まず、4つの神経線維の作用について説明します。

脳卒中になられて、片麻痺を呈した方が、筋肉が固まり、腕が曲がり、膝や足は伸びたままの姿勢(ウェルニッケマン肢位)を見たことをある人も多いのではないかと思います。
今回、脳のどの部分が損傷を受けることで、そのような姿勢となってしまうのかについて紹介していきます。

脳にはいくつもの神経経路がありますが、本日は下記に4つだけ紹介します。

\岾棒埒駭について:
 名前の通り、中脳の赤核から脊髄に至る神経経路である。神経線維の大部分は、頚膨大(第4頚髄から第1胸髄にある紡錘形の膨らみ)の前角外側部に終止して上肢筋を支配する下位運動ニューロンとシナプスを形成し、胸髄以下には到達しない。また、前角の外側部に位置する下位運動ニューロンは遠位部の筋を支配している。
すなわち、赤核脊髄路は上肢遠位部の筋(特に屈筋群)に対して興奮性に作用する。

皮質赤核路について:
 名前の通り、大脳皮質(第6領野)から中脳の赤核に至る神経経路であり、赤核脊髄路に対して抑制性に作用する。

A按軅埒駭について:
 名前の通り、延髄にある前庭神経核から脊髄に至る神経経路である。脊髄の中で主に腰膨大(脊髄下部にある膨錘形をした膨らみ)の前角に終止して下肢筋を支配する下位運動ニューロンとシナプスと形成する。すなわち、前庭脊髄路は下肢筋、特に伸筋に対して興奮性に作用する。

と藜疏按輜について:
 名前の通り、大脳皮質(第6領野)から延髄の前庭神経核に至る神経経路であり、前庭脊髄路に対して抑制性に作用する。

もう一度、ウェルニッケマン肢位(手が曲がり、足が伸びている)を考えてみます。
手が曲がっているということは、上肢の曲がる筋力を支配する赤核脊髄路が優位に働いているということになると思います。ということは、
赤核脊髄路を抑制する作用のある皮質赤核路が損傷されることが手の曲がってしまう一番の要因であると思われます。つまり大脳皮質のarea6から赤核に至るまでのどこかの障害であると断定できると思います。

下肢については同様の考えで、皮質脊髄路の損傷により前庭脊髄路を抑制できなくなることで下肢が伸展位優位(伸びきったまま)の姿勢となります。つまり大脳皮質のarea6から延髄の前庭神経核に至るまでのどこかの障害であると断定できると思います。

例を挙げると内包出血などである。