更年期障害をやわらげる
女性は40代半ばを過ぎると、頭痛、めまい、ほてり、イライラ、月経異常などさまざまな症状に悩まされるケースが多くみられます。更年期障害と呼ばれるものです。
更年期障害は、閉経を境にエストロゲンという女性ホルモンの分泌が激減するために起こります。
エストロゲンは、初潮を迎えてから閉経するまでのあいだ、女性の体を多方面から守る役割をしています。乳腺細胞の増殖促進や、卵巣の働きをコントロールするほか、動脈硬化の抑制、脂質代謝の調整、骨形成の促進などにも関わっています。
そのため、閉経によってエストロゲンの分泌が急激に減ると、一時的に心身のバランスが崩れます。これによって更年期の諸症状(不定愁訴)が引き起こされてくるのです。
心身のバランスを整える
高麗人参は、性腺刺激ホルモン(卵巣の機能を刺激するホルモン)によく似た作用があります。そのため、更年期の女性に生じやすい心身の不調を穏やかにする効果が期待できます。血圧の安定もその1つです。
更年期の女性は、血圧が急に高くなったり低くなったりと、激しく変動しがちです。実はこれはとても危険な状態で、脳出血などを起こすリスクが高まります。高麗人参の双方向調整作用は、そうした不安定な血圧の調整に有効に働きます。
また、更年期は、精神のバランスが崩れやすい時期でもあります。高麗人参は、前に述べたように精神の安定にも役立ちます。
生理不順、排卵障害などにも
さらに、年齢に関わらず、女性はもともとホルモンのバランスが崩れやすい状態にあります。特に精神的なストレスが原因で、ホルモンバランスを崩す女性が多くみられます。その結果、生理不順や不正出血、排卵障害、不妊症につながる場合もあります。
漢方では、女性の生理不順や不正出血などに対して、高麗人参を配合した「帰脾湯」がよく処方されます。高麗人参の働きで女性ホルモンのバランスを回復させようという考えからです。