2014年07月22日

平成26年度 がん疼痛緩和と医療用麻薬の適正使用推進のための講習会の開催(大阪)の御案内

主催厚生労働省
公益法人 日本薬剤師研修センター
公益財団法人 麻薬覚せい剤乱用防止センター
後援大阪府
公益社団法人 日本医師会
一般社団法人 日本病院会
公益社団法人 全日本病院協会
公益社団法人 日本薬剤師会
一般社団法人 日本病院薬剤師会
公益社団法人 日本看護協会
一般社団法人 大阪府医師会
協賛麻薬生産者協会
コーディネーター元埼玉県立がんセンター総長・WHO専門家諮問部会委員(がん疼痛担当) 武田文和


この講習会への出席では、日本医師会生涯教育講座(4.5単位)、日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師講座(3単位)、日本緩和医療薬学会緩和薬物療法認定薬剤師制度(5単位)などに提出する受講証明書をお渡ししましので、当日、受付にお申し出ください。

開催日時 平成26年9月14日(日) 13:00-17:00
開催場所 大阪市中央公会堂(通称:中之島公会堂) 大阪市北区中之島1丁目-1

講演演題
  1. 序説:医療用麻薬の適正使用を推進し、すべてのがん患者を痛みから解放しよう!
    元・埼玉県立がんセンター総長、WHOがん専門家諮問部委員(がん疼痛救済担当) 武田文和
  2. がん疼痛の評価と治療の進め方の基本
    青森県立中央病院がん診療センター 緩和医療科部長 的場元弘
  3. 医療用麻薬による依存を回避するために
    星薬科大学教授、WHO薬物依存専門家会議委員  鈴木 勉
  4. 薬剤師が身につけたいがん疼痛の治療薬の新たな知識と治療支援のスキル
    明治薬科大学 教授  加賀谷 肇
  5. 疼痛マネジメントにおいて看護師ができること
    聖路加国際病院オンコロジ―センター がん看護専門看護師 高橋美賀子
  6. 在宅での疼痛緩和の実際
    ふじ内科クリニック院長  内藤いづみ(甲府市)
  7. 医療用麻薬の適正管理について
    大阪府健康医療部薬務課麻薬毒劇物総括主査 藤川博之
  8. 質疑応答
    講師全員および厚生労働省麻薬行政担当官

受講料 無料

参加申し込み方法
麻薬覚せい剤乱用防止センターのホームページに開催案内があり、参加申込書をダウンロードできます。ダウンロードした申込用紙に必要事項を記入し、FAXで麻薬覚せい剤乱用防止センターにお送りください、申込書にFAX番号が示してあります。申込期限は9月11日です、当日の申し込みは受け付けない予定です。

本講習会の歴史と経過、開催の意義
1995年以来、わが国におけるWHO方式がん疼痛治療法の普及を急ごうと国が主催して、東京と大阪では隔年ごとに全国規模の中央講習会を開いています。この開催通知は大阪での中央集会ですが、他の道府県では、おおむね3年ごとに地域講習会を開催しています。講習会開催の目的は、がん診療にかかわっている医師、薬剤師、看護師の方々に、世界基準であるWHO方式がん疼痛治療法の基本知識を身につけていただき、がん対策基本法が指示している疼痛緩和等の早期からの実施によるがん患者のQOL向上を全国津々浦々で実現することを実現することを目指しての知識の普及に貢献することです。最近は薬剤師の出席が増加していますが、共にがん医療に従事している医師、看護師、とくに一人でもがん患者診療にあたっている医師の方々も御出席いただきたいと存じます。知識とスキルの普及は、津々浦々のがん患者すべてを痛みから解放することを実現させるでしょう。
また、がん疼痛の鎮痛治療に必須の医療用麻薬の現行規制は国際条約に沿ったもので、過去四半世紀の間に、医療で使いやすい改訂が行なわれ、がん患者の痛み治療における医療用麻薬が使いやすくなっています。そうした点についても講演いたします。医師、薬剤師。看護師の多数の方々の御来席をお待ちいたします(コーディネーター:武田文和)。


fumikazutakeda at 19:50|PermalinkComments(0)講演会・セミナ情報 

2014年06月09日

「厚生労働省・日本医師会編「がん緩和ケアに関するマニュアル」の改訂第3版の入手方法の変更について

2010年10月15日付けブログで紹介した、「厚生労働省・日本医師会編「がん緩和ケアに関するマニュアル」の改訂第3版の入手方法の変更について、http://www.hospat.org/をご覧ください。

