3年ぶりによしもとばななの本に手を触れた。
すらすらと数日間で読めてしまう彼女の文章を
私はたまに無性に読みたくなる。
それはばななさんが描く変わり種の登場人物に期待しているから。

今までデビュー作の「キッチン」、3年前に発表した「High and dry(はつ恋)」、
そして今週はデビュー作並みに古い「哀しい予感」を読んだ。
3作とも私の頭と心に残るお話で、登場人物の行動が珍しい。
kitchen









「キッチン」は「私がこの世で一番好きな場所は台所だと思う。」
という書き出しだけに、主人公のみかげは家族を亡くしてからも
キッチンで寝続ける。ただの料理マニアではなく、彼女にとって最も
家族や家庭を感じられるのが他ならぬ「キッチン」だから。
high and dry









「High and dry(はつ恋)」はサブタイトルの(はつ恋)が半分ひらがなで
書かれていて、まるで子供の恋愛を暗示しているよう。
実際、14歳の夕子は20代後半の絵教室の先生と恋仲にある。
キスとかエッチとかそんな生々しいことはしない二人だけど、
心の中で確かに互いに惹かれあっていて、これが恋愛の本質だよね〜と
読書中に思ったな。体の関係は後からでも作れるから。
むしろ心の関係を築くには時間をかけて、自分も相手も成長しないと
いけないんだろうね。
哀しい予感









「哀しい予感」では私は第2の主人公ともいえるゆきのに興味津津だった。
時間に束縛をされず、一応音楽教師をしているものの、雨が降れば
外には出ない、家では窓の外を何時間も見つめていたり。
寝る場所もその時横になっていた場所。
「普通」の生活習慣を身につけようとしていない独り暮らしの女性。
おもしろいのが不要になったものを「なかったこと」にして、
裏庭に捨てておく変な癖。カビが生えた傘など「なかったことにしましょう。」
言って、裏庭にポイッ。既にそこには傘以外に机などいろんなものが
蓄積されている。これだけ聞くとただのだらしない人みたいだけど、
彼女にも傷があり、彼女なりの考えがあり、それはここでは書き記せない。

とにかく、よしもとばななの本を3冊読んで確信した。
バナナ・ワールドの住人はただものじゃないぞ!
おもしろい癖や習慣や考えの持ち主で、私を新しい視野の世界へ
連れて行ってくれる。
また旅に出たくなったら今度はどのバナナに手を付けようかな