸砲覆辰討い詆曚髻∋藩僂垢訖諭粉擬圓気鵝砲凌搬里硫爾防澆布の四隅にある輪を手前に見える機械にハンモックのように引っ掛けるボタンを押して、身体を起こす(使用者は、布の上に座った状態で宙に浮く)ぅ椒織鵑鯀犧遒靴禿薫罎砲△襯譟璽襪鬚弔燭辰動榮悪ゼ岼愡劼両紊泙罵茲燭薀椒織鵑魏,靴匿搬里鮗岼愡劼帽澆蹐

大きな人も、介護者1人で運べる優れものです。お値段、中古で30万円くらい。

月曜日から、新人看護師のベッキーがブラックリバー・ホスピスの仲間になりました。

ベッキーはホスピスナースとしては新人ですが、ナースとしての経験は30年以上。老人ホームで15年管理職も含めて働き、その後病棟で、夜勤専門看護師として数年働き、今回ホスピスに興味をもってやってきました。「何か違うことをやってみたいと思って」とベッキー。

新しいスタッフ達は、どこでホスピスに興味をもち、働こうとやってくるのか?

新しいスタッフは
  〃亳骸圈並召覇いている医療者)
  ¬し亳骸圈奮慇検
のどちらかと言えると思います。

〃亳骸圈並召覇いている医療者)はどこでホスピスに興味をもつのか

ホスピスが場所でなくプログラムであるが故に、他で働いている医療者が、ホスピスのスタッフと一緒に働く機会がたくさんある。というのは大きいと思います。

ホスピススタッフは、在宅のみならず病院や老人ホームなど患者さんのいるところに行って、ホスピスケアを提供しています。実際に24時間患者さんを看るのは、在宅の場合は家族や一緒に住んでいる人、病院や施設の場合はそこのスタッフなのです。そのスタッフとホスピスのスタッフが協力して働く中で、ホスピスで働くことに興味をもつ人は多いようです

 レインボー(以前の研修先の一つ)の看護師クリスは、ホスピスで働く前、集中治療室で10年以上働いていていました。「最期の最期まで治療を求めるやり方に、うんざりきてた頃、集中治療室にいた患者さんがホスピスケアを受けることになって、そのケアに衝撃を受けた。それで、病院を去って私もホスピスで働くことを決めた。」

また、市や州で働いているソーシャルワーカーや看護師と一緒に患者さんに関わることも多々あります。

 ブラックリバーの看護師のシャネンは、ウィスコンシンのALS(神経難病の1つ→http://www.jade.dti.ne.jp/~jalsa/)協会で働いていて、ホスピスに興味をもち、今はALS協会とかけもちでパートでホスピスでも働いています。

¬し亳骸圈奮慇検はどこでホスピスに興味をもつのか

ホスピススタッフの中では、大学や専門学校の講師や助手としても勤めている人もいます。ホスピスについて講義するための講師であったり、あるいはホスピスとは関係なく助手であったり。アスパイアス(以前の研修先の一つ)のボニーは看護学生の実習全般担当で、「機会を見つけては、ホスピスについて話して、学生のうちからホスピスに引き込むのよ〜」と笑っていました。

ホスピスを学びに来る実習学生の受け入れも盛んです。看護師に限らず、ソーシャルワーカー、医師、薬剤師、チャップレンと多くの学生がホスピスで研修しています。どの職種も、ホスピスが選択科目の1つとして提示されていることは多いようです。「全看護師が必須としてホスピスについて学ぶように、ウィスコンシン州に働きかけている」とアスパイアスの教育係のシャロンは言っていました。
(患者さんや家族も学生慣れしていて、私もよく学生だと思われています。)

 レインボー(以前の研修先の一つ)の若き新人看護師アンジーは、病棟看護師として3年間勤務後、ホスピスで働き始めました。彼女は、学生の時の実習が印象的で「ホスピスで働こう。そのために、まず病棟で経験をつもう。」と心に決めていた、と言います。
 また、ソーシャルワーカーの実習学生ベンは、「最初は、選択科目の1つとして選んだだけだったけど、とにかく素晴らしいんだよ〜。就職するのが楽しみ。」といつも目をキラキラさせていました。

他で働いているスタッフ・学生ともに、患者さんに触れ、実際のホスピスケアを見る機会がある、というのはホスピスで働くことに興味をもつことにおいて大切だと思います。それも継続的にです