上記のマニュアルは、日本を代表する専門家の責任分担により、十分に洗練され、どこにも負けない「がん緩和ケアの実践マニュアル」で、厚生労働省と日本医師会の監修を経て発刊された初版は、平成元年(1989年)という歴史を持ち、オーストラリア、フランス、カナダに次ぎ、世界で4番目のマニュアルです。すでに10万部以上が購読されています。

平成14年の改訂で現在の題名に改められ、以来、公益財団法人 「日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団」が発行業務を担当して来ました。また、毎年、厚生労働省主催のもとに全国各地で開催されている「がん疼痛緩和と医療用麻薬の適正使用のための講習会」の出席者に配布して参りましたし、同財団から購入することもできました。

しかし、事情により今年度から紙媒体による発行をやめ、同財団のホームページに掲載するのみとなりました。長年の御愛用に感謝しつつ、このマニュアルを必要とされる方々は、こちらのページをご覧いただきたいと存じます。プリントアウトも可能です。

長い間のご愛顧に感謝しつつ、お知らせいたします。今後とも、ウェブ上で御愛読ください。

fumikazutakeda at 00:43|PermalinkComments(0)本・雑誌情報 

WHOガイドライン:病態に起因した小児の持続性の痛みの鎮痛薬による治療の和訳刊行(2)

基本原則
小児の病態に起因した持続性の痛みの最適な治療には、非オピオイド鎮痛薬、オピオイド鎮痛薬による戦略的アプローチが必要である。このような包括的なアプローチは、資源に制約がある地域においても実施可能である。鎮痛薬の正しい使用が、病態に起因した小児の持続性の痛みの大多数を除去する。鎮痛薬の正しい使用は鍵となる次の考え方に基づいて行う:
  • 二段階除痛ラダー(階段図)の考え方を守る(by the ladder)
    (訳者注:コデイン、トラマドールなどの弱オピオイドの投与は推奨せず、非オピオイドを第一段階、強オピオイドを第二段階とする二段階除痛ラダーを採用している)。

  • 時刻を決めて規則正しく鎮痛薬を反復投与する(by the clock)

  • 適切な投与経路はである経口投与を用いる(by mouth)

  • それぞれの小児に適合する個別的な量を用いる(by the individual)


臨床に対する勧告
  1. 病態に起因した小児の持続性の痛みの強さに応じ、二段階除痛ラダーによって鎮痛薬を選択して投与する。

  2. アセトアミノフェンまたはイブプロフェンが第一段階の選択薬(軽度の痛みに用いる鎮痛薬)である、本ガイドラインでは、アセトアミノフェンとイブプロフェンのうち、どちらか一方を優先して選択するようには勧告していない。両者は共に等しく位置付けられる鎮痛薬である。

  3. 第一段階の鎮痛薬としてアセトアミノフェンとイブプロフェンを共に使用可能な状態にしておく。

  4. 病態に起因した小児の持続性の中等度から高度の痛みから小児を解放するには、第二段階の強オピオイド鎮痛薬を用いて治療すべきと勧告する。

  5. 病態に起因した小児の持続性の痛みが中等度から高度の強さのとき、モルヒネを強オピオイド鎮痛薬の第一選択薬とするよう勧告する。

  6. 強オピオイド鎮痛薬としてのモルヒネを超えると推奨できるエビデンスのある他の強オピオイド鎮痛薬はない。

  7. モルヒネの代替薬としての他のオピオイド鎮痛薬を選択するときには、それぞれの患者の状況因子への適合性と共に、薬の安全性、供給体制、薬価に配慮して決めるべきである。

  8. 病態に起因した小児の持続性の痛みの治療には、経口モルヒネの速放製剤を使用するよう強く勧告する。

  9. 小児に適用できる経口モルヒネの徐放製剤が入手可能ならば、その使用も勧告する。

  10. オピオイド鎮痛薬が不十分な鎮痛しかもたらさなかった小児では、オピオイド・スイッチング(オピオイド鎮痛薬の切り替え]を行う。そうではなく、耐え難い副作用をもたらした場合は投与量を減量する(本ガイドラインの方針)。

  11. モルヒネに加えて、モルヒネを代替しうる他のオピオイド鎮痛薬を医療担当者が入手できるようにしておくべきである。

  12. オピオイドローテーション(予め取り決めておくオピオイド鎮痛薬の慣例的切り替え)は行うべきではない。

  13. オピオイド鎮痛薬は経口投与すべきと勧告する。

  14. 経口投与が不可能な場合の代替的投与経路の選択は、臨床上の判断、製剤の入手のしやすさ、実施のしやすさ。患者の好みに基づいて行うべきである。

  15. 小児に対しては、筋肉内注射を回避すべきである。

  16. 次回分投与時刻の直前に起こる痛み、体動時痛、医療処置に伴う痛み、突出痛は、注意深く鑑別すべきである。

  17. 持続性の痛みを持つ小児は、時刻を決めて規則正しい投与を受け、また突出痛に対して適切な臨時追加投与も受けるべきと強く勧告する。
    小児における突出痛に対して、あるオピオイド鎮痛薬およびその投与経路を勧告するためのエビデンスは未だ不十分である、臨床的判断、入手性、薬理学的判断、患者の好みに基づく適切な選択肢を準備する必要がある。

