モリコウスケ 公式ブログ

著書3冊『女性にキモチよく働いてもらうマネジメント術』『風俗的マーケティング』『デリヘルの経済学』(全て、こう書房)。精通している分野は、マンション管理、メンズエステ、性風俗。保有資格は、マンション管理士、管理業務主任者、宅建士、 英検準一級その他。今まで訪れた国は18カ国、直近はキューバ・ハバナ。ベイスターズファン

2017年06月

・フロントが管理員を見下す。管理員の仕事の大変さを知らない(想像できない)フロントが多い。

・その一方で、管理員がフロントをなめる。特に、若手や新人に対して

・頑固で偏屈で職人気質の管理員はプライドが高い。仕事は一生懸命なので、住民からは意外と評価が高い

・交代制の職場だと、管理員同士はたいてい仲が悪い

・管理員は人手不足で採用難。住み込みの高齢者管理員の中には軽度の認知症もいて、仕事に支障が出る
「マンション管理人」の人手不足がヤバすぎる

・会社から携帯を支給され、休日にも、管理員、理事長、居住者、工事業者、コールセンターから電話が入る。
ワークライフバランスとは対極的な職場環境なので、フロントは圧倒的に男性が多い。女性が参入しないため、求人は売り手市場。
休日でも会社携帯が鳴ると、電話をとらなくてはいけないため、オンとオフの切り替えができない。

・女性事務員はワークライフバランスが実現できる職場

・離職率が高い。20-30代で経験2年以上あれば、比較的容易く同業他社に転職できる。

・チームプレイよりも個人プレイで動く職場環境

・前任者が退職し、十分な引き継ぎがないまま担当が任される

・管理会社丸投げの理事会は、管理会社から管理費・修繕積立金を食い物にされる。
管理会社は工事で儲けるので、自社(管理会社の関連会社)見積だと、業者見積の25-30%以上が上乗せされて管理組合に請求される。

・メンタルがやられているフロントの目は死んだ魚のよう

・お客様志向でお客様の要求を何でも受けていれると、自分の首をしめることになる
真面目な人ほど残業に追われている。適度に力を抜くことと、要領の良さを見つけないと厳しい。

・コピー機とシュレッダーはフル稼働。

・自社の工事受注金額・件数・割合が人事評価項目の対象
営業マンはこの仕事に向いている

・中途採用は、元不動産業界関係者の割合が高い

・普段クレーム対応が多いからか優しい人が多い(クレームに対して、いちいちキレてしまうと仕事にならない)

・ストレスのたまる仕事のため、喫煙率が高い

・会計・法律・設備・コミュニケーション力・ファシリテーション能力など、本気でやると多岐に亘る知識・経験が求められる。が、そのわりには、給与水準は低い

・法曹関係者の理事は法律の文言にうるさく、元経理部長は会計の数字にうるさく、建設業関係者は工事内容と見積金額にうるさい。騒音トラブル、ペットトラブル、水漏れ、ゴミの分別トラブル、クレーマー、不良外国人、民泊、シェアハウス・・・
何と面倒臭く手間のかかる仕事なんだろう

