7月14日土曜日
今日は雲の平に向かう日だ。
朝3時ごろに目覚めたが二度寝してしまい、隣のテントの撤収する音で目が覚める。時計をみるとまさかの4時!ああ出遅れた!やきそば半分を食べてテントを撤収しサイトを出発したのが5時10分。太郎平までゆっくり歩きながら体調を整えた。ブヨが歩いているとどんどんたかってくるが、昔もこんなにいたのだろうか。ふと、左側を見ると槍が岳がどんと見えるのに気づく。あら?昨日は全く気づかった(;^ω^)


こんな道を太郎の小屋まで歩く。ブヨはもちろんたかってくる。これなんとかならんのかなあ。

この先に分岐がある。
室堂から上高地まで縦走したときはまっすぐ通ったが、記憶は全く無い。今回は左に折れて薬師沢に下るルートを取る。ここからはゆるやかに下っていくが、道は歩きやすい。

しっかり道が整備されており大変歩きやすい。
なるほどこの道に慣れていると余計に雲ノ平への直登の道がきつく感じるわけだ。

河童が出るという伝説のあるカベッケガ原に出た。
歩みと止めると本当に静かだ。ここが北アルプスの人気スポットとはとても思えないくらいの静けさ。完全に独占状態である。本当にこのルートで合っているのかとむしろ不安すら覚えるくらい人と会わない。

この草原をすぎて下るとすぐに発電機の音が聞こえてくる。下ったところにある小屋が薬師沢小屋だ。
これまで一度も横を通る機会すらなかった小屋だが、「町内の山」の池上さんから幾度となくお話しは伺っていた。大和景子さんも小屋で働いているとのことだったので、挨拶をしようとテラスに降りたらなんと昨日バスで一緒だった釣り師のIさんが川を眺めていた!Σ(・□・;)
小屋から大和さんも出てきてくれた。10年ぶりかな。看板を挟んで記念写真をIさんに撮ってもらった。今日は「雲」に上がると聞いたんですけど、70-80人くらい泊まるので宿泊してもらえればもれなく皿洗いがついてきますけど、どうですかあと誘惑されたが(笑)、今日は雲の平に行きますと丁重にお断りさせてもらった。
Iさんも昨日イワナを大量に釣ったようで、今日もこれから出かけるという。もう楽しくて仕方がないよという笑顔が印象に残る方だった。

薬師沢小屋の前にかかる橋を渡るとすぐに左側のはしごで川のへりに降りる。水が少ないので問題ないがなかなかスリリングな登山道だ。そして顔を上げると直登の看板がある。さあ、ここから約2時間の楽しい直登だ。

実は直登は好きだったりする。
ペースさえ守ればぐんぐん高度は稼げるし、苦手の下りはほぼ無い。事前に調べてみたところ、レポートのほとんどがこの道は歩きにくい、しんどいと書いてある。が、正直なところそれほどでもない。対岸に目をやると高度を稼いでいるのが分かる。なによりもトレッキングポールの使い方もわかってきたので、上りやすい。

木道末端まで2時間と書いてあったが、1時間少々で到達してしまった。
なんだ、もう終わりか、あとはこの木道をまったり歩けば雲の平だなと気が緩んだのが間違いだった。木道はすぐに終わるのだ。そして背の高いハイマツの中、視界の効かない歩行をしばらく強いられるのだ。アラスカ庭園までの道が実は一番しんどかった。視界が開けるという思いこみをもっていたのでこれはヤラレタ。

アラスカ庭園に出ると視界は開けるが、しかしハイマツの海を歩く箇所はまだまだたくさんある。周囲を見渡すとなるほど、かなり奥地に入ってきたことが実感できる。

遠方に剱岳が見えた。この三連休は多くの人が立山にも行っているだろうな。

明日登頂を目指す水晶岳もどーんと構えている。結構な勾配があるのでこれは大変だなと思いつつ今日の目的に足を進めることにする。


雲の平山荘が見えてきた。

雲の平山荘の中で昼メシ休憩をさせてもらうことにした。
山荘内はウッディな印象の素敵な小屋。小屋の中では親子と思われる登山者が休んでいたのですこし言葉を交わした。どうやら新穂高まで計画コースは同じようだ。
テントの受付をしてくれたお姉さんは私が住所を書いているのを見て「あ、〇〇市から来られたんですね。私、学生のとき、〇〇駅に住んでいたんですよ~」と言う。ん?その駅ならもしかして後輩かなと思ったが野暮なのでやめておいた。今年から山荘で働くことにしたとのことで、まだほやほやなんですと言っていた。赤いバンダナの似合うかわいらしい子だった。男性従業員はサム(安室の昔の旦那)やスズメの焼き鳥みたいな感じの兄さんだった。


