★下町外飯徒然草★:そば処　楓＠茨城県石岡市

2010年05月10日

そば処　楓＠茨城県石岡市

10-02-21訪問
（写真）十割蕎麦と小えびのかき揚げ　全景

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（写真）まいたけの天ぷら　全景

（写真）サービスのこんにゃく味噌田楽　全景

（写真）小えびのかき揚げのみ　全景

（写真）まいたけの天ぷら　拡大、小えびのかき揚げ　拡大、十割蕎麦　拡大

（写真）サービスのこんにゃく味噌田楽　拡大

好天に恵まれた土曜日、石岡市の山の中にある手打蕎麦屋の訪問を兼ねて、ドライブに出掛けた僕は、店の開店までの暫くの時間を石岡市街地にある、まち蔵　藍、で過した後、再び車を駆った。
市街地から目指す店までは、３０分弱といったところであろうか。

周囲を山で囲まれた小高い丘の上にある店に着くと、丁度、開店時間であった。
…のではあるが、未だ店は開いていない。
まあ、こんな事は個人店では当たり前。
ましてや、こんな所に時間通りにやって来る者があろうとは、店の方でも考えてもみない事であろう。

店が開くまで、周囲の素晴らしい景色を観ながら過す事にした。
１０分程過ぎた頃であろうか、１台の軽自動車が、店がある丘を登って来た。
店の前の空き地で車を止めていた僕の前に通り掛ると、慌てて店の駐車場に入って行く。
僕も、その後に続いて入って行った。

車から出て来たのは、初老の男性である。
手にした白いビニール袋からは、長葱が覗いている。
どうやら、薬味に使う長葱を買出しに行っていたらしい。
「お待たせしてすみません、今、開けますから。」と言い残すと、その男性は、アタフタと店の通用口に姿を消した。

少しすると、件の男性が店の入口を開け、暖簾を片手に姿を現した。
「お待たせしてすみませんでした。どうぞお入り下さい。」と、頭を下げ、暖簾を掛ける。
「いや、いいんですよ。素敵な景色を観ていましたから。」と、受けて、僕は店に入った。

広い窓から陽射しの射し込む店内は、実に明るい。
ホームページによると、２００３年に開業したという事だが、清潔に保たれ、真新しい店の様に見える。

テーブル席は全て窓際に並んでいるので、駐車場の見える入口寄りのテーブルに着く事にした。

席に着いた僕の所に、奥さんであろう、初老の女性がお茶を持って来てくれた。
「お待たせしてすみませんでした。どちらからおいでになったんですか？」
「東京の足立区です。ホームページを観て、素敵な所だなあと思ったので、遠出して来ました。」
「それは遠くから…ありがとうございます。」

奥さんが戻って少しすると、今度はご主人が現れた。
「何になさいます。」
僕は卓上の品書きの中から、三品を告げたのだった。

●十割そば　９４５円
●小エビのかき揚げ　３１５円
●まいたけの天ぷら　３１５円

やや緑がかった十割蕎麦は、常陸秋そば、である。
実に香り高く、弾力があり、腰も強い。
美味い蕎麦だった。

つゆは出汁の香りと味が強く、また、甘さ控え目で、スッキリとした美味いつゆ。
小エビのかき揚げは、サクサクと軽く、小海老の香ばしい味わいが実に美味い。
まいたけの天ぷらも軽い仕上がり。
味の良い舞茸で実に美味かった。

わざわざ開店時間に合わせて遠方から来た客に、ご主人は喜こんだ様である。
蕎麦を待つ間、「召し上がりませんか。」と、サービスに柚子味噌のこんにゃく田楽を出してくれた。
しかも２本も。
この田楽がまた大きい。
フルフルと柔らかいこんにゃく、たっぷり掛けられた甘目の柚子味噌、共に美味くてペロリと平らげる。

この、予想外の心遣いは実に嬉しかったのだが、嬉しい反面、３軒の蕎麦屋を廻るつもりなのに、最初からこれじゃあ…無理かな、と、心配になって来た。
蕎麦と天麩羅を食べ終えると、尚更、その心配が膨らんだ。

案の定、この日の蕎麦屋巡りは、２軒でお腹一杯になってしまったのだった。（苦笑）

しかし、気さくで温かい雰囲気のご夫婦の様子といい、風景の美しさといい、また訪れてみたい、そう思わせる店であった。

そば処　楓 ( / そば )
★★★★★5.0
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