有給休暇を強制的に取得させる制度として職場一斉休暇という仕組みが導入された。予定の無い人には申し訳ないが、これは私にとっては本当に都合のよい制度。今回は3連休前の金曜日にこの日が指定されたので、小躍りしながら山行計画を立てて高速バスを予約した。
ところがである。発生した台風は朝鮮半島ではなく、日本に方向を変えて向かってくるというではないか。天気予報を見ても土曜日16日は降水確率90%。雨の中わざわざ濡れに行くような登山はしたくない。山域はいまだ行ったことの無かった南八ケ岳に決めていたが、日程を短縮せざるをえないため、工程を短くした。
計画は、大阪を22時発の夜行バスに乗り、朝7時にタクシーで美濃戸口に入り、行者小屋でキャンプ設営、その後、赤岳を登頂し、翌日の朝下山、16時茅野発の高速バスに乗り、大阪に22時に着くというもの。なかなかの強行軍である。
14日は夕方まで仕事がバタついたが、無事定時に退社し、21時前に自宅を出て阪急三番街のバスターミナルの待合室に入る。平日だからか、登山客もまばら。21時台に松本や富山に行く夜行バスが出ているようで、あ、八ケ岳にいくのかなと思った人はみなそちらのバスに吸いこまれていった。高速バスはさわやか信州号とは異なり、4列シート。私は窓側の席だったが、通路側に遮光カーテンがあるはずもなく、てっきり高速バスはみんなさわやか信州号と同じだと思い込んでいた見込みの甘さに愕然とする(笑)そう、私の計画は夜行バスでばっちり睡眠がとれることを前提にしていた計画だったからだ。
結局のところ、寝たのか、寝ていないのかわからない曖昧な感覚のまま、翌日を迎える。外は快晴のようで、諏訪を過ぎてから八ケ岳が綺麗に見える。
茅野駅に到着し、さてタクシー乗り場はどこかなと探そうと思っていると突然携帯が鳴る。Jアラートだ。なんとまたあの北朝鮮がミサイルをぶっぱなしたようだ。やれやれ。割り勘できる人はいないかなと周りを見回してみたが、いかにも北八ケ岳にいきますという雰囲気の2人組と、怖い顔してJRのほうに移動していったお姉さんの3人しかみかけなかったので、仕方無く一人でタクシーに乗る。タクシーからは八ケ岳はもちろん、甲斐駒ケ岳や鋸岳が綺麗に見える。麓から見ると阿弥陀岳が一番秀麗だ。タクシーの運転手さんもお気に入りの山だという。美濃戸口までは5000円の料金だった。
八ケ岳といえば東京からもアクセスがよく、自分のイメージでは上高地のようにメジャーでかなり垢ぬけたイメージをずっと持っていた。しかし、美濃戸の登山口はいい意味でそれを裏切ってくれた。昭和の雰囲気ただよう山小屋がちょこんとあるだけ(笑)
ここから林道を1時間、さらに沢筋を2時間あるくとまずはキャンプ予定地の行者小屋にたどり着く。登山者は平日&台風の前日だからか、ほんとうにまばらだ。静かな山旅が期待できそうだ。さっそく登山カードを記入し、出発をする。左の道を歩いていくが、この林道...ナメてましたよ。
ちょうどキャンプ場までの歩行時間が3時間だったので、まあ上高地と同じくらいだろうなと完全にナメていた。八ケ岳って私の中では上高地くらいメジャーでしたので。しかし、この林道、結構な登り道。先行者を一人発見したが、小屋どまりの荷物のようで追いつけなかった(笑)
どうやらこの林道は公道ではないらしい。この奥にある山荘に泊まる人は車での乗り入れが許可されているようだ。その山荘たちを横にみながら進むと、目の前に阿弥陀岳がどーんとそびえたつ。昭和から変わらない雰囲気の山小屋が好きな人にはよいけど、自分は1時間のアプローチのためにここに泊まりたいとは思わないなというが正直な感想。
美濃戸山荘前で水を飲み、休憩。今回は南沢を目指すが、あとで調べると北沢のほうが楽だった模様。ここからは2時間のコース。どうせ沢筋を歩くんだろうとあまり地図を見ずに気楽に歩き始めた。