それから、ホスピスへの興味とは関係ありませんが、給料や休暇・夜勤において、病棟・一般在宅ケア・在宅ホスピスとどこで働いても大した差がない(在宅ホスピスは他に比べて超過勤務をせざるを得ないことが多いが、その分手当てはつく)というのも、職場を選ぶ時に大切だったと看護師達は言っています。「お金のためではないけど、生きていかなきゃならないからね〜」同感です。

fumie730fukuoka2006 at 16:21|PermalinkComments(2)TrackBack(0)ホスピスに関わる人々〜新しく働く人〜 

2006年05月10日

電子カルテ

ライフライン写真は「ライフライン」と呼ばれる緊急用の携帯ベルです。右側にあるのは本体。中央やや左よりの、小さな白い四角ものが、ベルになっています。ベルには、小さなボタンがついていて、首にかけたり腕時計のようにバンドをつけて腕にはめたりして、携帯します。

1人暮らしの特に高齢の方には、欠かせないアイテムの1つです。家で転んでしまったが、助けを求めようにも身動きがとれず、電話まで動いていくことができない。そんな時、ライフラインを身につけていれば、小さなボタンを押して助けを求めることができます。あらかじめ登録していた電話番号に、自動的に電話がかかるようになっているのです。「あなたのライフライン使用者が、助けを求めています。」などと機械による音声が流れて、緊急事態をお知らせ。「万が一」の時に備える、嬉しいアイテムです。

火・水・木曜日は、電子カルテ導入のための勉強会でした今まで研修したホスピスのうち2つは電子カルテを使用していて、もう1つも導入中、そして今の研修先である小さなブラックリバー・ホスピスも、電子カルテを使用することに決めました。

一口に電子カルテと言っても、ここでは「在宅ホスピス用」に開発された電子カルテの種類がいくつもあるようです。チーム全員が記録しやすいように、主な症状(痛みや呼吸苦)が細かくアセスメントできるように、家族も含めてケアできるように、と様々な工夫が見られます。

在宅の場合特に、大きなカルテに代わって、ノート型パソコンを患者さんの家にも持って行くことができるのは、本当に便利です。

ホスピスによっては、話を聞いてその場で記録したり今までの経過を示したり、と患者さんの家でパソコンを開くところもあれば、話を聞くときはメモ程度(便利なペンを使って、パソコン上にメモも書ける!)で、後から入力するところもあります。スタッフは、自宅にパソコンを持ち帰って情報収集や記録もできます。特に、24時間体制で夜間、患者さんを訪問するときに便利。患者さんは自分のカルテや情報をすぐ見ることができるし、スタッフも情報やケア方針を把握・更新しやすい。

また、正規の記録の他に、パソコンのメールで患者さんの情報を交換もしています。他のスタッフに知って欲しいこと、申し込み、亡くなった人などなど。更に、ホスピスによっては、小さなプリンターをそれぞれが持ち歩いて、患者さんの計画をその場で修正してプリントアウトして、患者さんやご家族に渡す、というところもありました

ブラックリバーの病院では既に電子カルテが導入されていて、患者さんからは「自宅で自分のパソコンを使って、すぐに検査結果を見たりできるのがとてもいい。」と好評。手書きより「読みやすい」との意見も。(日本で私と一緒に働いていた人は、私の汚い記録の字を思い出し、うんうん、と頷いていると思います。)

ブラックリバー・ホスピスでは、6月くらいを目安に電子カルテに切り替える予定。患者さんやスタッフの反応が楽しみです

fumie730fukuoka2006 at 20:54|PermalinkComments(3)TrackBack(0)アメリカのホスピス 

2006年05月08日

ホープ

自由のベル写真は、1776年、アメリカの独立宣言時に鳴らされた「自由の鐘」です。先週、このブログ作成を勧めて下さった、にのもんたさんと奥さん・娘さんにフィラデルフィアで会い、その時に「自由の鐘」も見物したのです日本の在宅ホスピスのことを伺ったり、私の研修先のことを話したり(もちろん観光も!)と、とても楽しい一時でした。

情報や意見を交換できる人がいるということは、本当にありがたいことです。このブログを通して知り合えた人々ともそのうちお会いできたら、どんなに素敵だろうと思います

4/9 の「春休み(http://blog.livedoor.jp/fumie730fukuoka2006/archives/591723.html)」にも書きましたが、ここのホスピスで働く仲間達は、カンファレンスなどで集い、情報交換をしたり共に学んだりする機会をたくさんもっています。これらのカンファレンスを主催しているのは、往々にしてウィスコンシンのホスピス協会ホープ」(The Hospice Organization and Palliative Expert of Wisconsin→http://www.wisconsinhospice.org)、私の研修の受け入れ先です。

