2008年03月30日
デジタルで星の軌跡 その2
さて、比較(明)で合成して仕上げる、デジタルで撮る星の軌跡、前回のエントリでは、どうやって撮影しているのかまでご紹介しました。
今回はその後、どうやって画像処理しているかをご紹介します。

前回のエントリと同様、やはりここにご紹介する方法が最も効率的ではないと思います。
こうした方が良いよ!などなど、お気付きになった点がありましたら、ぜひコメントをお願いします。
今回はその後、どうやって画像処理しているかをご紹介します。

前回のエントリと同様、やはりここにご紹介する方法が最も効率的ではないと思います。
こうした方が良いよ!などなど、お気付きになった点がありましたら、ぜひコメントをお願いします。
さて、僕は画像処理にはPhotoShopCS3を使っていますので、CS3での場合を書きます。
他のソフトでも同じようなことを出来るかもしれませんが、使ったことがないので説明することが出来ません、ご了承ください。
まず比較(明)という合成方法は、どういうものなのかというところから。
これはもう比較(明)という言葉の通り、2枚の画像を1ピクセルづつ比較して明るい方のデータを残し、1枚に合成して仕上げると言う合成方法です。

2枚の画像を開いて、イメージ>画像操作で合成のためのウィンドウが現れますので、ここでもう一枚の画像を選んで、比較(明)を選択し、OKをクリックすると、比較(明)の合成が出来ます。
しかし実際に撮影する枚数は100枚を超え、光害の酷いところなら何千枚と撮るようなことにもなりかねません。そんな膨大な枚数を1枚1枚処理していくのはとても大変です。
そこでStarTrails Actionという、その一連の作業を自動でやってくれる便利なツールがありますので利用しない手はありません。

先に撮影した画像と同じサイズの真っ黒な画像を1枚作り、StarTrails Actionとバッチ処理を組み合わせて使用することで指定したフォルダにある画像を全て比較(明)で合成してくれます。
OKをクリックしたら後は待つだけです。
さて、そうして出来上がった画像。

う〜ん、しかし何やら赤いライトがうるさくて汚い。
それに飛行機の軌跡も写っています。
それなら邪魔なものは消してしまえ!・・ということで、合成する前の元の画像を全てチェックして、ブラシツールやスポット修正ツールを使って、風景も飛行機の軌跡もピクセルノイズも、抱いたイメージの中に不必要なものは全て消してしまいます。
方法はこちらに詳しく書き記していますのでご覧ください。
えー、でもこういうのは邪道だとかお思いの方もいらっしゃることでしょう。
しかしデジタルでの天体写真は画像処理するのが前提で撮影しています。
人工衛星が邪魔だから、ノイズが目立つから、ガイドエラーが出たから、加算平均で薄くしてしまったり、人工衛星の写っているカットや流れている画像は省いてしまう・・直焦点撮影では当たり前にやっていること、これも結局同じことだと思います。
デジタルで綺麗に仕上げるには、画像処理はなくてはならない過程なのです。面倒でもやれることは可能な限りやっておく。それが美しい仕上がりへの近道でしょう、そう思いませんか?
思わない方はしなければ良いのです。
しかし僕はそう思うので面倒でも必ずやっています。
さて、そうして処理した画像です。

撮った画像は全てチェックを入れました。
この後、さっきのStarTrails Actionとバッチ処理を使って、自動で合成していきます。
そうして出来上がった画像にはまだ少し気になる明るい部分が残っています。
そういうときには、撮影した中で特に良く写っているカットを取り出し、この画像の風景の部分を合成後の画像にレイヤーで貼り付けてしまうのも手です。
風景の部分を選択してコピー。

