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山崎元さんのコラム「子ども手当は、いったい何だったのか」の中で、1つだけ引っかかったので質問してみましたが、Twitterで立て続けにリプライすると読まされる方はいらいらするので(既にちょっとばかしやってしまいましたが)、こちらにまとめておこうと思います。
インフレ目標という政策の基本には時間整合性の議論があります。時間整合性とインフレ目標については「インフレ目標と時間整合性と日銀の責任」に書いたので、そちらをご覧ください。
参考:「インフレ目標」をめぐるネット議論の陥穽 (岩本康志)
従って、「インフレを5%まで容認する」という場合、これがインフレ目標だとすると、事前のルール設定を間違えた場合には後戻りできません。ハイパーインフレに陥ろうが、逆にデフレが加速しようが、決められたルールを逸脱できないからです。
仮にそうではなく、政策担当者(ここでは日銀)の裁量に委ねるのだとすると、「インフレ5%」とはどの時点でどれほどの金融引締めを行うのか、外からは見えないことになります。
おそらく、どの統計データを使うのかも明示されない。統計データで5%が観測されてから引締めるのか、数カ月先に5%が確実になったという予見で引き締めていいのか、わからない。その時点でどの程度の引き締めをするのかも予想がつかない。これでは、結局は政策担当者の主観に左右されるので、インフレ期待を形成するのは難しいでしょう。
そもそもインフレ目標が時間整合性の議論に基づくというのは、そういうことだと思っています。
しかし、山崎さんはコラムの中で以下のような記述をしているので、たぶん裁量政策を想定していると思います(太字は引用者)。
これをデフレ脱却のための財政政策である、というのは山崎さんも当然認めるところでしょうが、結局は政策担当者の手に委ねられてしまうので、これまでの古い財政政策の域を出ていないと思われます。
古い財政政策と比べて優れているのは、お金を使うターゲットに絞っていること、継続性があること、供給サイドではなく需要サイドに使い道を任せていること、くらいです。デフレ脱却の手法としては新しいものとは言えない気がします。
小泉以前の財政政策のように、一方からは「中途半端にやるから効果がない」と言われ、「効果がないことで財政を圧迫してどうする」という反論を受けます。運良く効果てきめんであればいいのですが、おそらく昔ながらの堂々巡りを繰り返すでしょう。
もちろん、山崎さんのコラムは子ども手当の政策効果と民主党の脱官僚について述べたものであり、その本旨の部分では大いに賛同します。ただ、デフレ脱却のための金融政策は効果を求めるほどリスクも高い、というあたりまえの前提を外さないでいただきたいということです。
デフレは不況の原因ではなく結果なのだから、不況の原因になっている構造を改革しなければ意味が無い、というのが私の持論ではありますけどね。


2011/08/24 14:42:45
一点を残して他はすべて私の思ってることと一緒>「子ども手当」は、いったい何だったのか|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン http://t.co/BppIkEv via @dol_editors
一点を残して他はすべて私の思ってることと一緒>「子ども手当」は、いったい何だったのか|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン http://t.co/BppIkEv via @dol_editors

2011/08/24 15:03:56
「子ども手当は、一体何だったのか」で「インフレが問題になったら金融引締め」とありますが、これではインフレ期待が形成されないのでは。また、問題になる頃には取り返しが付かないという指摘もあります。デフレ脱却の財政政策としては筋が通ってますけど @yamagen_jp
「子ども手当は、一体何だったのか」で「インフレが問題になったら金融引締め」とありますが、これではインフレ期待が形成されないのでは。また、問題になる頃には取り返しが付かないという指摘もあります。デフレ脱却の財政政策としては筋が通ってますけど @yamagen_jp

2011/08/24 17:05:57
確かに早い引き締め期待はデフレ脱却の障害です。5%程度までインフレ容認を明確化すれば、多少の効果はあるでしょう。RT @furusatochan 「子ども手当は、一体何だったのか」で「インフレが問題になったら金融引締め」とありますが、これではインフレ期待が形成されないのでは。
確かに早い引き締め期待はデフレ脱却の障害です。5%程度までインフレ容認を明確化すれば、多少の効果はあるでしょう。RT @furusatochan 「子ども手当は、一体何だったのか」で「インフレが問題になったら金融引締め」とありますが、これではインフレ期待が形成されないのでは。

