孑立(茕茕孑立)(qiong2 qiong2 jie2 li4/チオンチオンジエリ)と読むのだそうです。

そうです、と言っているぐらいですから、私も知りませんでした。
こんな成語がありましたと、最近知ったので、ちょっとご紹介します。

㷀(茕茕)(qiong2 qiong2/チオンチオン)で、孤独なさまを表します。

ラッキーなことに、この「qiong/チオン」という発音は、二声の「qiong2/チオン」しかありません。

よく使われるものと言えば「窮()(qiong2/チオン)であり、貧しい、という意味です。
た、尽きる、徹底的に、という意味もあります。

(qiong2/チオン)は、大空であり、アーチ状になっているものを指すようになりました。

「瓊()(qiong2/チオン)は、美しい玉、という意味で、そこから、精巧で美しいものを意味します。
また、海南(hai3 nan2/ハイナン)省の別称でもあります。

その他、ないことはありませんが、まあ、使うことはないでしょう。

「㷀(茕)(qiong2/チオン)とは、鳥が速く飛び、めぐっているさまを表すそうです。
そこから、ひとり、という意味になりました。

「孑」(jie2/ジエ)も見慣れない字です。
これを「生僻字(sheng1 pi4 zi4/ションピズ)と言います。

「子」(zi3/)に似ていますが、三画目は横ではなく、左下から右上にはね上げた形です。
れを「提」(ti2/ティ)と言います。

ちなみに、横線は「横」(heng2/ホン)、縦線は「竪()(shu4/シュ)、左払いは「(pie3/ピエ)、右払いは「(na4/)です。

よく「王」(wang2/ワン)という字を説明する場合「三横一竪王(三横一竖王)(san1 heng2 yi1 shu4 wang2/サンホンイシュワン)と言います。

」は「子」という字に似ていますが、それもそのはず、右の腕がないという意味です。
こから、残る、ひとり、という意味になり、寂しいという意味にもなりました。

もっとも、確かに右側の部分がありませんが、子供から見れば、これは左手ではないのかという気がしない訳でもありません。

漢字には、結構えぐいものがよくあります。

「取」(qu3/チュ)とは「耳」(er3/)と「又」(you4/ヨウ)という字から成り立ちます。
「又」とは「右」(you4/ヨウ)と同じ発音で、右手という意味を表します。

よって「取」とは、右手で相手の耳を取っている、ということで、取るという意味になりました。
昔は、殺した敵の左耳を切り取って、首級(しるし)の代わりに集めたのだそうです。
別に、豊臣秀吉が最初という訳ではないようです。

孑立(茕茕孑立)」は、寂しそうに、ひとり立っている、ということで、ひとりぼっちで身寄りがないさまを表します。

三国時代というか、晋の時代ですが、蜀の元家臣、李密(li3 mi4/リミ)が書いた「陳情表(陈情表)(chen2 qing2 biao3/チェンチンビャオ)にある言葉です。

魏を乗っ取り皇帝になった晋の司馬炎(司马炎)(si1 ma3 yan2/スマイェン)は、李密の名声を聞き、仕官するよう命じます。
ただ、面と向かって嫌ですとは言えないため「陳情表」を書きました。

李密は、子供の頃、両親がいないため、大変孤独だったそうです。
これを「
茕茕孑立」という言葉で表しました。

そして、育ててくれたおばあさんの面倒を見なければならないため、仕官ができませんと陳情します。

魏を乗っ取った司馬炎も、これには感動し「じゃあ、しょうがないね」で許してくれたというお話しでした。


<関連記事>

流行語大賞に選ばれた「忖度」とは何か

敗北とは何か

ガタガタ言うな

八字没一撇

なんだか最近、左腕が痛いです