境界はぼかしを入れておきます。そのほうが自然な仕上がりを期待できます。
合成後の画像に貼り付け。

位置がずれないように注意。
重なったらレイヤーの不透明度を調整して、イメージに近い仕上がりにします。

自然に重なりました。
さ、これで出来上がり!
・・とはなりません。
このままでは風景は綺麗でも星の軌跡は途切れたままです。
その星の軌跡の途切れを目立たなくしてみます。
具体的に言うと、星空だけを選択してコピー&ペーストしたレイヤーを複製して必要枚数重ね、少しずらして軌跡の途切れが目立たなくなるようにするのです。
星空の部分を投げ輪ツールなどで選択し、境界をぼかしておきます。

そしてコピーをレイヤーに貼り付け、それを数枚複製します。
比較(明)を選択して各レイヤー少しづつ位置をずらし、星の軌跡が途切れなくなるまでレイヤーの枚数を増やして調整します。

これでレイヤーを統合して出来上がりです。
無修正の軌跡

途切れが明らかです。
修正後の軌跡

かなり目立たなくなりました。
完成画像。

仕上がりは僕が撮影時に描いたイメージに限りなく近くなっています。
無修正で合成した画像と比較してみてください。

手間はかかってもやる価値はあるように思いませんか?
エントリ冒頭でも申し上げましたが、前回のエントリと同様、やはりここにご紹介する方法が最も効率的ではないと思います。
こうした方が良いよ!などなど、お気付きになった点がありましたら、ぜひコメントをお願いします。
■追記
ここに書いた方法は最新の方法ではありません。
方法は日々進化・改善し、都度エントリしていきますので、天体写真や画像処理のカテゴリをチェックしてみてくださいね。
トラックバックピープル 天体写真
他のソフトでも同じようなことを出来るかもしれませんが、使ったことがないので説明することが出来ません、ご了承ください。
まず比較(明)という合成方法は、どういうものなのかというところから。
これはもう比較(明)という言葉の通り、2枚の画像を1ピクセルづつ比較して明るい方のデータを残し、1枚に合成して仕上げると言う合成方法です。

2枚の画像を開いて、イメージ>画像操作で合成のためのウィンドウが現れますので、ここでもう一枚の画像を選んで、比較(明)を選択し、OKをクリックすると、比較(明)の合成が出来ます。
しかし実際に撮影する枚数は100枚を超え、光害の酷いところなら何千枚と撮るようなことにもなりかねません。そんな膨大な枚数を1枚1枚処理していくのはとても大変です。
そこでStarTrails Actionという、その一連の作業を自動でやってくれる便利なツールがありますので利用しない手はありません。

先に撮影した画像と同じサイズの真っ黒な画像を1枚作り、StarTrails Actionとバッチ処理を組み合わせて使用することで指定したフォルダにある画像を全て比較(明)で合成してくれます。
OKをクリックしたら後は待つだけです。
さて、そうして出来上がった画像。

う〜ん、しかし何やら赤いライトがうるさくて汚い。
それに飛行機の軌跡も写っています。
それなら邪魔なものは消してしまえ!・・ということで、合成する前の元の画像を全てチェックして、ブラシツールやスポット修正ツールを使って、風景も飛行機の軌跡もピクセルノイズも、抱いたイメージの中に不必要なものは全て消してしまいます。
方法はこちらに詳しく書き記していますのでご覧ください。
えー、でもこういうのは邪道だとかお思いの方もいらっしゃることでしょう。
しかしデジタルでの天体写真は画像処理するのが前提で撮影しています。
人工衛星が邪魔だから、ノイズが目立つから、ガイドエラーが出たから、加算平均で薄くしてしまったり、人工衛星の写っているカットや流れている画像は省いてしまう・・直焦点撮影では当たり前にやっていること、これも結局同じことだと思います。
デジタルで綺麗に仕上げるには、画像処理はなくてはならない過程なのです。面倒でもやれることは可能な限りやっておく。それが美しい仕上がりへの近道でしょう、そう思いませんか?
思わない方はしなければ良いのです。
しかし僕はそう思うので面倒でも必ずやっています。
さて、そうして処理した画像です。

