【モリコウスケ書評】

第三章までの、
カテゴライズ、プロフィリングの分析は秀逸。

ただし、文末に
「〜の方法は、○章以降に記述しております」
の記述がやたらと多いのが気になる。

第四章以下には、
恋愛障害に対する、処方箋、エクササイズが記述されるが、
例えば、
ナラティブ・セラピー(物語療法)という精神療法や、心理療法でも使われるロールレタリングが紹介される。

さて、ここで疑問。
トイアンナ氏は、カウンセラーでも臨床心理士でもない(と思われる)。
四章以降の記述は、
自らが恋愛障害に陥って、それを克服した方法に基づくものなのか、
あるいは、
本人が、恋愛障害の人に対してアドバイスし、恋愛障害を克服できた事例に基づいてまとめたものなのかが、
はっきりしない。

自尊心を育てるエクササイズの中に、
「親の期待を小さく裏切る」
とあるが、内容は同意するのだが、これも自らの経験から述べているのか、恋愛障害の人が克服できた事例から述べているのかが不明。

本質をついていて、同意できるな内容が多いだけに、
ライターが、精神療法や心理療法の世界に深くふみこみ、恋愛障害で悩んでいる人に対峙しているとしたら、
リスクもあるのではと感じてしまった。杞憂であることを望みたいが。

最後に、本書より。
「脱・恋愛障害」の条件とは、
パートナーがいなくても「一人で過ごせる人」であることが、幸せになる恋愛ができる人の条件。
「寂しさを埋めるために苦しい恋をするくらいなら、一人でも幸せでいられる」
とのこと。
(ただし、そうなると、数年単位で彼氏・彼女がいないことも珍しくなくなる)

恋愛や恋愛相手に依存せず、自立することが大切。自立した人同士の対等な恋愛が理想ですね。