・一人前になるまでには時間がかかる。

・研修はOJTが中心

・理事会・総会で議事録を作成するために、ボイスレコーダーは必須

・約10件ほどの管理組合の担当を任され、各理事会が、月に1回か2月に1回開かれるので、スケジュール管理がとても重要。手帳は常に携帯。

・60代でも現役フロントは多数いる

・総会では、集会所の机・椅子だし、後片付けなど、力仕事が必要になる。理事会で配る議案書の書類も重い。

・支店長・副支店長は、クレーム対応に追われる

・IT化が遅れており、大量の紙を消費している。高齢の理事が多くて、メールのやり取りができないと、郵送で行わざるをえない。

・住居店舗併用マンションの理事会運営は面倒臭い。飲食店(例えば、焼肉屋、ラーメン屋など)からの臭いで住民苦情が発生する

・立体駐車場は維持費に莫大なコストがかかる
植栽も同様
エントランスの滝(水景施設)も同様

・マンション管理士の資格を保有している組合員は、理屈を並べて口だけは達者。
マンション管理士で飯を食えているのはごくごくわずか

・世帯数が少ない高級マンションは、確実に修繕積立金が不足する。スケールメリットが働かないため

・「管理業務主任者」の資格がないとできない仕事が多く、理事長と管理業務主任者との日程調整が大変で、仕事にならない。

・巡回を多く入れて現場に足を運びたくても、社内の事務作業がとても多い。
女性事務員と仲良くならないと仕事が回らない

・ペット可マンションは、住民間で対立が生まれる

・中途採用は経験者優先(2-3年)

・賃貸の割合が増えると、住民の質や資産価値が低下する

・外国人や認知症の住民の割合が高まると、ゴミの分別が荒れてくる

・管理組合の理事は、理事長が圧倒的に大変

・出席人数の多い総会ほど荒れる。時間に余裕のある高齢者が主に出席する。耳が遠い人も多いので、大きな声で話さないと聞こえないと言われる。じいさんは頑固で偏屈な人が多い。過去の仕事自慢をする人も多い。「俺は大企業の元部長だった」「技術屋をなめるな」とか。

・理事のなり手がいない
防火管理者のなり手もいない(防火管理者を決めていないと消防法違反)
都内の高層マンション 約8割で消防法違反指摘

・理事会でおばちゃんの理事の割合が高まると、井戸端会議が始まり、ダラダラした無駄話の多い理事会になる。



【モリコウスケ書評】
著者自身が経験した実話に基づいた小説なので、ノンフィクションといってもよいです。
以下のとおり、少なくとも以下の裁判については事実そのままであり、
小説の中に描かれた、管理会社や理事の不正もおそらくあったのでしょう。

(2013年2月28日読売新聞より)
登記情報の暴露はプライバシーの侵害 管理会社東急コミュニティーへ賠償命令
マンション管理会社の社員が居宅の登記情報の内容を他の住民に知らせたのはプライバシー侵害だなどとして、
東京都内の男性(59)が東証1部上場の「東急コミュティー」(東京)と社員に損害賠償を求めた訴訟で、
東京地裁(志田原信三裁判官)は27日、「不法行為に当たる」として同社側に10万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
判決によると、男性は都内にあるマンションの管理組合理事を務め、同社のマンション修繕計画に反対していた。
すると、社員は2009年2月、法務局のインターネット上のサービスで男性の居宅の登記情報を入手。
仮差し押さえが設定されていることを知り、マンションのロビーで男性に「差し押え問題を早く解決しな」
と発言したり、他の理事に配ったりした。
同社側は「登記情報は誰でも取得でき、プライバシー保護の対象にならない」と主張したが、
判決は「仮差し押さえは他人に知られたくない事実で、保護の対象になる」と指摘。
同社によるプライバシー侵害を認め、社員の発言は名誉毀損に当たるとした。

本書は、マンション管理に関わる人、特にこれから理事になろうとする人にとっては、多くの示唆を与えてくれます。

・理事の中でも理事長は圧倒的な権限と利権をもつ。
ゆえに、ふさわしくない人が選ばれてしまうと、管理費や修繕積立金が適正に使われずに、管理会社の食い物にされて、マンションという資産価値の低下を引き起こすリスクがある。

・「管理会社が悪」というよりは、同じ管理会社の中でも、担当者(フロント)や管理員によって、管理の質に大きな差が生まれる。
ゆえに、理事会と区分所有者が管理に対して高い意識をもつことが、管理会社になめられないことにつながる。

・管理会社をリプレイスして、削減したら組合が嬉しいのは「管理委託費」なのに、本書では「管理費」が800万から600万になったと書かれている。「委託経費」は組合からみたら支出だから削減してよいが、収入であるとことの「管理費」を削減したら破綻である。組合から見て、収入と支出の混同なのでこの間違いはよくない。



