北京の三大名物と言えば、ヒツジのしゃぶしゃぶ「涮羊肉(shuan4 yang2 rou4/シュアンヤンロウ)、ジャージャー麺「醤麺(炸酱面)(zha2 jiang4 mian4/ジャジアンミェン)、北京ダッグ「北京(北京烤鸭)(bei3 jing1 kao3 ya1/ベイジンカオヤー)です。

この三大名物には入りませんが、同じように北京の名物と言われるのが、というか、北京の人が名物だと言っていたのが「羊蝎子」(yang2 xie1 zi/ヤンシエズ)です。

この「羊蝎子(ヤンシエズ)」
知らない人と知っている人は何とも思いませんが、中途半端に知っている人にとっては、ギョッと思える名前です。

というのも「蝎子」(xie1 zi/シエズ)とは、サソリのことだからです。
そして、北京の屋台では、サソリを串焼きにして焙ったものがよく売られています。

もしかして、ヒツジとサソリを一緒に煮た料理?なんて思ってしまうかもしれません。

実は「羊蝎子(ヤンシエズ)」とは、ヒツジの背骨を指します。
背骨の形が、サソリに似ているということで、この名前があるようです。

料理としては、背骨をぶった切ったものを調味料などと一緒に煮込んだものです。

スープは濃すぎて、普通は飲みませんが、この中に野菜や豆腐などを入れ、いろいろ食べることができるので、鍋料理「火鍋
(
)(huo3 guo1/フオグオ)の一種とされます。

名物と言われるだけあり、北京の街では「羊蝎子(ヤンシエズ)」と書かれた看板をよく見かけます。

私の好きな「羊湯(羊汤)(yang2 tang1/ヤンタン)とは、また少し違ったヒツジ料理です。

ぐつぐつ煮込んだ背骨の肉を食べるのですが、正直なところ、あまり食べるところはありません。
味は悪くはありませんが、食べにくいというのが率直な感想です。

個人的には、肉よりも、一緒に煮た野菜や豆腐の方がおいしいと思います。

先日、北京の美食街として有名な「簋街(gui3 jie1/グイジエ)にあるお店に行きました。

簋街(グイジエ)とは、東は東直門(东直门)(dong1 hi2 men2/ドンジメン)、西は北新橋(北新)(bei3 xin1 qiao2/ベイシンチャオ)までの通り名で、正式には東直門内大街(内大街)(dong1 zhi2 men2 nei4 da4 jie1/ドンジーメンネイダージエ)と言います。

ここには、150店ほどのお店があると言われますが、代表的なのは「胡大」(hu2 da4/フダー)と「簋街仔仔(gui3 jie1 zai3 zai3/グイジエザイザイ)です。
ともに、ザリガニで有名です。

ただ、北京でザリガニを食べるという風習は、最近の流行りだそうで、伝統的なものではありません。

24時間やっている店もあるため、真夜中でも「夜宵」(ye4 xiao1/イェシャオ)を食べに、多くの人がやってきます。

もっとも、すっかり夜更かしができなくなった私は、普通の夕食の時間に行きました。

「羊蝎子(ヤンシエズ)」もおいしかったですが、それよりも、お店の外で焼いていたヒツジの串焼き「羊肉串」(yang2 rou4 chuan4/ヤンロウチュァン)が美味でした。

やっぱり「羊肉串(ヤンロウチュァン)」を食べながらビールを飲むのは、夏の夜にはかかせない、最高のひとときです。


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