7月15日月曜日
前のテントのお兄さんのアラームで目が覚める(笑)テントの中の兄さんが寝ぼけて「あれあれあれ??」と声を出しているのが笑える。時間は朝の3時。うむ、まあよしとしよう。朝飯は昨日同様にやきそば半分を食す。ヘッドランプなしでも歩ける明るさになってからテントサイトを出発した。
テントサイトを出発してから正面に見える祖父岳までの登りの強敵は標高ではなく実はブヨだ。尋常じゃない数のブヨがたかってくる。払っても払っても寄ってくる。ヒッチコックの「鳥」という映画をご存じだろうか。少々パニックになる。はて、10年前もこんなにたくさんいただろうか。次回来るときはなんらかの対策をしたほうがよさそうだ。
雪渓を横断しつつ見た目よりもきつかった祖父岳に登ると、昨日歩いてきた雲の平もこれから行く水晶岳も双六までの行程が丸見えだ。今日はロングコースだが、長い人生の中でほんの数時間のがんばりの連続だと心の中で繰り返しつぶやく。
中央がワリモ、右が鷲羽岳。水晶岳アタックを終えたあと、越えなければいけない山だ。ワリモはいままで意識したことは無かったが、かんむりのようでなかなか秀麗な形をしている。
黒部五郎岳を望む。周回コースを取るとこの稜線を太郎平まで歩くことになる。今回歩けたことを考えるとこのコースもいけるかもしれないな。
中央のV字型の雪渓が残る鞍部が本日の最終目的地である双六岳キャンプ場。ウーム。遠いね。
眺望を楽しんだあと、ワリモの北分岐まで一気に登る。祖父から見たときはえ!ここ登るの?とドキドキしたが、下から見上げてみれば、「歩けば到着できるな」と安心できるレベル。
ワリモ北分岐から上ってきた道を振り返る。
ここで荷物をデポし、手提げに水と行動食を入れて水晶岳を目指す。最初の目標は水晶小屋。
雲の平から見ていた水晶岳の印象とは稜線から見るとずいぶん違って見える。雲の平のたおやかな感じとは対照的だ。ここから見ると剱岳のようだ。
昨日の雲の平と違い、今日は多くの登山者とすれ違う。みんないい顔している。山頂では関西から来たという女子3人組の笑顔がまぶしかった。水晶に見立てたボールを取り出して記念撮影したり、でっかい双六も持ってきていて遊び心たっぷりだった。なるほど、そういう気持ちの余裕も必要だ。今日は三俣山荘に泊まってきたとのこと。
水晶岳の山頂からの眺望はまさに360度の大展望。時間が許すのならずっとずっと山頂にとどまりたかった。だが、今日は双六までいかねばならない。おそらくもう二度と来ることはないだろう。そう思いながら脳裏に山頂からの景色を刻み付けた。
富士山も八ヶ岳も遠方に拝むことができた。
左は白馬の山々。その奥は頚城山塊。
念願の水晶岳登頂を終え、高揚する気持ちを抑えつつ小屋まで戻る。私の記憶にある水晶小屋は水色のもっと汚い小屋だったが、最近改装したのだろうか。トイレも大変きれいだった。18年前この横を通ったときは雨の中だったと記憶している。
ワリモ北分岐まで戻り、行動食を食べたあと、クエン酸を飲んだ。今回はサプリも実験的に使ってみることにしたがこれは効果があったような気がする。
ワリモを超えて今日の2つ目の大きな山場はこの鷲羽岳。三俣側からよりも水晶側からのほうが上りやすいような気がする。今日はたくさんのピークを踏む日なのだ。
鷲羽の長大な下りは少々うんざりするが、左側に目をやると鷲羽池が。
槍ヶ岳も北鎌尾根もばっちり見える。
ここからが鷲羽の地獄の下りである。なんど来てもこの下りは好きになれない。
途中で休憩をとりながらようやく三俣山荘に到着した。
三俣山荘前にはベンチがたくさんあるが、なんだか他の山小屋と雰囲気が違う。
よく見るとトレイルランナーにベンチがすべて占領されている。格好も登山者とは異なり、どちらかというと海の家の前にいる人たちのようだった。さらに大声でしゃべっているので聞きたくもない会話がまる聞こえ。実は今日はもう三俣のテントで寝てもいいかなという気持ちが半分くらいあったが、私のように地味なオタクには苦手な部類の人達たちなので、関わるわけではないけど、同じ空気をシェアするのはちょっと嫌だなと感じた。こういう気持ちは大事にしたほうがいい。山荘2Fの食堂で何かを食べたらやっぱり双六まで予定どおり歩こうと決めた。
山荘の2階からの素敵な眺め。ジビエ料理が泊まると出るそうだ。今日もカレーを注文した。
値段は雲の平山荘と同じ1100円。
さあ、カレーも食べたし行きますかね。鷲羽岳を振り返る。
まずはテントサイトを経由して三俣蓮華岳を目指す。
トレッキングポールでリズムをとりながら牛歩の歩みで進む。
どんなに時間がかかったとしても日が高いので到着はできると確信をしていた。三俣山荘で十分休息をしたとはいえ、三俣の分岐までの道のりはきつかった。
分岐手前で2羽のライチョウを見ることができた。1羽は登山道横で砂浴びをした。冬毛のように見えるが大丈夫なんだろうか。もう一匹はハイマツの陰で警戒しながら周囲をうかがっていた。対照的な二羽だった。
三俣の分岐で5分ほど悩む。このまま巻き道を通って双六まで行くか、それとも稜線を通って歩くか。巻き道は稜線から外れるので、風がなければしんどいし、風景もあまり変化がない、稜線を行けばしんどいが風もあり、風景も楽しめるとの結論で登ることに決めた。
途中で振り返ると双六岳の山頂も見える。
三俣蓮華岳山頂。この山頂を踏むのはおそらく3度目。前回は18年前だ。
稜線をたどり、双六岳山頂へ。この旅で最後の山頂である。ここからは35分で小屋だ。広い大地をまっすぐ下りれば本日の行程はおしまいだ。あと35分、35分と思いながら下って行ったのだが、
な、なんだと!!!