【モリコウスケ書評】

他のレビューでは厳しい評価のようですが、
おそらくとても賛否が分かれる本でしょう。

【批判派】
・「のべ5000人のキャストの相談を受けてきた」というが、キャストの生の声は本書では一切紹介されていない。
・「セカンドキャリア支援事業を行っている」というが、具体的な成功事例は本書では一切紹介されていない。あえて?
・GAPは、「相談者の女性をNPOや企業にインターンに行かせる」というが、どのようなNPOや企業に行かせているのか具体的には書かれていない。活動の透明性は?
・昨今ブーム? の「貧困×風俗嬢」「奨学金返済×女子大生風俗嬢」などの具体的事例は(あえて)一切紹介されていない。そういったエピソードを期待している読者にとっては肩透かしにあう。

私は、GAPの活動に対する賛同派です。
著者のような「ビジネス」「デザイン」という視点から問題解決しようとアプローチする点に特に賛同しています。

その一方で、読み物としては、新書に「エンターテインメント性」を求める昨今の読者にとっては、
上に挙げた【批判派】の声に代表されるように、決して、「面白い」本とはいえないでしょう。
(私は、あえてそうした本づくりにしたところに、著者らしさ、著者の姿勢があらわれていると感じましたが)

多くの人が非正規社員の世の中にあって(男性21%・女性57%)、
40歳を超えると厳しいのは、風俗嬢に限りません。
国が国民を支えきれないから、国が「新しい働き方」と称して、「副業」を推進する世の中になりました。
思うに、「風俗」というお仕事は、空いている時間で効率的に稼ぐための、「副業の一つ」ととらえるのがよいと思います。
風俗店にとっては、人材が全て(=利益の源泉)なので、本書でも紹介されているように、福利厚生にはかなり力を入れていますし、
キャストに気持ち良く働いてもらう職場環境を作らなければ、業界では生き残っていけなくなりました。
「売り手」である、キャストにとっては、良い意味での競争原理が働いています。ソフトサービスで働ける業種のお店も増えました。

ダブルワーク、効率の良い副業の一つとして、風俗店がその受け皿(選択肢)になれば、
これも国が推進する
「新しい働き方」
でしょう。
ようは、いかに個人として生産性を高めて収入を維持するか(アップさせるか)が、問われているのです。風俗嬢に限らず、全てのビジネスパーソンにとって。

しかし、みながみな、そんな器用な生き方や努力ができるわけではありません。
そこからもれてくるような女性にとっての、
話し相手、受け皿、居場所作り、行政など他の機関へのつなぎ役、として、
GAPのようなNPOは大事な役割を担っているのです。



【モリコウスケ書評】
〜新聞記者は世間知らずでつぶしがきかない職業〜

文章は読みやすく、内容も興味深く読めた。

新聞記者は高給取りで安定している反面、
業務多忙でワークライフバランス度が低いので、「世間知らず」になってしまう職業。
その一方で、エリート意識やプライドが高いので、「たちが悪い」人間も多い。

著者も、退職することで、以下の事実にようやく気付く。気付くのが遅すぎる。

「ブラック企業が跋扈している」と批判をしてきたマスコミと社員がブラック。
既得権に染まった人たちが、正業がうまくいっていないからといって、経費削減だからと外部の人間を使い捨てにするかのごとき金額で働かせる。
弱い他人を食い物にして自分さえ生き残ればいいのだと。

内側にいると、こんな現実さえ知らない。
そんな人が朝日新聞の社説を書いていたというのだから、呆れてしまう。

給料をもらい過ぎている、
新聞社は斜陽産業で未来は明るくない、
ことを敏感に察知し、退職を決断し、自分の人生のかじ取りをとったことには、共感するし、
今後も、こうした転退職が当たり前になればよいと思う。

勝間和代、ちきりん、メイロマ
に続くキャラクターとして活躍を期待したい。

このページのトップヘ