本日、66日は、二十四節気の「芒種(芒种)(mang2 zhong4/マンジョン)です。

太陽の黄経が、75度に来たときが芒種になります。

日本語では、芒種(ぼうしゅ)と読みます。

二十四節気の9番目、夏の3番目の節気です。

芒種の「芒」(mang2/マン)とは、芒(のぎ)のことです。

芒(のぎ)とは,辞書によれば、稲や麦など、イネ科植物の実の外殻にある針のような毛ということですが、そこから、稲や麦などの、芒(のぎ)を持つ植物を指すようになりました。

イネやムギと考えればいいのだと思います。

「種(种)」(zhong4/ジョン)とは、種をまく、という動詞です。

これを三声で「種(种)」(zhong3/ジョン)と読むと、種、という名詞になります。

ということで、芒種とは、イネやムギの種をまく時期!という意味です。

この時期に、イネは種をまくのか、苗を植えるのか、農業のことはよくわかりませんが、とにかく農作業をするぞ!という日になりました。

よって、種まきに忙しい!ということで「忙種」とも言われます。

こちらの方が、わかりやすいかもしれません。

なお「忙」(mang2/マン)という字は「心」を表すりっしんべんと、無いという意味の「亡」から成ります。

これで、落ち着いた心がない!ということから、忙しい!という意味になったのだそうです。

一つ前の節気は「小満(小)」(xiao3 man3/シャオマン)でした。

よって「大満」であれば、わかりやすく、覚えやすかったのですが、芒種では、ちょっと何じゃコリア?です。

これは、昔の人は、欠けたところのない大満は、むしろ縁起がよろしくない!と考えたからだと言われています。

芒種の日から、次の節気である夏至の前日までの約15日間を、3つに分けたのが、芒種の三候です。

最初の5日間の初候は「螳螂生」(tang2 lang2 sheng1/タンランション)と言います。
日本語では、蟷螂生(とうろうしょうず)と読みます。

「螳螂」(tang2 lang2/タンラン)とは、カマキリのことです。

蟷螂が生まれ出る、ということで、この時期は、カマキリが生まれるときなのかもしれません。

日本でも、蟷螂生(とうろうしょうず)と言い、中国と同じです。

次の5日間の次候は「鶪始鳴(鶪始)」(ju2 shi3 ming2/ジュシミン)です。
日本語では、鶪始鳴(もずはじめてなく)と読みます。

「鶪」(ju2/ジュ)とは「伯労鳥(伯劳鸟)」(bo2 lao2 niao3/ボラオニャオ)ともいい、モズを指すのだそうです。

この時期は、モズが鳴き始めるのかもしれません。

日本では、腐草為蛍(ふそうほたるとなる)と言われます。

そんなわけありませんが、腐った草が、ホタルになると考えたようです。

最後の5日間の末候は「反舌無声(反舌无声)」(fan3 she2 wu2 sheng1/ファンシャウション)です。

日本語では、反舌無声(はんぜつこえなし)と読みます。

「反舌」(fan3 she2/ファンシャ)とは、反舌鳥のことで、クロウタドリを指すようです。

よく知りませんが、他のトリが活動的になるのに対し、クロウタドリは、声が出なくなるのだそうです。

なお「反舌無声(反舌无声)」(fan3 she2 wu2 sheng1/ファンシャウション)で、言葉に窮する、という意味になります。

日本では、梅子黄(うめのみきなり)と言い、梅の実が黄ばんで熟すことを指しました。

日本では、クロウタドリがいなかったので、ちょっとアレンジしたのかもしれません。

二十四節気には、大抵、この日には何かを食べるぞ!というのがあるのですが、芒種の日には、これ!というのは、あまり聞いたことがありません。

種まきなのか、田植えなのかはわかりませんが、これから始めるぞ!という時期であり、農作業をする人にとっては、それこそ大切な日です。

種まきが既に重大なイベントであり、この日に何を食べるかなんて、関係なかったのかもしれません。