事業仕分け関連で公務員宿舎の問題がテレビメディア中心に騒がれています。

都心の一等地に公務員専用の家族寮を建て、民間であれば数十万円の家賃がかかるような部屋に、わずか数万円で住むことができるということで、庶民の妬みを煽っています。



民間との家賃の差額が20万円とか40万円とか、そういったことが報道されると「公務員は恵まれてるよね」で終わってしまいます。都心に家賃3万円で住めると言えば、誰もがうらやむことは間違いありません。

しかし、それだけですべてわかったような気分になってはいけないでしょう。




国家公務員の給与は、民間に比べればかなり安い水準です。大学卒の30歳の年収は、三井物産で1000万円ですが、キャリア官僚は600万円に過ぎません。三井物産の社員よりも学生時代にパフォーマンスの高かった人達が高級官僚になっていることを踏まえれば、彼らの年収は500万円くらいの差額があると言ってもいいかもしれません。

とすると、官僚が宿舎の費用を月額40万円肩代わりしてもらったとしても、年額480万円であり、妥当な金額だと言えなくもないのです。

私は、それに使う費用をすべて、官僚に給料で払うべきだと思っています。つまり、10万円の家賃で30万円相当の部屋に住まわせるのであれば、宿舎の供給をやめて20万円の家賃補助を給料に上乗せすればいいのです。

そうすれば、公務員は自分の自由になるお金の中から、住宅に使うお金、レジャーに使うお金、子供の教育に使うお金を自由に割り振ります。

それが、官庁需要を減らして民間需要の拡大に貢献します。





公務員宿舎は官庁が発注者となって民間のゼネコンが受注します。受注者が談合をしていれば問題ですし、問題が無いようにするために無駄な予算が使われているかもしれません。

公務員が、一人一人手にした給与を民間に投じるのなら、どんなことに使おうと、どの企業を選ぼうと、何ら問題はありません。

しかも、「あの建物は公務員しか入れない」と周囲の人に言われたり、公務員宿舎内で「あの人はうちより出世が早い」と言われたりするなどといった、余計な軋轢も無くなります。

公務員宿舎の供給にかかる費用を公務員個人の所得にすれば、「プライベートでは給与が安いからバカにされるけど、仕事の面ではどんな大企業も頭を下げてくる」というような、歪なエリート意識を持たずに済みます。




何より、公務員宿舎の発注が無くなって、住みたい人が民間の不動産の需要者になるということが、経済に与える影響は少なくないと思います。宿舎に限らず、出張費やタクシーチケットの支給なども、官庁の支出にしないで個人のポケットマネーで払うようにすれば、節度が保てると思います。

公務員の私的な支出はなるべく個人の財布から出すようにする——そうすれば、官業癒着はかなり減らせるし、市場のパイが増えて公正な競争が増します。

また、公務員専用の宿舎を建てたとして、その入居率が悪くなった場合、使われない部屋の償却費はすべて税金の無駄遣いになります。公務員が個人で住居費を使って民間のマンションや分譲住宅に住むのなら、そうした効率性を考える必要はありません。




おそらく、いろんな現物支給を現金支給に代えた場合、民間に比べてあまりに厚遇だという批判も出てくるでしょう。その時こそ、給与は総額でどのくらいが適正か、きちんとした議論ができるだろうと思います。

公務員の待遇は細分化されているために、果たして恵まれているのかそうでないのか、議論が散乱してしまうのがいちばんの問題だと思います。そうしたものを現金支給に一本化した上で、安倍内閣のときによく理解されないまま感情論で流されてしまった「ホワイトカラーエグゼンプション」を中央官庁から実施していく、というアイデアもあっていいのではないかと思います。



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