不肖の徒然な日々

あちこち旅をしてまわっても、自分から逃げることはできない。

2012年05月

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 梁石日の原作は,8年前の研修中に読んだ。とにかく強烈な主人公・金俊平と家族にまつわる自伝的な小説で妙なリアリティにのめり込んだ記憶がある。

 それが映画化されたと聞き色めきだった。何といってもビートたけしがその強烈なパーソナリティを持つ主人公を演じ,散々に苦しめられ虐げられる妻が,不肖が19歳の春から愛してやまない鈴木京香が演じるというからだ。

 映画化されて暫くたって漸く映画を観たが,崔洋一監督作品だけあって「えげつなく」「肉体的」で「人間本性の深淵」を抉り取るような内容で,もう凄かったの一言に過ぎない。

 ストーリーは原作を読んで知っていたものの,あれを「映像化」するというのは,キャスティングと演出がなせる業だと,つくづく感心してしまった。

 俊平の愛人・清子を演じる中村優子という女優さんもすごい人で,日本の映画もまだまだ捨てられないと,邦画ファンとしては久しぶりの満足感を覚えた。

 万人に決して受け入れられるような映画ではないからこそ,「映画」というものの表現力,伝染力を感じて止まなかった。

今年も「誕生日」を迎えました。

36歳…いわゆる「アラフォー」の境地に達したわけですが,残念ながら未だに精神年齢は18のまま。

考えてみれば高校を卒業してもう18年が経とうとしている…。

高校3年の夏は,一日15時間くらい猛勉強していた。

あの頃のバイタリティが懐かしい。

今年はなんとかわが部署の雰囲気も良く,次々と難しい案件が飛び込んでくるが,かえってやる気が増している。
いい傾向なのか。

問題はプライベートである。休日は死んだように寝てばかり。
(そもそも深夜に映画ばかり見ているのが原因だが…)

本も買うばかりで一向に読む時間もなく,積み重なる「待機本」ばかり。

一日24時間では到底足りない生活状態が続いている。

フィジカルは酒の量はやや減りつつも,思春期のように夜更かししてばかり。

あぁ,何とか現状を打破したいのだけれども,どうしても一歩が踏み出せない。

ただの愚痴ですみません。これからもよろしくお願いします。親愛なる家族,友人の皆さん。

private ryan


新年度が始まって,はや2か月が経とうとしている。
今年の桜は,例年のように感傷的な気分を誘うことなく,やや感性が鈍り始めたのかなと思った。

通販レンタルのDMMから月額契約でDVDを借りるようになり,最近は専ら週末の深夜は映画漬けである。

本作は不肖が就職した年に公開され,今まで何度か観ようと思っていたのになかなか観られなかった作品であった。今回,ようやく借りることができてドキドキしながら観た。

映画の始まりは第二次世界大戦のヨーロッパ戦線における連合軍側の上陸作戦「ノルマンディ上陸作戦」から始まる。ドイツ軍の苛烈な機関銃攻撃と砲撃により,揚陸艦から海岸へとたどり着くや否や,アメリカ軍兵士は地獄を見る。

バタバタと倒れていく兵士たち,砲撃によって身体が四散する無残な光景。ノルマンディの海岸線は兵士たちの血で真っ赤に染まっていく。(心臓の弱い方はご注意)

そんななか,トム・ハンクス演じるレンジャー中隊は,戦力を失いながらもドイツ軍のトーチカを制圧して,突破口を開いた。

上陸作戦は多くの犠牲を払ったが,辛うじて成功した。あとはナチスに占領されたフランス本土での対決となる。

そんな中隊長に特命が下る。4人兄弟の兄3人が戦死した空挺部隊の末弟・ライアン二等兵を捜索し,救出するというミッションであった。3人の息子が戦死した上に,末息子まで失ったのでは残された母親が気の毒であるという米陸軍参謀総長の配慮であったが,その真の目的はよく解らない。

中隊長が精鋭を率いて,ドイツ軍が跋扈するフランス内陸部へとたどり着く。
途中で,ドイツ語・フランス語に堪能であるが,実戦経験はからっきしの伍長を連れていく。

理不尽で危険な指令を受けながら,不平不満を口にする部下たちを宥めながら,中隊長は必死にライアン二等兵捜索に当たる。中隊長の出自が部下たちの賭けの対象だったが,実は中隊長は高校教師だった。

ライアン二等兵役はマット・デイモンが演じている。自分を救うために,中隊が犠牲を払ったという理不尽を受け止められずにいたライアン二等兵は,戦線離脱を拒否する。それは,連合軍の重要な進撃路となる橋を防衛するという任務があったからだ。

中隊はその橋の防衛に加わることになり,死闘を繰り広げる。

戦争の理不尽さ,そのものをシビアに描き出したストーリーに戦慄を覚えた。
と同時に,極限状況で人間はどのようにものを考え,行動するのかという実証映像にも思えた。

単なる戦争ヒューマニズムを主題にしていないところがいいなと。

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