撮った画像は全てチェックを入れました。
この後、さっきのStarTrails Actionとバッチ処理を使って、自動で合成していきます。
そうして出来上がった画像にはまだ少し気になる明るい部分が残っています。
そういうときには、撮影した中で特に良く写っているカットを取り出し、この画像の風景の部分を合成後の画像にレイヤーで貼り付けてしまうのも手です。
風景の部分を選択してコピー。

境界はぼかしを入れておきます。そのほうが自然な仕上がりを期待できます。
合成後の画像に貼り付け。

位置がずれないように注意。
重なったらレイヤーの不透明度を調整して、イメージに近い仕上がりにします。

自然に重なりました。
さ、これで出来上がり!
・・とはなりません。
このままでは風景は綺麗でも星の軌跡は途切れたままです。
その星の軌跡の途切れを目立たなくしてみます。
具体的に言うと、星空だけを選択してコピー&ペーストしたレイヤーを複製して必要枚数重ね、少しずらして軌跡の途切れが目立たなくなるようにするのです。
星空の部分を投げ輪ツールなどで選択し、境界をぼかしておきます。

そしてコピーをレイヤーに貼り付け、それを数枚複製します。
比較(明)を選択して各レイヤー少しづつ位置をずらし、星の軌跡が途切れなくなるまでレイヤーの枚数を増やして調整します。

これでレイヤーを統合して出来上がりです。
無修正の軌跡

途切れが明らかです。
修正後の軌跡

かなり目立たなくなりました。
完成画像。

仕上がりは僕が撮影時に描いたイメージに限りなく近くなっています。
無修正で合成した画像と比較してみてください。

手間はかかってもやる価値はあるように思いませんか?
エントリ冒頭でも申し上げましたが、前回のエントリと同様、やはりここにご紹介する方法が最も効率的ではないと思います。
こうした方が良いよ!などなど、お気付きになった点がありましたら、ぜひコメントをお願いします。
■追記
ここに書いた方法は最新の方法ではありません。
方法は日々進化・改善し、都度エントリしていきますので、天体写真や画像処理のカテゴリをチェックしてみてくださいね。
トラックバックピープル 天体写真

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1. 比較(明)合成による擬似流し撮り [ 信州5号 ] 2008年04月04日 14:15
ちょっと前からフォトショップの比較(明)処理を使った流し撮りを、天文誌やブログ
この記事へのコメント
なるほど、そういうふうに処理されているのですねぇ。私もとうとうそういう写真が撮れそうなカメラをGETしましたので、そのうち・・・・PCも買い換えんと無理かなあ。
Posted by かい 2008年04月02日 01:25
ご無沙汰しています。
おお、X2をさっそくですか、おめでとうございます!
PCも欲しいところですが、マウントが変わるとやはりレンズも揃えたくなりますね〜。がんばってください♪
おお、X2をさっそくですか、おめでとうございます!
PCも欲しいところですが、マウントが変わるとやはりレンズも揃えたくなりますね〜。がんばってください♪
Posted by Fuuma-mfuk 2008年04月04日 00:49
わかりやすい解説、ありがとうございました。
おかげで、やってみる勇気がわきました。
まだまだ稚拙な作品ですが、第一歩を歩みだすことが出来ました。
おかげで、やってみる勇気がわきました。
まだまだ稚拙な作品ですが、第一歩を歩みだすことが出来ました。
Posted by 豚磨 2008年04月04日 14:17
>豚磨さん
さっそくやってみたんですね。
バッチ処理しないととても面倒な作業ですが、ノイズの少ない星の軌跡の写真に仕上げるには覚えておくべき方法ですね。
さっそくやってみたんですね。
バッチ処理しないととても面倒な作業ですが、ノイズの少ない星の軌跡の写真に仕上げるには覚えておくべき方法ですね。
Posted by Fuuma-mfuk 2008年04月06日 22:27