2011/08/24 17:09:37
景気後退等のコストはありますが、金融引き締めでインフレは止まるはずです。「取り返しがつかない」という議論は情緒的でいいかげんに思えますが、いかがですか。QT @furusatochan また、(インフレが)問題になる頃には取り返しが付かないという指摘もあります。
景気後退等のコストはありますが、金融引き締めでインフレは止まるはずです。「取り返しがつかない」という議論は情緒的でいいかげんに思えますが、いかがですか。QT @furusatochan また、(インフレが)問題になる頃には取り返しが付かないという指摘もあります。
山崎元さんのコラム「子ども手当は、いったい何だったのか」の中で、1つだけ引っかかったので質問してみましたが、Twitterで立て続けにリプライすると読まされる方はいらいらするので(既にちょっとばかしやってしまいましたが)、こちらにまとめておこうと思います。
インフレ目標という政策の基本には時間整合性の議論があります。時間整合性とインフレ目標については「インフレ目標と時間整合性と日銀の責任」に書いたので、そちらをご覧ください。
参考:「インフレ目標」をめぐるネット議論の陥穽 (岩本康志)
従って、「インフレを5%まで容認する」という場合、これがインフレ目標だとすると、事前のルール設定を間違えた場合には後戻りできません。ハイパーインフレに陥ろうが、逆にデフレが加速しようが、決められたルールを逸脱できないからです。
仮にそうではなく、政策担当者(ここでは日銀)の裁量に委ねるのだとすると、「インフレ5%」とはどの時点でどれほどの金融引締めを行うのか、外からは見えないことになります。
おそらく、どの統計データを使うのかも明示されない。統計データで5%が観測されてから引締めるのか、数カ月先に5%が確実になったという予見で引き締めていいのか、わからない。その時点でどの程度の引き締めをするのかも予想がつかない。これでは、結局は政策担当者の主観に左右されるので、インフレ期待を形成するのは難しいでしょう。
そもそもインフレ目標が時間整合性の議論に基づくというのは、そういうことだと思っています。
しかし、山崎さんはコラムの中で以下のような記述をしているので、たぶん裁量政策を想定していると思います(太字は引用者)。
財政赤字の拡大を日銀がファイナンスし続けるとインフレになりかねないが、現在の問題はデフレなのだから、一定レベルのインフレ率になるまではそれでいいはずだ。
もちろん、将来、インフレが問題とされる状況が起これば、増税と金融引き締めを行うべきだ。財政事情によっては、子ども手当も減額すべき状況があるかも知れない。
もちろん、将来、インフレが問題とされる状況が起これば、増税と金融引き締めを行うべきだ。財政事情によっては、子ども手当も減額すべき状況があるかも知れない。
これをデフレ脱却のための財政政策である、というのは山崎さんも当然認めるところでしょうが、結局は政策担当者の手に委ねられてしまうので、これまでの古い財政政策の域を出ていないと思われます。
古い財政政策と比べて優れているのは、お金を使うターゲットに絞っていること、継続性があること、供給サイドではなく需要サイドに使い道を任せていること、くらいです。デフレ脱却の手法としては新しいものとは言えない気がします。
小泉以前の財政政策のように、一方からは「中途半端にやるから効果がない」と言われ、「効果がないことで財政を圧迫してどうする」という反論を受けます。運良く効果てきめんであればいいのですが、おそらく昔ながらの堂々巡りを繰り返すでしょう。
もちろん、山崎さんのコラムは子ども手当の政策効果と民主党の脱官僚について述べたものであり、その本旨の部分では大いに賛同します。ただ、デフレ脱却のための金融政策は効果を求めるほどリスクも高い、というあたりまえの前提を外さないでいただきたいということです。
デフレは不況の原因ではなく結果なのだから、不況の原因になっている構造を改革しなければ意味が無い、というのが私の持論ではありますけどね。
【追記】
このあとTwitterで少しやり取りさせて頂きました。以下を読んでいただければわかるように、山崎さんの主張は財政政策であることで意見が一致しました。
金融政策としての話は定義の問題にすぎないので、ここは我々の議論にとってあまり問題ではなさそうです。
山崎さんがおっしゃるのは子ども手当を通じたマネー供給の増大なので、民主党のマニフェストにあったように「歳出削減で財源を捻出」してしまうとマネー供給量は増えない。
よって、マニフェストの転換が必要な話ですが、デフレ脱却が喫緊の課題であるなら筋の通った政策でしょう。主義主張は違えども、論理的な意見交換ができたのはとても有意義でした。(し、何より楽しかったw)
素人ブロガーに真摯に付き合ってくださった山崎元さんに感謝します。
このあとTwitterで少しやり取りさせて頂きました。以下を読んでいただければわかるように、山崎さんの主張は財政政策であることで意見が一致しました。
金融政策としての話は定義の問題にすぎないので、ここは我々の議論にとってあまり問題ではなさそうです。
山崎さんがおっしゃるのは子ども手当を通じたマネー供給の増大なので、民主党のマニフェストにあったように「歳出削減で財源を捻出」してしまうとマネー供給量は増えない。
よって、マニフェストの転換が必要な話ですが、デフレ脱却が喫緊の課題であるなら筋の通った政策でしょう。主義主張は違えども、論理的な意見交換ができたのはとても有意義でした。(し、何より楽しかったw)
素人ブロガーに真摯に付き合ってくださった山崎元さんに感謝します。

