海外における中国人旅行客の評判というのは、お世辞にもよろしくはなく、いろいろと、えっ?とちょっと普通では理解することができないような行動を取ってしまうことが多いようです。

また、一人では絶対にできないことも、大勢ではできてしまうということもよくあることです。

今回は、というか、今回も、ですが、中国人旅行客がやってしまいました。
タイはバンコク空港での出来事です。

なんでも、260名ほどの中国人ツアー客「旅游団(旅游团)」(lv3 you2 tuan2/リュヨウトゥアン)だったそうです。

もともと、午後5時50分発重慶(重庆)(chong2 qing4/チョンチン)行きのフライトでした。

ところが、暴雨の影響と、その後に見つかった機材の不具合のために、搭乗時刻は翌朝「凌晨」(ling2 chen2/リンチェン)の3時と発表されました。

ショックであることはわかりますが、こればかりは仕方ありません。

で、航空会社が、休憩するために、ホテルを準備しました。

普通であれば、そのホテルへ行って休憩するものなのですが、普通でない一部の人たちは、反対運動を行います。

空港側の謝罪、ボーイング「波音」(bo1 yin1/ボーイン)747を手配すること、一人1000元の賠償をすることを訴えました。

そして、やってしまったのが、国歌斉唱でした。

この国の国歌は、抗日映画のテーマソングです。

よって「起来、起来、起来」(qi3 lai2 qi3 lai2 qi3 lai2/チーライチーライチーライ)と大変勇ましいものがあります。

「キライ、キライ、キライ」ではありません。
それでは、子供と一緒です。 

一緒かもしれません。

よその国の空港で、それも普通に考えれば「過分(过分)」(guo4 fen/グオフェン)と思われる要求をして、そして、国歌斉唱してしまうと。

こういうのを、恥さらし「丢臉(丢脸)」(diu1 lian3/デュウリェン)と言います。
そして、この場合であれば「丢脸丢到泰国去了」と言ったりします。

翌朝3時近くになり、ホテルで休んでいた同胞たちが戻ってくると、浴びせた言葉が「売国賊(卖国贼)」(mai4 guo2 zei2/マイグオゼイ)でした。

航空会社の指示に従ったことが、どうして売国になるのか、よくわかりません。

そして、最後まで騒いでいたのが33名です。

4時頃になり、この33名も仕方がないので搭乗しようとしたところ、反撃に出たのが機長さんでした。

情緒が安定していない人たちを搭乗させると、フライトの安全にかかわるということで、搭乗拒否をします。

そして、33名の荷物を降ろして、6時頃、飛行機はようやく飛び立ったということです。

残った33名も、結局はその日の午後5時のフライトで帰ることはできたようですが、本当に、何をしたかったのかよくわかりません。

また一つ、伝説を作ってしまいました。


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