ホープの目標は、「ウィスコンシンの全ての人が、人生の終末期を『満足して生きる』」

具体的には、各々のホスピスに新しい情報を提供したり、そのためにも他の州のホスピス協会と連絡を蜜にしたり、カンファレンスを開いたり、などなど行っています。直接、患者さんや家族と関わるというより、ホスピスやホスピスのスタッフを手助けする機関なのです。(患者さんや家族から「ホスピスを探している」と依頼を受けて、その人が住む地域のホスピスを紹介することもあります。)また、ホスピスが足りない地域に働きかけて、新しいホスピスをつくるお手伝いもしています。

今の私の研修先であるブラックリバー・ホスピスも、ホープが地域の病院に働きかけてつくられたものです。どれくらいこの地域の人が在宅で最期まで暮らすことを望んでいるかという情報提供をしたり、アメリカ政府から保証金(ブラックリバーの場合、年に$120,000(1ドル120円として120,000×120=1,440万円)を3年間)きちんともらえるよう手続きの手伝いをしたり、影でかなり活躍した様子。

ボランティアを支えるボランティア・コーディネーターといい、ホスピスを支えるホスピス協会といい、そしてケアする家族を支えるホスピスのスタッフといい、周りで支える人や機関がしっかりしていて初めて、中心となる人が力を発揮できるのだろうと、本当にひしひしと感じます。そして、よく「患者さん中心の医療」などというけれど、正に「その人や家族が自分達でできる限り予防やケア・管理ができる」ように情報を提供したりという「支援」が「患者さん中心」につながるのかなぁとも度々考えさせられています。

話がまとまらないところで今日のブログを終わろうとしていますが、在宅ホスピスに関して、日本には現在大きく2つの協会があるようです(にのもんたさん談)。興味がある人は、見てみて下さい(→「日本ホスピス・在宅ケア研究会 http://www.hospice.jp/index.html」,「在宅ホスピス協会 http://www005.upp.so-net.ne.jp/zaitaku-hospice」)。帰国予定の6月に「日本ホスピス・在宅ケア研究会」の大会が神戸で行われるので、私も参加できたらいいなぁ、と企んでいます。

fumie730fukuoka2006 at 20:26|PermalinkComments(2)TrackBack(0)アメリカのホスピス 

2006年05月03日

ボランティア・ウィーク

ペット・セラピー写真はペットセラピーとして大活躍のエイシャとその飼い主(名前を忘れてしまいました)です。もともとは捨てられていたエイシャですが、今の飼い主に引き取られて学校に通い、ペットセラピー用の犬になりました。本当にお人形さんのようで、あまり動かず誰にでもなつくし、びっくりの愛らしさなのです。患者さんからも大人気!

4/23〜4/29は、National Volunteer Weekでした。私の今の研修先ブラックリバー・ホスピスは、属しているブラックリバー病院と合同主催で、ボランティアのための昼食会を行いました。

ブラックリバーでは、病院もホスピスも、地域の人にものすごく支えられています。小さな25床の病院ボランティアは、140人ホスピスの患者さんは20人前後で、ボランティアは50人以上(その中で、今現在活動的なボランティアは、30人ちょっと)。昼食会に参加したボランティアは、両方合わせて60人くらいでした。

ホスピスは創立後3年半ですが、病院はもっと古くからあり、もともとの病院ボランティアは、40年前から活動を行っているようです。そこから枝分かれして、ホスピスのボランティアグループが出来上がりました。中には病院とホスピスとの「兼任」ボランティアもいます。

ブラックリバーのボランティアチームの特徴は、

その、ボランティアになるのに会費がいる
その、ボランティアによる寄付活動が盛ん
その地域の一員としてのボランティア

_馮
ここのボランティアは、年間10ドル(1ドル=120円として、1200円)を支払い、「ボランティアメンバー」になる必要があります。そう、現在活動していなくても、ボランティアになること自体が、ホスピスや病院への資金的支援をしているということになるのです。

寄付活動
フリーマーケットや各種寄付を募るイベントは、ボランティア・コーディネーターと力を合わせて、ボランティア中心に行われます。また、病院のギフトショップで働いている人は、皆、ボランティア。人件費は、病院やホスピスへの寄付として活用されます