カレーは1100円なり。疲れた体には大変おいしく感じました。
11時過ぎまで食堂でまったりしたので、ビールを買ってテントサイトに向かった。歩いて20分ほどだ。

テントへの道を歩きながら行程の半分まで来たことを振り返る。憧れだった雲の平をいま自分が歩いている。なんともいえぬ充実感。人間の意志の力には感動すら覚える。大げさだが、いまここに自分がいることがその証なのだ。

テントを張るとすぐに乾いたので、服も乾かすことにした。洗濯バサミをふたつ持参したがこれは便利アイテムなのでお勧めしたい。テントの中は暑いのでハイマツの影にシートを敷き、寝転がった。ビールも手伝ってうとうとしながら、雲ノ平で空に湧き上がる雲を眺めて過ごす贅沢な時間。

雲の平の水場は最高だ。冷たい雪解け水が無尽蔵に強い水量と共に流れてくる。

テントサイトを上から見る。
テントサイトは広いが、テントを張ることが出来るスペースは限られている。


ゆったりした時間が流れていく。ここは電波も入らない。まさに隔絶された世界だ。SNSの反応すら気にならない。つながらない時間が流れていく。こういう時間大事だと思う。いまは意図的にカットしないとこの「つながらない世界」は手に入らない。

昼に山荘でカレーを食べてしまったが、今晩もカレー。
今日はアルファー米とカレー2片を煮込んだカレー雑炊にコンビーフを加え、最後にハンバーグをトッピングするメニュー。ハンバーグは実は初日に食べる予定だったが、食欲不振で2日目に回したのだ。要冷蔵のマークがあるが、保冷バックに入れてきたし、匂いを嗅いでも大丈夫だった。他の製品も試してみようと思う。

嫁さんにはまずそうと言われたが、美味しかったぞ(^^)
山は連日の晴天で夕立もなく、19時すぎまで十分に明るい。夜は満点の星空。さあ、明日はいよいよロングコースだ。体力には自信もないが、明日は双六まで行かねばならない。早めの就寝をすることにしてシュラフに潜った。
今日は雲の平に向かう日だ。
朝3時ごろに目覚めたが二度寝してしまい、隣のテントの撤収する音で目が覚める。時計をみるとまさかの4時!ああ出遅れた!やきそば半分を食べてテントを撤収しサイトを出発したのが5時10分。太郎平までゆっくり歩きながら体調を整えた。ブヨが歩いているとどんどんたかってくるが、昔もこんなにいたのだろうか。ふと、左側を見ると槍が岳がどんと見えるのに気づく。あら?昨日は全く気づかった(;^ω^)


こんな道を太郎の小屋まで歩く。ブヨはもちろんたかってくる。これなんとかならんのかなあ。

この先に分岐がある。
室堂から上高地まで縦走したときはまっすぐ通ったが、記憶は全く無い。今回は左に折れて薬師沢に下るルートを取る。ここからはゆるやかに下っていくが、道は歩きやすい。

しっかり道が整備されており大変歩きやすい。
なるほどこの道に慣れていると余計に雲ノ平への直登の道がきつく感じるわけだ。

河童が出るという伝説のあるカベッケガ原に出た。
歩みと止めると本当に静かだ。ここが北アルプスの人気スポットとはとても思えないくらいの静けさ。完全に独占状態である。本当にこのルートで合っているのかとむしろ不安すら覚えるくらい人と会わない。

この草原をすぎて下るとすぐに発電機の音が聞こえてくる。下ったところにある小屋が薬師沢小屋だ。
これまで一度も横を通る機会すらなかった小屋だが、「町内の山」の池上さんから幾度となくお話しは伺っていた。大和景子さんも小屋で働いているとのことだったので、挨拶をしようとテラスに降りたらなんと昨日バスで一緒だった釣り師のIさんが川を眺めていた!Σ(・□・;)
小屋から大和さんも出てきてくれた。10年ぶりかな。看板を挟んで記念写真をIさんに撮ってもらった。今日は「雲」に上がると聞いたんですけど、70-80人くらい泊まるので宿泊してもらえればもれなく皿洗いがついてきますけど、どうですかあと誘惑されたが(笑)、今日は雲の平に行きますと丁重にお断りさせてもらった。
Iさんも昨日イワナを大量に釣ったようで、今日もこれから出かけるという。もう楽しくて仕方がないよという笑顔が印象に残る方だった。

薬師沢小屋の前にかかる橋を渡るとすぐに左側のはしごで川のへりに降りる。水が少ないので問題ないがなかなかスリリングな登山道だ。そして顔を上げると直登の看板がある。さあ、ここから約2時間の楽しい直登だ。