最初はコケむした道をゆるりゆるりと歩くので楽勝楽勝と思っていたが、途中から沢から離れ尾根に上がっていく道に行くにつれて、あれ?ちょっとやばいな、かなり消耗しているぞ、俺の足、と気づく。いつもはサポートタイツをはいて歩くが、この日ははいてなかったのだ。これはいかんと歩きだしてから2時間を経過してからサポートタイツをはく。しかし、すでにかなり消耗していた。こんなことで赤岳に今日中に行けるのだろうか、不安がよぎる。
そんな不安を払拭するかのように広い河原に出ると大同心と小同心が迎えてくれる。おおお!きたああ!晴れれいる!心の中でやっほーい!!!と叫ぶ。まあ、ここからがまだ長いんだけどね。
すこし気分も楽になったので、道の周りをコケを鑑賞しながら歩く。
コケ鑑賞ツアーでもいいんじゃないかなと心の中で悪魔がささやく。そうだ、着いてテントを張ってラーメン食べて昼寝してもいいじゃないかと。着いてから考えようと決め、ささやきと決別したころ、見えてきたのは本日歩く予定の稜線。げげげ!こんなに高低差あるの((;´・ω・) 地図をじっくりみると高低差350M。阿倍野ハルカスを下から歩くみたいなものか。
本日の目的地の赤岳もどっかーん!と見える。
テントを設営してから考えようと再び決意し、歩くと行者小屋の裏手に出る。
奥のおじさんは行者ラーメンを食べていた。おれも下山したらたべるぞーと決意。右に写っているお兄さんが先週白山に行ったとのこと。今日は赤岳展望荘に泊まり、明日の朝ご来光を拝む予定とおっしゃっていた。とりあえずテントを張ったあと、休まずこの小屋の前まで来た。地図をにらめっこし、地蔵尾根を登ることにした。
こんなに天気がいいのに、まだ11時なのに、登らない言い訳を探す作業に費やすにはもったいない。
それにしても登山者が少ない。平日の山はやっぱりいいね。
ところがである。発生した台風は朝鮮半島ではなく、日本に方向を変えて向かってくるというではないか。天気予報を見ても土曜日16日は降水確率90%。雨の中わざわざ濡れに行くような登山はしたくない。山域はいまだ行ったことの無かった南八ケ岳に決めていたが、日程を短縮せざるをえないため、工程を短くした。
計画は、大阪を22時発の夜行バスに乗り、朝7時にタクシーで美濃戸口に入り、行者小屋でキャンプ設営、その後、赤岳を登頂し、翌日の朝下山、16時茅野発の高速バスに乗り、大阪に22時に着くというもの。なかなかの強行軍である。
14日は夕方まで仕事がバタついたが、無事定時に退社し、21時前に自宅を出て阪急三番街のバスターミナルの待合室に入る。平日だからか、登山客もまばら。21時台に松本や富山に行く夜行バスが出ているようで、あ、八ケ岳にいくのかなと思った人はみなそちらのバスに吸いこまれていった。高速バスはさわやか信州号とは異なり、4列シート。私は窓側の席だったが、通路側に遮光カーテンがあるはずもなく、てっきり高速バスはみんなさわやか信州号と同じだと思い込んでいた見込みの甘さに愕然とする(笑)そう、私の計画は夜行バスでばっちり睡眠がとれることを前提にしていた計画だったからだ。
結局のところ、寝たのか、寝ていないのかわからない曖昧な感覚のまま、翌日を迎える。外は快晴のようで、諏訪を過ぎてから八ケ岳が綺麗に見える。
茅野駅に到着し、さてタクシー乗り場はどこかなと探そうと思っていると突然携帯が鳴る。Jアラートだ。なんとまたあの北朝鮮がミサイルをぶっぱなしたようだ。やれやれ。割り勘できる人はいないかなと周りを見回してみたが、いかにも北八ケ岳にいきますという雰囲気の2人組と、怖い顔してJRのほうに移動していったお姉さんの3人しかみかけなかったので、仕方無く一人でタクシーに乗る。タクシーからは八ケ岳はもちろん、甲斐駒ケ岳や鋸岳が綺麗に見える。麓から見ると阿弥陀岳が一番秀麗だ。タクシーの運転手さんもお気に入りの山だという。美濃戸口までは5000円の料金だった。
八ケ岳といえば東京からもアクセスがよく、自分のイメージでは上高地のようにメジャーでかなり垢ぬけたイメージをずっと持っていた。しかし、美濃戸の登山口はいい意味でそれを裏切ってくれた。昭和の雰囲気ただよう山小屋がちょこんとあるだけ(笑)
