まあ、大変ではありますが、よくある話です。
別に、この話が特別という訳ではありません。

最近、ある女性が、動画で、常州市第一人民医院のお医者さんである黄(huang2/フアン)さんを告発しました。

告発することを「挙報(举报)」(ju3 bao4/ジュバオ)と言います。

もっとも、中国では、ウソの「挙報」をされることがあります。
経験者が言っているので、間違いありません。

よって、真実だ!ということを強調するために、実名で告発することが増えてきました。

これを、そのままですが「実名挙報(举报)」(shi2 ming2 ju3 bao4/シミンジュバオ)と言います。

今の流行りは、若い女性が自らの身分証明書を手にして、告発するものです。

男性がやっているのは、あまり見かけたことがありません。
通常、告発される対象が男性だからなのでしょう。

告発の内容は、大抵「不正当関係(不正当关系)」(bu4 zheng4 dang4 guan1 xi/ブジョンダングアンシ)を持っていたという、ウフフな話です。

今回の女性は、2019年後半に、うつ病の治療のため、常州市第一人民医院に行った際、この黄さんと知り合いました。

そして、治療の過程で、いろいろな薬を処方され、最後「不正当関係」に至ったのだそうです。

更に、この女性は、黄さんが、医薬会社から賄賂や、病人から「紅包()」(hong2 boa1/ホンバオ)をもらっているとも主張しました。

実名を曝して訴えたということは、恐らく事実なのでしょう。

これだけ全国的に知られてしまうと、病院としても、黄さんのクビは切らざるを得ないと思います。

もっとも、2021年9月6日に、処分は既に済んでいました。

おおむね事実として認めたようです。

ただ、なんちゃっての処分だったので、許せん!ということで、ネットに曝すことにしたのでしょう。

黄さんがとんでもないのは間違いありませんが、よくあることなので、別に、フーンとしか思いません。

私が興味を持ったのは、この記事の、コメント欄の話でした。

コメント欄で、ある人が、自らの経験を語っています。

何でも、ご自身が手術をした際に、主任医師には「紅包」を渡しましたが、助手には渡さなかったのだそうです。

すると、助手は縫合(ほうごう)の際に、わざと一針入れず、結果、傷口が広がってしまったと言っていました。

また、別の人は、医者には「紅包」を渡したものの、麻酔士には渡さなかったので、イジワルされたのだそうです。

これは、本当によくある話で、私も以前、同僚から聞いたことがあります。

一応、規則で「紅包」を受け取ってはならないとなっているのですが、建前だけなのでしょう。

「紅包」を渡さないと、何をされるかわからないって、ちょっと恐ろしい話だと思います。