実は直登は好きだったりする。
ペースさえ守ればぐんぐん高度は稼げるし、苦手の下りはほぼ無い。事前に調べてみたところ、レポートのほとんどがこの道は歩きにくい、しんどいと書いてある。が、正直なところそれほどでもない。対岸に目をやると高度を稼いでいるのが分かる。なによりもトレッキングポールの使い方もわかってきたので、上りやすい。

木道末端まで2時間と書いてあったが、1時間少々で到達してしまった。
なんだ、もう終わりか、あとはこの木道をまったり歩けば雲の平だなと気が緩んだのが間違いだった。木道はすぐに終わるのだ。そして背の高いハイマツの中、視界の効かない歩行をしばらく強いられるのだ。アラスカ庭園までの道が実は一番しんどかった。視界が開けるという思いこみをもっていたのでこれはヤラレタ。

アラスカ庭園に出ると視界は開けるが、しかしハイマツの海を歩く箇所はまだまだたくさんある。周囲を見渡すとなるほど、かなり奥地に入ってきたことが実感できる。

遠方に剱岳が見えた。この三連休は多くの人が立山にも行っているだろうな。

明日登頂を目指す水晶岳もどーんと構えている。結構な勾配があるのでこれは大変だなと思いつつ今日の目的に足を進めることにする。


雲の平山荘が見えてきた。

雲の平山荘の中で昼メシ休憩をさせてもらうことにした。
山荘内はウッディな印象の素敵な小屋。小屋の中では親子と思われる登山者が休んでいたのですこし言葉を交わした。どうやら新穂高まで計画コースは同じようだ。
テントの受付をしてくれたお姉さんは私が住所を書いているのを見て「あ、〇〇市から来られたんですね。私、学生のとき、〇〇駅に住んでいたんですよ~」と言う。ん?その駅ならもしかして後輩かなと思ったが野暮なのでやめておいた。今年から山荘で働くことにしたとのことで、まだほやほやなんですと言っていた。赤いバンダナの似合うかわいらしい子だった。男性従業員はサム(安室の昔の旦那)やスズメの焼き鳥みたいな感じの兄さんだった。


カレーは1100円なり。疲れた体には大変おいしく感じました。
11時過ぎまで食堂でまったりしたので、ビールを買ってテントサイトに向かった。歩いて20分ほどだ。

テントへの道を歩きながら行程の半分まで来たことを振り返る。憧れだった雲の平をいま自分が歩いている。なんともいえぬ充実感。人間の意志の力には感動すら覚える。大げさだが、いまここに自分がいることがその証なのだ。

テントを張るとすぐに乾いたので、服も乾かすことにした。洗濯バサミをふたつ持参したがこれは便利アイテムなのでお勧めしたい。テントの中は暑いのでハイマツの影にシートを敷き、寝転がった。ビールも手伝ってうとうとしながら、雲ノ平で空に湧き上がる雲を眺めて過ごす贅沢な時間。

雲の平の水場は最高だ。冷たい雪解け水が無尽蔵に強い水量と共に流れてくる。

テントサイトを上から見る。
テントサイトは広いが、テントを張ることが出来るスペースは限られている。


ゆったりした時間が流れていく。ここは電波も入らない。まさに隔絶された世界だ。SNSの反応すら気にならない。つながらない時間が流れていく。こういう時間大事だと思う。いまは意図的にカットしないとこの「つながらない世界」は手に入らない。

昼に山荘でカレーを食べてしまったが、今晩もカレー。
今日はアルファー米とカレー2片を煮込んだカレー雑炊にコンビーフを加え、最後にハンバーグをトッピングするメニュー。ハンバーグは実は初日に食べる予定だったが、食欲不振で2日目に回したのだ。要冷蔵のマークがあるが、保冷バックに入れてきたし、匂いを嗅いでも大丈夫だった。他の製品も試してみようと思う。

嫁さんにはまずそうと言われたが、美味しかったぞ(^^)
山は連日の晴天で夕立もなく、19時すぎまで十分に明るい。夜は満点の星空。さあ、明日はいよいよロングコースだ。体力には自信もないが、明日は双六まで行かねばならない。早めの就寝をすることにしてシュラフに潜った。
コメント
コメント一覧 (2)
この記事を読んで「やっぱり・・・」と思い出しました。
それにしても天候に恵まれて何よりでしたね。
雨が降れば降ったで晴れを乞うし、好天で暑ければ暑いで文句の一言も出るし。
でも降られるよりはいいのかな・・・。
夏期のテン泊は食事のメニューに悩みますね。
新鮮野菜はせいぜい初日で食べなきゃならないし、卵、肉なんぞは厳しくなるばかり。
はらぺこさんが持参したコンビーフは私も重宝していますよ。