中国人が日本で爆買いするものとして有名なのが、ステンレスボトルです。

ステンレスマグだとか、ステンレスタンブラーだとか、いろいろ言い方はあるようですが、とにかく保温や保冷にすぐれたボトルです。

中国語では、よく「保温杯」(bao3 wen1 bei1/バオウェンベイ)と言います。

日本へ一時帰国する際に、よく買って来てくれと頼まれるものの一つです。

買うのはいいのですが、こちらの人は、大抵ブランドと型式を指定するので、探すのが大変な場合があります。

人気のブランドは、やはりタイガーと象印でしょう。

タイガーは、中国語では「虎牌」(hu3 pai2/フーパイ)と言います。
象印は、そのまま「象印」(xiang4 yin4/シアンイン)です。

もっとも、ブランドは日本だと言っても、大抵は、日本製ではなく、中国製などになります。

中国で買っても同じなのに、と思うのですが、価格が安いということもあるでしょうが、恐らく、日本で買ったということで、安心できるのだと思います。

それにしても、どうしてそんなにステンレスボトルにこだわるのでしょうか。

これは、中国の人の習慣を知らないと理解できないかもしれません。

日本でも、マイボトルが提唱されているようですが、中国では、それこそずっと昔から、マイボトルでした。

今ではどこにでもありますが、以前はペットボトルのようなものが流行っていなかったこともあり、どこへ行くにもボトルを持ち歩いていました。

また、冷たいものを飲む習慣があまりなかったこともあります。

外出先で飲むものと言えば、お茶か「白開水(白开水)」(bai2 kai1 shui3/バイカイシュイ)と呼ばれる白湯(さゆ)でした。

そして、お茶も、日本のように急須に入れてから飲む飲み方もありますが、普通は茶碗にそのまま茶葉を入れ、お湯を注いで飲みます。
よって、外出する際は、ボトルに茶葉を入れ、お湯を注いで持ち運びます。

「白開水(バイカイシュイ)」を飲むのは、これはもうおきまり事であるため、いろいろな場所で手に入れることができます。

レストランで「すみません、お湯を継ぎ足してください」とお願いするのは、これは極々普通の光景です。

銀行などには、大抵サービスで給水ボトルが置いてあり、ここからお湯を入れることができます。

鉄道の駅や空港などにも、必ず給水する場所があります。

先日、タイの空港で、中国人旅行客が国歌を歌って大騒ぎしたという事件がありましたが、その時も、クレームの一つが「開水(开水)」(kai1 shui3/カイシュイ)がない、でした。

普通はそんなのありません。

よって、この国では、基本的に、ボトルを持ち歩いてお湯に困ることはありません。

問題になるのは、そのボトルが、熱に如何に耐えられるか、ということになります。

私が留学していた頃に流行っていたのは「太空杯」(tai4 kong1 bei1/タイコンベイ)と呼ばれるプラスチックのものでした。

「太空」(tai4 kong1/タイコン)とは、宇宙ということで、本当かどうかわかりませんが、宇宙飛行士が使っていたことからこの名があるそうです。

要は、耐熱のプラスチックボトルであり、これであれば、熱いままのお湯をそのまま入れることができるので、便利です。

その他、ネスカフェの空瓶などもよく使われます。
以前は、ほとんどのタクシー運転手が使っていました。

ということで、日本人が外出する際は、必ずハンカチを持つのと同様、中国人が外出する際は、必ずお茶やお湯を入れるためのボトルを持つことになります。

喉が渇いたらペットボトルでもいいのでしょうが、やはり自分で洗い、自分で準備したお茶に、自分でお湯を入れたマイボトルの方が信頼できます。

よって、長期にわたって、こぼれず、保温ができるものは大変重宝されます。
品質が悪ければ、カバンの中のものを濡らしてしまうことになりかねません。

さらに、日本ブランドのステンレスボトルであれば、ちょっとメンツが立つというところでしょう。

私なんて、こぼれさえしなければ何だって構わないと思うのですが、こちらの人はちょっと違うようです。


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