C楼茲琉谿として
病院やホスピスのためだけでなく、健康教室ダイエットプログラムなど、地域住民へのサービスを支えるのもボランティアです。
中でも、この辺りに住む260人が持っている「ライフライン」を支えるボランティアは、無くてはならない存在となっています。ライフラインとは、主として1人暮らしの人が、倒れたりして電話をかけて助けを呼べない状態になった時、ボタンを押せば、事前に登録している隣人などに連絡がいく、というものです。その応答、またライフラインがきちんと作動しているかどうかの確認などをボランティアが行っています

この日の昼食会で、一緒のテーブルについたボランティアのアーディスたちは、「楽しい」「好きな時に活動できる」「ボランティアの種類が選べていい」「地域の一員としてできることがある」などと口々に話してくれました。本当に、皆楽しんでやっているというのが、伝わってきます。

受け入れ先の体制を整えれば、ボランティアしてみたいという人は日本にも結構いるんじゃないかと思います。労働力としてのボランティアという視点からだけでなく、ボランティアがホスピスのことについて家族や友人に話をすれば、ホスピスについて知る人も増えます。また、患者さんや家族のためだけでなく、ボランティア自身も素晴らしい経験を得られて、いいことづくめ(?)です。

あなたも、ボランティアをやってみたくなってきたでしょう?

fumie730fukuoka2006 at 15:36|PermalinkComments(5)TrackBack(0)ホスピスに関わる人々〜ボランティア〜 

2006年04月25日

準備はOK?

ルームモニター写真は、「ルーム・モニター」として市販されていますが、ホスピスでも大活躍しています。

もともとは、赤ちゃんの面倒を看ている人のためのものです。モニターの本体を眠っている赤ちゃんのそばに置いて、受話器型のモニターを持ち歩けば、赤ちゃんが物音を立てたり、泣いたりした時にすぐ分かります。ホスピスケアを受けている人に使う時、電話の子機でも良さそうですが、このモニターだと難病などで電話をかけるのが大変な人も、モニターに話しかければ良いという便利さ。常に音が相手に聞こえるので、プライバシーの侵害?と最初は思ったけど、たいてい家族同士なんだし、本人の同意の下、とても重宝されています。

火曜日は、老人ホームでホスピスケアを受けているライラを訪問しました。98歳のライラ(女性)は、昨年の夏に「老衰」で予後6ヶ月未満だろう、と医師にホスピスを勧められて以来、半年以上ホスピスケアを受けています。一緒に訪問したのは、スピリチュアルケア担当の、チャップレンのケブン。「チャップレン」とは、病院や学校などで宗教的な行事を行う人のことです。
→http://homepage2.nifty.com/BZF11333/chaplain01.htm)

庭の花々や幼い頃の話をして楽しんだ後、ライラは小さくため息をつき、「兄妹で(この世に)残っているのは私だけ。いつでも準備はできているの」と。

ケブンが担当する「スピリチュアル」とは、広辞苑には「精神的な」「霊的な」とありますが、実際には「精神的」なこととはまた少し別に考えられています。「個人の人生に関係のあるもの、意味をもたらすもの 」で、それが宗教的なことである人もいるし、違う人もいる。

「『宗教』と『スピリチュアルケア』は違う、『スピリチュアルケア』は宗教に関わらず、みんなのもの」というのが、ホスピススタッフ皆の意見です。

具体的には、
   「人生どうだったか」と人生の意味づけや
   「遣り残したこと」
   「気がかりなこと」
   「死を恐れるか」
   「ありがとう、さよならを大切な人に伝えているか」などを聞いたりして
死に逝く心の準備」のお手伝いをするのが、ホスピスにおけるスピリチュアルケア」と言えるようです。

「死ぬ時は突然がいい」と思う人もいると思いますが、考える時間があるならこれらの準備をすることは、本人のみならず周りにいる家族や友人のためにもとても大切だと思います。

以前、「意見箱(?)」に、「ホスピスのスタッフは『死』について話しすぎる」というのがあって、スタッフみんなで苦笑したことがあります。確かに、特にまだ元気なうちから、毎日毎日こんなことばかりを聞かれたら疲れてしまうとは思うけど、「スピリチュアルケア」は、大事なホスピスケアの1つなのです。

fumie730fukuoka2006 at 21:19|PermalinkComments(9)TrackBack(0)ホスピスに関わる人々〜チャップレン〜