この国の人たち、本当に言うこと聞かないなあ、と思います。

いや、別に、大嫌いな日本人の言うことを聞かない、と言っている訳ではありません。
そうではなく、同じ国の人の言うことを聞きません。

国にも、交通信号があります。

ただ、「信号」(xin4 hao4/シンハオ)と言っても、普通は通じません。
中国語では「紅緑灯(红绿灯)」(hong2 lv4 deng1/ホンリュドン)と言います。

ちなみに「信号(シンハオ)」と言えば、携帯電話などの電波を指します。
電波の受信状況が悪い場合は「信号不好」(xin4 hao4 bu4 hao3/シンハオブーハオ)と言います。

こちらの人は信号を守らないことで有名ですが、本当に守りません。
そもそも車やバイクが守らないので、歩行者が守っても意味ありません。

あくまでも、自分の目で確かめ、車が来れば青でも渡らず、車が来なければ赤でも渡る、が正解です。

そうは言っても、大きな通りであれば、さすがにちょっと、勇気がないと、信号無視はできません。
ただ、こちらには、それでもするという勇気のある人が、たくさんいます。

ということで、いつもではありませんが、比較的大きな交差点などには、交通指導の人たちが立っています。

この人たちは「協管」(xie2 guan3/シエグアン)と書かれたゼッケンをつけているので、恐らく「協管(シエグアン)」と言うのだと思います。

協力して管理する、ということで、交通警察「交警」(jiao1 jing3/ジアオジン)に協力して交通指導を行うということですが、警察ではありません。
よって、違反者を取り締まり、罰金を取ったりする権利はありません。

主として、歩行者やバイクなどに乗っている人が、信号無視をしないよう管理するため、横断歩道の横でずっと立っています。

中には、信号無視まで行きませんが、停止線で止まらず、そのままずるずると進もうとするバイクや自転車があります。
その場合は、ピッ、ピッと笛を吹いて注意します。

私などは、少しくらいはみ出てもいいのではないかとも思いますが、この「協管」の人たち、中国人に似合わず、とても律儀です。

停止線からはみ出ると、停止線まで下がれ指示します。

まあ、下がれと言うのであれば、下がればいいと思うのですが、ただ、こちらの人は下がりません。
「協管」の言うことを全く無視して、その位置のままにいるか、そのまま信号無視を敢行し、どこかへ行ってしまいます。

一人二人がするレベルではありません。
私はこれまでに、同じような光景を、それこそ何百回と目撃してきました。

そのたびに、そのやり取りがおかしくて、笑ってしまいます。

言うこと聞けばいいのにと思うのですが、絶対に聞きません。
恐らく「協管」をバカにしているのでしょう。

この国では、強い人に対しては、どこまでも逆らわず、弱いやつに対しては、どこまでも居丈高に、が生きていく上での基本です。
お上には逆らいませんが、弱いもの同士では張り合うため、常にけんかが絶えません。

それでも、最近、お上にたてつく人が出てきました。
相当追い込まれているに違いありません。


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