ここから林道を1時間、さらに沢筋を2時間あるくとまずはキャンプ予定地の行者小屋にたどり着く。登山者は平日&台風の前日だからか、ほんとうにまばらだ。静かな山旅が期待できそうだ。さっそく登山カードを記入し、出発をする。左の道を歩いていくが、この林道...ナメてましたよ。
ちょうどキャンプ場までの歩行時間が3時間だったので、まあ上高地と同じくらいだろうなと完全にナメていた。八ケ岳って私の中では上高地くらいメジャーでしたので。しかし、この林道、結構な登り道。先行者を一人発見したが、小屋どまりの荷物のようで追いつけなかった(笑)
どうやらこの林道は公道ではないらしい。この奥にある山荘に泊まる人は車での乗り入れが許可されているようだ。その山荘たちを横にみながら進むと、目の前に阿弥陀岳がどーんとそびえたつ。昭和から変わらない雰囲気の山小屋が好きな人にはよいけど、自分は1時間のアプローチのためにここに泊まりたいとは思わないなというが正直な感想。
美濃戸山荘前で水を飲み、休憩。今回は南沢を目指すが、あとで調べると北沢のほうが楽だった模様。ここからは2時間のコース。どうせ沢筋を歩くんだろうとあまり地図を見ずに気楽に歩き始めた。
最初はコケむした道をゆるりゆるりと歩くので楽勝楽勝と思っていたが、途中から沢から離れ尾根に上がっていく道に行くにつれて、あれ?ちょっとやばいな、かなり消耗しているぞ、俺の足、と気づく。いつもはサポートタイツをはいて歩くが、この日ははいてなかったのだ。これはいかんと歩きだしてから2時間を経過してからサポートタイツをはく。しかし、すでにかなり消耗していた。こんなことで赤岳に今日中に行けるのだろうか、不安がよぎる。
そんな不安を払拭するかのように広い河原に出ると大同心と小同心が迎えてくれる。おおお!きたああ!晴れれいる!心の中でやっほーい!!!と叫ぶ。まあ、ここからがまだ長いんだけどね。
すこし気分も楽になったので、道の周りをコケを鑑賞しながら歩く。
コケ鑑賞ツアーでもいいんじゃないかなと心の中で悪魔がささやく。そうだ、着いてテントを張ってラーメン食べて昼寝してもいいじゃないかと。着いてから考えようと決め、ささやきと決別したころ、見えてきたのは本日歩く予定の稜線。げげげ!こんなに高低差あるの((;´・ω・) 地図をじっくりみると高低差350M。阿倍野ハルカスを下から歩くみたいなものか。
本日の目的地の赤岳もどっかーん!と見える。
テントを設営してから考えようと再び決意し、歩くと行者小屋の裏手に出る。
奥のおじさんは行者ラーメンを食べていた。おれも下山したらたべるぞーと決意。右に写っているお兄さんが先週白山に行ったとのこと。今日は赤岳展望荘に泊まり、明日の朝ご来光を拝む予定とおっしゃっていた。とりあえずテントを張ったあと、休まずこの小屋の前まで来た。地図をにらめっこし、地蔵尾根を登ることにした。
こんなに天気がいいのに、まだ11時なのに、登らない言い訳を探す作業に費やすにはもったいない。
それにしても登山者が少ない。平日の山はやっぱりいいね。
コメント
コメント一覧 (2)
夏の北アルプスに続いての赤岳登頂、良かったですね。
台風の直撃を受けなかったことが何よりで、画像からも緑の世界が綺麗に見えました。
さて、美濃戸口から南沢経由で行者小屋入りのルート。
何度もここは通っていますが、夏道はもう30年以上前に通ったきりで、記憶にありません。
「そっか、こうなっているんだ。へぇーそうなんだ。」ってな具合で見させていただきました。
実を言うと御緒巣鷹山での日航機墜落事故があったあの時以来、夏の八ヶ岳は登っていないんです。
ちょうど下山日の早朝に、オーレン小屋のテントの中で何機ものヘリコプターの音で目が覚めたことを覚えています。
でもあらためて見てしまうと、やっぱり気持ちが疼き、来年の夏には久々に南八ヶ岳縦走ってのもいいかもと・・・。
夏道ルート、たいへん参考になりました。