本当に、バッハじゃないの?と思ってしまいました。

先日、10月12日、南京(nan2 jing1/ナンジン)の中山陵(zhong1 shan1 ling2/ジョンシャンリン)でのことです。

なお、日本語で読む場合は、中山陵(なかやまりょう)と読みます。

なぜなら、ここは、孫文()(sun1 wen2/スンウェン)のお墓だからです。

孫文は、よく、孫中山(中山)(sun1 zhong1 shan1/スンジョンシャン)と言われますが、これは、孫文の「孫」と、孫文が日本にいた頃に名乗っていた中山樵(なかやまきこり)の「中山」をあわせたあだ名です。

中山は、あくまでも日本の姓なのですから、日本語で読む場合は、中山(なかやま)と読まなければなりません。
孫中山(そんちゅうざん)ではなく、孫中山(そんなかやま)です。


中山は、どうして中山と言うのか?

で、この中山陵(なかやまりょう)に、手で持つ、小さい鯉のぼりの旗を掲げたガイドがいました。

鯉のぼりは、中国語では「鯉魚旗(鲤鱼)」(li3 yu2 qi2/リユチ)と言うようです。

で、これを見たある人が、何じゃコリア?と思ったのでしょう。

ガイドに向かって、ここをどこだと思っているの?と言って、問い詰める姿が映し出された動画が、中国で話題になりました。

しっかり動画が撮れているということは、誰かにお願いして撮ってもらったのでしょう。

恐らく、これから吠えるから、しっかり撮ってね!という感じだったのだと思います。

もっとも、どこだと思っているって、中山陵(なかやまりょう)です。

鯉のぼりと言えば、日本ですから、日本に由来のあるものを掲げるなんて、何じゃコリア?という理屈なのでしょう。

ただ、そんなこと言ったら、孫さんなんて、まさに日本と関係のある人です。
孫中山と言ったり、中山陵と言ったりするのも、ダメになります。

これだけの話ですが、本当に、バッハじゃないのと思ってしまいました。

もっとも、これに対しては、中国人でも、鯉のぼりはいいんじゃないの?という声が多かったようです。

そもそも、鯉のぼりは、鯉の滝のぼりという中国の伝説が起源になっています。

これを中国語では「鯉魚跳龍門(
鲤鱼龙门)」(li3 yu2 tiao4 long2 men2/リユティァオロンメン)と言います。

龍門山を飛び越えるというものですが、日本では、さすがに山は無理でしょう!ということで、もう少し現実的に、滝のぼりになったのかもしれません。

出世すること、地位が高くなることを指し、日本では、子供の出世を願い、端午の節句に鯉のぼりが掲げられたのでした。

もともとは、中国の伝説に起因するのだから、咎めることじゃない!という主張のようです。
もしかすると、批判した人は、中国の伝説を知らなかったのかもしれません。

それにしても、日本のものを見かければ、何でも、何じゃコリア?という姿勢は、ちょっとどうかと思います。

自分の文化に自信を持っていれば、別に何とも思わないでしょう。

こんなことを続けていると、どこかの国と一緒になってしまいます。

それはちょっと、中国らしくありません。
 

大連の「盛唐・小京都」は、大連市長が支持したプロジェクトでした