最近、というか、前からいましたが「羊毛党」(yang2 mao2 dang3/ヤンマオダン)と呼ばれる人たちが注目されています。
「知っている、中国共産党からお金をもらって、政府に都合のいいコメントを書く人たちでしょ。」
違います。
それは「五毛党」(wu3 mao2 dang3/ウマオダン)です。
何かの記事に対して、全くコメントをさせないというのは、あまりよくありません。
そうかと言って、政府に批判的なコメントが多いと、皆、こんな風に思っているんだ!と思わせてしまいます。
これでは寝た子を起こしてしまうかもしれません。
よって、アルバイトを雇い、明らかに政府寄りのコメントを、圧倒的な数量で流しています。
これにより、これでいいのだ!と思う人を増やし、治安を保とうとしています。
このアルバイトのお金が、1コメント5毛であることから、アルバイトの人たちを「五毛党(ウマオダン)」と呼ぶようになりました。
「毛」(mao2/マオ)とは、中国のお金の単位です。
正式には「角(角)」(jiao3/ジャオ)と言います。
1元の10分の1が1角で、5角は、日本円にして大体8円です。
なお「元」(yuan2/ユェン)は、口語では「塊(块)」(kuai4/クアイ)と言い、通常「塊銭(块钱)」(kuai4 qian2/クアイチェン)という形で使われます。
もっとも、話には聞きますが「五毛党募集!」と言ったような広告を見たことはないので、あるのかないのか定かではありませんが、きっと、あるのだと思います。
で、今回は「五毛党(ウマオダン)」ではなく「羊毛党(ヤンマオダン)」の話です。
こちらの「毛」は、本当の毛で、ヒツジの毛の「羊毛」(yang2 mao2/ヤンマオ)です。
ヒツジの毛を刈ることを「薅羊毛」(hao1 yang2 mao2/ハオヤンマオ)と言います。
これまた、難しい字が出ていました。
「薅」(hao1/ハオ)と読みます。
何でも、この字は「蓐」(ru4/ル)と「好」(hao3/ハオ)という字を組み合わせたものなのだそうです。
「辱」とは、草を刈るという意味です。
草冠「草字頭(草字头)」(cao3 zi4 tou2/ツァオズトウ)を付けた「蓐」で、刈った草を敷いた敷草という意味になります。
そこに、好ましいという意味の「好」をくっつけて、これで、草を刈って好ましい状態になることを意味するのだそうです。
本当?と思いますが、辞書にそう書いてありました。
ヒツジの毛を刈ることは「薅羊毛(ハオヤンマオ)」ですが、最近では、いろいろなキャンペーン「活動(活动)」(huo2 dong4/フオドン)で利益を得ようとする人を、こう呼ぶようになりました。
ちょっとした利益を、ヒツジの毛を刈るように刈り取っていくからかもしれません。
例えば、口座を作れば1000円もらえます!と言ったキャンペーンに、徹底的に応募して、利益を得ようとする人たちです。
懸賞生活をしている人や、ポイントを稼ぐ人、クーポンをうまく使っている人たちも「羊毛党」の一種と言っていいかもしれません。
中国のネット上では「紅包(红包)」(hong2 bao1/ホンバオ)という、お小遣いがもらえるというキャンペーンを、よくやっています。
電子商取引の発展した中国では、スマホとスマホ、スマホとパソコンと言ったお金のやり取りが当たり前です。
たった5元でも「紅包(ホンバオ)」として当たれば、すぐに自分のスマホの口座の残高に入ってきます。
いろいろ入会したり、口座を作ったり、管理が面倒くさいだろうと思いますが、もらうものだけもらったら、後は解約なのでしょうから、それはそれでいいのかもしれません。
当然ですが、ここまでであれば、犯罪でも何でもありません。
個人の趣味の問題です。
ただ、最近の「羊毛党」は進化しています。
現在、中国では、シェアリング自転車「共享単車(共享单车)」(gong4 xiang3 dan1 che1/ゴンシアンダンチャ)が、爆発的に流行しています。
いろいろな会社がありますが、有名なのは、オレンジ色「橙色」(cheng2 se4/チョンサ)の「摩拝(摩拜)」(mo2 bai4/モバイ)と、黄色「黄顔色(黄颜色)」(huang2 yan2 se4/フアンイェンサ)のofoです。
ofoの自転車は、よく「小黄車(小黄车)」(xiao3 huang2 che1/シャオフアンチャ)と呼ばれます。
このofoが、先日、キャンペーンを打ちました。
いろいろ規定はありますが、簡単に言えば「小黄車(シャオフアンチャ)」に乗れば「紅包(ホンバオ)」がもらえる!というものです。
その「紅包」も、そりゃ滅多に当たらないでしょうが、最高では、5000元なんていうのもあったようです。
これに対し「羊毛党」が目を付けない訳がありません。
ただ、この人たち、一生懸命自転車に乗るなんていう、かったるいことはしません。
ここらへん、中国の技術は本当にすごいと思うのですが、GPSの自分の位置を、好きなように変えることができるソフト「軟件(软件)」(ruan3 jian4/ルアンジェン)があるのだそうです。
すべて遠隔操作「遠程控制(远程控制)」(yuan3 cheng2 kong4 zhi4/ユェンチョンコンジ)で「小黄車」を操り、ソフトでGPSの自分の位置を変え、自転車に乗ったことにし、これで「紅包」をもらうことができます。
私には、とてもわからない世界です。
何でも「紅包」は、1人1日16回までしかもらえないのだそうです。
ということで、ネット上で、他人の名義を買ってきます。
そんなことできるの?と思いますが、普通に売っているそうです。
そして、いろいろ操作して「紅包」をもらいまくります。
私にはとても無理ですが、詳しい人であれば、屁の河童な作業なのでしょう。
これで、1日に1万元以上稼ぐ人たちがいるというから驚きです。
ただ、当然ですが、他人の名義で、実際に自転車に乗っていないのに、インチキして「紅包(ホンバオ)」をもらう訳ですから、厳密に言えば犯罪です。
詐欺「詐騙(诈骗)」(zha4 pian4/ジャピェン)になるのだそうです。
ofoでは現在、対策を講じているということですが、それにしても、賢い人がいるものだと思います。
その能力を、別の方面で発揮すればと思いますが、なかなか機会がないのかもしれません。
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