こ、これなら素直に巻き道に降りたのに。。。とガックシしたが、これもネタだと思い、下ることに。
中道を下ったおかげで水場の横を通ることができたのは幸いだった。
キャンプ場の水場はなまぬるくていまいちなのだが、ここの水は大変冷たい。
汲んだ水はペットボトルを保冷パックに入れてキャンプ場まで運ぶことにした。
この分岐が見えたらあとは10分ほどで到着だ。
小屋に到着したのは16時半。
朝4時に出発したので、合計12時間半の行動時間。こんな長時間行動したのは初めてではないだろうか。自分をほめてやりたい。よくやった俺!
脱力してしまい、食事を作る元気もなくなってしまったのでカルビ丼を注文。
最高にやる気のない盛り付けに笑ってしまったが、まあこれでもよし。食欲はあまりなかったがとにかく胃に入れた。
テントを立ててコーラーをちびちび飲む。体が熱い。
寝る前におしるこを飲んだ。この森永のフリーズドライおしるこはひそかにお気に入り。
この日はくたくたのはずなのに12時間半も歩いて興奮していたのかあまり眠れなかった。
前のテントのお兄さんのアラームで目が覚める(笑)テントの中の兄さんが寝ぼけて「あれあれあれ??」と声を出しているのが笑える。時間は朝の3時。うむ、まあよしとしよう。朝飯は昨日同様にやきそば半分を食す。ヘッドランプなしでも歩ける明るさになってからテントサイトを出発した。
テントサイトを出発してから正面に見える祖父岳までの登りの強敵は標高ではなく実はブヨだ。尋常じゃない数のブヨがたかってくる。払っても払っても寄ってくる。ヒッチコックの「鳥」という映画をご存じだろうか。少々パニックになる。はて、10年前もこんなにたくさんいただろうか。次回来るときはなんらかの対策をしたほうがよさそうだ。
雪渓を横断しつつ見た目よりもきつかった祖父岳に登ると、昨日歩いてきた雲の平もこれから行く水晶岳も双六までの行程が丸見えだ。今日はロングコースだが、長い人生の中でほんの数時間のがんばりの連続だと心の中で繰り返しつぶやく。
中央がワリモ、右が鷲羽岳。水晶岳アタックを終えたあと、越えなければいけない山だ。ワリモはいままで意識したことは無かったが、かんむりのようでなかなか秀麗な形をしている。
黒部五郎岳を望む。周回コースを取るとこの稜線を太郎平まで歩くことになる。今回歩けたことを考えるとこのコースもいけるかもしれないな。
中央のV字型の雪渓が残る鞍部が本日の最終目的地である双六岳キャンプ場。ウーム。遠いね。
眺望を楽しんだあと、ワリモの北分岐まで一気に登る。祖父から見たときはえ!ここ登るの?とドキドキしたが、下から見上げてみれば、「歩けば到着できるな」と安心できるレベル。
ワリモ北分岐から上ってきた道を振り返る。
ここで荷物をデポし、手提げに水と行動食を入れて水晶岳を目指す。最初の目標は水晶小屋。
雲の平から見ていた水晶岳の印象とは稜線から見るとずいぶん違って見える。雲の平のたおやかな感じとは対照的だ。ここから見ると剱岳のようだ。
昨日の雲の平と違い、今日は多くの登山者とすれ違う。みんないい顔している。山頂では関西から来たという女子3人組の笑顔がまぶしかった。水晶に見立てたボールを取り出して記念撮影したり、でっかい双六も持ってきていて遊び心たっぷりだった。なるほど、そういう気持ちの余裕も必要だ。今日は三俣山荘に泊まってきたとのこと。
水晶岳の山頂からの眺望はまさに360度の大展望。時間が許すのならずっとずっと山頂にとどまりたかった。だが、今日は双六までいかねばならない。おそらくもう二度と来ることはないだろう。そう思いながら脳裏に山頂からの景色を刻み付けた。
富士山も八ヶ岳も遠方に拝むことができた。
左は白馬の山々。その奥は頚城山塊。
念願の水晶岳登頂を終え、高揚する気持ちを抑えつつ小屋まで戻る。私の記憶にある水晶小屋は水色のもっと汚い小屋だったが、最近改装したのだろうか。トイレも大変きれいだった。18年前この横を通ったときは雨の中だったと記憶している。
ワリモ北分岐まで戻り、行動食を食べたあと、クエン酸を飲んだ。今回はサプリも実験的に使ってみることにしたがこれは効果があったような気がする。
