セックスレス亡国論 (朝日新書)
セックスレス亡国論 (朝日新書)
朝日新聞出版 2009-07-10
売り上げランキング : 19388

おすすめ平均 star
star女同士でモテ競争(80頁 恋愛至上主義の落とし穴 より)
star興味深い考察
star重要な指摘

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著者は明治大学教授(専門は19世紀フランス)。
アダルトビジネスに関わっている人は参考になるかも。
「オナニー」が一大ビジネスマーケットとして拡大し続けているのはその通り。

・90年代後半までは、男はモテるため、女とエッチするために、モテるための努力と投資(カッコいい車に乗る、カッコいいファッションをする、高級レストランに誘うなど)に励んでいた。

・00年代に入り、男は不景気で安定した収入が得られなくなると、そもそも経済コストをかけられなくなるのみならず、女を口説くためのエネルギーもわかなくなった(高い要求をする女にへりくだるのが面倒くさい、女とコミュニケーションをとるのが面倒くさい・苦手)。

・生身の女を相手にしなくても、オナニーのオカズはAVもインターネットもクォリティの高いものが容易に安価に入手できる時代になった。
男にとっては生身の女の面倒くささ(また、自分など相手にしてくれないだろうという開き直り・あきらめ)とヴァーチャルの女の手軽さを比較して、後者がはるかにコストパフォーマンスが高いと感じる。

・こうして「オナニー産業」は拡大の一途をたどり(一方で、不況にも強いと言われてきた、「風俗産業」はそもそも価格弾力性が大きく、あいにくオナニー草食系男子には敬遠されがちで今後はゆるやかに縮小か…)、将来不安が増大し、結婚にもさしたるメリットを見出せないと感じる若者が増加し(妻とのSEXよりオナニーを好む)、日本の少子化はますます加速する。


以下、本書より。

「今の男は、なによりも、女性とコミュニケーションをとるのが面倒くさいんですよ。つまり、「やらせていただく」ためのコミュニケーションがたまらなく面倒くさいものに映っているんですね。
ですから、この面倒くささを回避するにはどうしたらいいかということで、思考をめぐらせば、その一番簡単な解決法は、商品として「金で買える」映像を相手にするオナニーということになる。
こうして、「面倒くさいことはしたくない」が「金で解決」と結びついた瞬間に、21世紀的な、我々の身近にある大衆的な資本主義ができあがったのです」

「女性の性解放イデオロギーが浸透すると同時に、男のオナニー産業がどんどん発達してきたことです。この二つは両輪です。男の意識は、女を喜ばせるにはどうしたらいいかという方向へ行かないで、オナニーのオカズをどうやって揃えるかという方向に進んでいったのです」

「江戸時代の特徴は、独身者がとても多かったことです。江戸は独身都市だったのです。大量の独身者のために、考案されたのが浮世絵です。浮世絵は、日本で最初のオナニー産業だったのです。性教育的な面もあって、各家庭では、娘が結婚するときに浮世絵を渡して、性生活の知恵を授けました」