2011/08/25 03:23:36
非伝統的金融政策の一策として「均等なバラマキ」はありではないかな。偏った資産購入や公共事業よりいい。QT @furusatochan 【Blog更新なう】誇りはどこにある : 山崎元氏( @yamagen_jp )のデフレ脱却論は古い財政政策ではないか bit.ly/r6nOIN
非伝統的金融政策の一策として「均等なバラマキ」はありではないかな。偏った資産購入や公共事業よりいい。QT @furusatochan 【Blog更新なう】誇りはどこにある : 山崎元氏( @yamagen_jp )のデフレ脱却論は古い財政政策ではないか bit.ly/r6nOIN

2011/08/25 07:46:16
@yamagen_jp それは財政政策として評価すべき(究極には財政破綻と景気浮揚のトレードオフ)で、非伝統的金融政策とおっしゃるなら時間整合的なインフレ目標になるのではないでしょうか。その場合は裁量を認めないのでハイパーインフレとのトレードオフになるのでは。
@yamagen_jp それは財政政策として評価すべき(究極には財政破綻と景気浮揚のトレードオフ)で、非伝統的金融政策とおっしゃるなら時間整合的なインフレ目標になるのではないでしょうか。その場合は裁量を認めないのでハイパーインフレとのトレードオフになるのでは。

2011/08/25 08:17:58
@yamagen_jp 失礼、整理しなおします。山崎さんの主張は政府が行う財政政策と、日銀が国債を保有する伝統的金融政策の組み合わせに過ぎず、非伝統的金融政策といわれる日銀によるリスク資産の買い増しではないので、公共事業ではないけれども減税と同じ財政政策ですね。
@yamagen_jp 失礼、整理しなおします。山崎さんの主張は政府が行う財政政策と、日銀が国債を保有する伝統的金融政策の組み合わせに過ぎず、非伝統的金融政策といわれる日銀によるリスク資産の買い増しではないので、公共事業ではないけれども減税と同じ財政政策ですね。

2011/08/25 13:18:21
確かに財政政策ですが、長国を買う金融緩和を併用。ゼロ金利下でのブタ積みでないマネー増加が主目的です。RT @furusatochan @yamagen_jp 失礼、整理しなおします。山崎さんの主張は政府が行う財政政策と、日銀が国債を保有する伝統的金融政策の組み合わせに過ぎず、
確かに財政政策ですが、長国を買う金融緩和を併用。ゼロ金利下でのブタ積みでないマネー増加が主目的です。RT @furusatochan @yamagen_jp 失礼、整理しなおします。山崎さんの主張は政府が行う財政政策と、日銀が国債を保有する伝統的金融政策の組み合わせに過ぎず、



ご確認下さい。
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