  18. 病態に起因した小児の持続性の痛みに対してコルチコステロイドを鎮痛補助薬として使用することは推奨しない。

  19. 小児の骨の痛みに対してビスルホネートを鎮痛補助薬として使用することは推奨しない。
    現時点では、次の事項について勧告することは困難である:
    • 小児の神経障害性の痛みの治療における鎮補助薬としての三環系抗うつ薬および選択的セロトニン再取り込阻害薬(SSIRs)の適否について。

    • 小児の神経障害性の痛みの治療における鎮補助薬としての抗けいれん薬の適否について。

    • 小児の神経障害性の痛みの治療における鎮補助薬としてのケタミンの適否について。

    • 小児の神経障害性の痛みの治療における鎮補助薬としての局所麻酔薬の全身投与の適否について

    • 小児の神経障害性の痛みの治療における鎮補助薬としてのベンゾジアゼピン系薬およびバクロフェンの適否について


保健医療機関網に対する勧告
  1. 病態に起因した小児の持続性の痛みの標準化された治療法、そのために必要な薬、とくにオピオイド鎮痛薬の取り扱い方についての医療担当者の教育強化を勧告する。

  2. その専門的免許が許す範囲に置いて医療担当者が、付加的な免許を必要とせずに、オピオイド鎮痛薬を取り扱えるように考慮すべきである。

  3. 加えて、国はその状況に応じて、柔軟性、効率性、適用の拡大、およびケアの質の向上・拡大および/またはクオリティ・オブ・ライフ(QOL)改善のために、他の(医師以外の)医療担当者にも痛みの診断、オピオイド鎮痛薬(麻薬)の処方、調剤を許容するよう考慮するとよい。

  4. このように許容する条件は、医療行為にかかわる適格性、的確な能力、十分な研修、職業上の行為に対する個々の説明責任などを基盤とする。


この項おわり

fumikazutakeda at 00:37|PermalinkComments(0)連載 

WHOガイドライン:病態に起因した小児の持続性の痛みの鎮痛薬による治療の和訳刊行(1)

ブログ執筆者個人の事情により、しばらくアップできずにいましたが、やっと再開できる状況になりました。5万回もアクセスしていただいていたのに、休刊状態が長く続いていたことをお詫びいたします。

20140609


2012年夏、WHOの規制薬管理に関する部局の責任者Dr Scholtenが主導者となり、"WHO Guidelines on the Pharmacological Treatment of Persistent Pain in Children With Medical Illness; 和訳名:WHOガイドライン:病態に起因した小児の持続性の痛みの薬による治療"を金原出版から刊行した(本体価格3500円)。

原ガイドライン刊行と同時に、WHO本部のDr Scholtenから原本のネット版が送信されてきた。私がWHO方式がん疼痛治療法作成のFounding Memberであり、WHO編集のCancer Pain Relief;WHO方式癌疼痛治療法の和訳者であり、WHO Advisory Panel on CancerのMemberを20年も務めてきたからで、今回のガイソライン作成に日本人の専門家が参加していないからであった。

このGuidelines の刊行によって、1998年WHO刊行の"Cancer Pain Relief and Palliative Care in Children(片田らによる和訳;がんをもつ子どもの痛みからの解放とパリアティブ・ケア)"を廃止し、WHO方式がん疼痛治療法の小児がん患者への適用も廃止となる。

日本語版の作成準備を直ちに進めた。先ず、WHO本部に翻訳権を申請した。WHO出版の和訳出版に定評のある金原出版の賛成も得た。和訳出版・刊行の承認をWHO本部から受け取ったので、12名の専門家(医師、薬剤師、看護師)を分担翻訳者に選任し、武田文和が監訳者となり、翻訳権、出版権を与えられた武田他の翻訳陣と出版権を与えられた金原出版とが、日本緩和医療学会総会直前の2013年7月20日に本ガイドラインの日本語版を出版した。

このガイドラインは、いとぐち、

小児における痛みの分類
小児における持続性の痛みの診断と評価
薬による痛み治療の基本原則
保健医療機関網における痛み治療へのアクセス改善を目指して

アネックス(付属文書)として
 薬理学的プロフィール
 臨床への勧告の背景
 保健医療機関網への勧告
 エビデンスの検索と評価
 オピオイド鎮痛薬と国際条約
 本ガイドラインの作成・編集に関与した人々のリスト
 基本原則と勧告のまとめ
 文献、索引