ワリモを超えて今日の2つ目の大きな山場はこの鷲羽岳。三俣側からよりも水晶側からのほうが上りやすいような気がする。今日はたくさんのピークを踏む日なのだ。
鷲羽の長大な下りは少々うんざりするが、左側に目をやると鷲羽池が。
槍ヶ岳も北鎌尾根もばっちり見える。
ここからが鷲羽の地獄の下りである。なんど来てもこの下りは好きになれない。
途中で休憩をとりながらようやく三俣山荘に到着した。
三俣山荘前にはベンチがたくさんあるが、なんだか他の山小屋と雰囲気が違う。
よく見るとトレイルランナーにベンチがすべて占領されている。格好も登山者とは異なり、どちらかというと海の家の前にいる人たちのようだった。さらに大声でしゃべっているので聞きたくもない会話がまる聞こえ。実は今日はもう三俣のテントで寝てもいいかなという気持ちが半分くらいあったが、私のように地味なオタクには苦手な部類の人達たちなので、関わるわけではないけど、同じ空気をシェアするのはちょっと嫌だなと感じた。こういう気持ちは大事にしたほうがいい。山荘2Fの食堂で何かを食べたらやっぱり双六まで予定どおり歩こうと決めた。
山荘の2階からの素敵な眺め。ジビエ料理が泊まると出るそうだ。今日もカレーを注文した。
値段は雲の平山荘と同じ1100円。
さあ、カレーも食べたし行きますかね。鷲羽岳を振り返る。
まずはテントサイトを経由して三俣蓮華岳を目指す。
トレッキングポールでリズムをとりながら牛歩の歩みで進む。
どんなに時間がかかったとしても日が高いので到着はできると確信をしていた。三俣山荘で十分休息をしたとはいえ、三俣の分岐までの道のりはきつかった。
分岐手前で2羽のライチョウを見ることができた。1羽は登山道横で砂浴びをした。冬毛のように見えるが大丈夫なんだろうか。もう一匹はハイマツの陰で警戒しながら周囲をうかがっていた。対照的な二羽だった。
三俣の分岐で5分ほど悩む。このまま巻き道を通って双六まで行くか、それとも稜線を通って歩くか。巻き道は稜線から外れるので、風がなければしんどいし、風景もあまり変化がない、稜線を行けばしんどいが風もあり、風景も楽しめるとの結論で登ることに決めた。
途中で振り返ると双六岳の山頂も見える。
三俣蓮華岳山頂。この山頂を踏むのはおそらく3度目。前回は18年前だ。
稜線をたどり、双六岳山頂へ。この旅で最後の山頂である。ここからは35分で小屋だ。広い大地をまっすぐ下りれば本日の行程はおしまいだ。あと35分、35分と思いながら下って行ったのだが、
な、なんだと!!!
こ、これなら素直に巻き道に降りたのに。。。とガックシしたが、これもネタだと思い、下ることに。
中道を下ったおかげで水場の横を通ることができたのは幸いだった。
キャンプ場の水場はなまぬるくていまいちなのだが、ここの水は大変冷たい。
汲んだ水はペットボトルを保冷パックに入れてキャンプ場まで運ぶことにした。
この分岐が見えたらあとは10分ほどで到着だ。
小屋に到着したのは16時半。
朝4時に出発したので、合計12時間半の行動時間。こんな長時間行動したのは初めてではないだろうか。自分をほめてやりたい。よくやった俺!
脱力してしまい、食事を作る元気もなくなってしまったのでカルビ丼を注文。
最高にやる気のない盛り付けに笑ってしまったが、まあこれでもよし。食欲はあまりなかったがとにかく胃に入れた。
テントを立ててコーラーをちびちび飲む。体が熱い。
寝る前におしるこを飲んだ。この森永のフリーズドライおしるこはひそかにお気に入り。
この日はくたくたのはずなのに12時間半も歩いて興奮していたのかあまり眠れなかった。
コメント
コメント一覧 (2)
それにしてもテントを背負って12時間ですか・・・。
本当にお疲れ様でした。 m(_ _)m
私には自信はないです。
三俣山荘では「かき氷」はなかったですか?
正直鷲羽の下りでヘロヘロでした。三俣山荘から三俣蓮華岳を見て、これほんとに登るの???と何度も思いました。亀足でしたが、翌日のことを考えると双六まで移動したかったんです。こんなに歩いたのは社会人になってからの登山では初めてですね。天気がよかったからこそ出来たのだと思います。双六岳の水場で飲んだ水はおいしかった。忘れらない思い出になりました。