となっており、さらに医師・薬剤師用、看護師用、政策立案所用の3つの付帯文書、ポスター、投与量一覧カードなどが挿入されている。

本ガイドラインがグローバルに役立てるために示した概要を、その基本原則と臨床および保健医療機関網への勧告のまとめを次回に紹介する。ガイドラインの詳細は日本語版(写真)を参照されたい(続く)。





fumikazutakeda at 00:22|PermalinkComments(0)連載 

2013年05月12日

「トワイクロス先生の緩和ケア処方薬:薬効・薬理と薬の使い方」医学書院から刊行しました。ご活用ください。

「トワイクロス先生の緩和ケア処方薬:薬効・薬理と薬の使い方」医学書院から刊行しました。ご活用ください。

トワイクロス先生のがん患者の賞状マネジメント第2版トワイクロス先生のがん緩和ケア処方薬
2010年に改訂版刊行・医学書院 武田文和監訳新刊姉妹書・2013年3月刊行・医学書院 武田文和・鈴木 勉監訳


2003年初版、2010年第2版の「トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント」(写真左)は、緩和ケアの実践書として多くの方々に活用されています。そのところどころに「薬の使い方のついては、姉妹書PCFを参照のこと」と記入されています。PCFとは "Palliative Care Formulary" という姉妹書のことで、今回、その日本語版が刊行されました(写真右)。

日本語版の題名は「トワイクロス先生の緩和ケア処方薬:薬効・薬理と薬の使い方」です。トワイクロス先生は、原書が出版されたばかりの頃に来日され、手提げかばんの中から1冊を取り出し、「これが今回のおみやげ」と私に手渡してくれました。それを読み始めた私は、この本は日本の医療担当者に紹介すべきであり、多くの人々が必要とする内容、しかも薬学の力を借りて翻訳すべき内容と感じ、星薬科大学鈴木勉教授(当時:日本緩和医療薬学会理事長)に監訳者に加わってくださるようお願いしました。

鈴木教授は、明治薬科大学の加賀谷肇教授を主幹、メディカルプランニングセンターの石田有紀代表(薬剤師、社会福祉士)を副主幹とする翻訳委員会を立ち上げ、各地のすぐれた薬剤師さん25名に分担翻訳を依頼し、本書の翻訳刊行に漕ぎ着け、私は監訳陣に加わりました。

日本での翻訳作業開始の前後頃から、PCFのアメリカ版、カナダ版、ドイツ版、イタリア版、ポーランド版などが刊行されました。日本の医療事情に詳しいトワイクロス先生は、日本の読者にはカナダ版の翻訳がよいと思うと判断され、それに従いカナダ版を日本語化しました。しかし、この和訳中にも新たな知識に基ずく情報がオックスフォードからメールで私に送信されてきたので、この日本語版は、カナダ版をさらにアップデートした内容となりました。

トワイクロス先生の緩和ケア処方薬は、薬を以下のように分け、その薬効・薬理と薬の使い方詳述しています:
  • 消化管系
  • 心臓血管系
  • 呼吸器系
  • 中枢神経系
  • 鎮痛薬
  • 感染症
  • 内分泌系・免疫系
  • 尿路系
  • 栄養と血液
  • 筋・骨格・関節
  • 耳・鼻・咽喉
  • 皮膚
  • 麻酔薬

これに加え、緩和ケアにおける処方ガイダンス、オピオイドの効力換算法、鎮痛薬と自動車の運転、皮下持続注入法、脊髄鎮痛法、経腸栄養チューブ経由の薬の投与、ネブライザーによる薬の投与、QT間隔の延長、チトクロムP450、薬による運動障害、アナフィラキシー、薬物動態データ、緩和ケアにおける救急セット、規制薬服用中の患者の海外旅行、配合変化などが述べられています。

各薬剤については、以下が述べられています:
  • 分類
  • 適応(適応外使用の場合も)
  • 薬理学
  • 注意(警告)
  • 使用法・投与量
  • 製剤
  • 文献

そして、制酸薬、鎮痛薬、中枢神経薬、オピオイドなどについては総論的な事項もまとめられています。

本書が、「トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント」と同様に、緩和ケアあるいは進行がん患者の医療を担当している医師、看護師、薬剤師の皆さんに広く活用され、わが国のがん患者のQOLの維持に貢献するよう願っています(蛇足ですが、本文712頁、定価は税込、¥5,775です)。

fumikazutakeda at 11:08|PermalinkComments(0)本・雑誌情報