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形骸腐臭列島 〜ミステリアスな関係〜

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たとえば寒さが伝わる表現

一日中、雪が降るのを見ていたら、何かの本で、「本当に寒さが伝わる表現とは?」といったことが書かれていたのを思い出した。

皮膚を切るような寒さ。骨に沁み入るような寒さ。手が痺れるような寒さ。身体が縛られるような寒さ。心臓を絞られるような寒さ・・・・・・。

う~ん、難しい。本当にその事象が伝わる表現とは、如何にして手に入れたらよいものであろうか?

春雷

 そのバーは都心から少し外れた埠頭の近くにあった。
 午後九時。彼は仕事を終えると、誰もいないオフィスを出て、家路とは逆の方向に歩いた。まだ降り出してはいないが、雨の香りを含んだ生温かな夜気の中、足は自然とその店に向かっていた。三十八歳、独身。百七十六センチの痩身、ダークスーツが身体に馴染んでいる。個性的な顔立ちだが、彫が深く、一見すると欧米人のハーフのように見える。彼が店に行く気になったのは、特に理由はない。馴染みの女がいるわけでもない。なんとなく、その夜はまっすぐ帰りたくなかったからだ。
 地下鉄を乗り継いで最寄駅で降り、店まで歩いた。若干大粒の雨滴が落ちてきた。
 ドアを開けると、平日の店内は閑散としていた。十人が座れる程のカウンター席と、五、六卓のテーブル席がある、暗くて殺風景な店だ。BGMに古いジャズが流れていた。
 カウンターの中で髭面のバーテンがグラスを拭いていた。奥のテーブル席に若い女が三人。カウンターにスーツ姿の年配男の二人連れがビールを飲んでいた。

 彼はカウンターの奥に座ると、煙草を取り出した。
 「いいときに来られましたね、土砂降りになる」
 目線で挨拶したバーテンが低い声で言った。
 「何になさいます?」
 「バーボンをストレートで、あと氷と水」
 彼は煙草に火をつけながら無愛想に答えた。
 紫煙を燻らせながら、早いピッチでウイスキーを飲んでいると、男の二人連れが席を立った。出て行ったかと思ったら、すぐに戻り、
 「ひどい雨で外に出られない」
 とバーテンに声高に話していた。
 「仕方がないから、しばらく雨宿りだ」
 男たちはビールを頼んだ。
 BGMがかかっていても、はっきりと分かる激しい雷鳴が轟いた。若い女たちはそそくさと席を立った。

 入れ替わりに、二十歳前後に見える女がびしょ濡れで入ってきた。
春物のブラウスとスリムなストレートジーンズは、彼女の均整のとれた美しい身体のラインを際立たせていた。長い髪が小麦色に焼けた素顔に濡れて張り付き、凛とした精悍さすら醸し出していた。彼女はハンカチで身体を拭くと、彼の一つ空けた隣の席に座った。
 バーテンが奥からタオルを取ると黙って彼女に差し出した。
 「ありがとう」
 大きな声で言うと、いささか挑発的に見える視線で彼を見た。
 「私もその人と同じものをください」
 「畏まりました」
 バーテンは低い声で言うと、酒をつくった。
 男の二人連れは驚いた様子で彼女を見ていたが、
 「雨宿りなんて悠長なことを言っていられない。終電が無くなっちゃうよ」
 とバーテンに言い、勘定を払うと席を立った。

 かくして、春雷は轟き、店内は彼と彼女、バーテンだけになった。
 小一時間ほどそのように飲んでいて、先に話しかけたのは、彼女だった。
 「そんなふうに考え込んで、苦悩をつのらせるように飲むのが楽しいの?イケメンのお兄さん」
 「どんなふうに飲もうが、俺の勝手だろう?」
 彼は無愛想に答えた。
 「お酒はね、いやなことを忘れて酔っぱらうために飲むのよ!」
 彼女は小さく笑いながら言った。
 「お前、生意気言うなよ。未成年じゃないのか?終電無くなるぞ!」
 彼は眉間に皺を寄せた。
 「残念でした!レッキとした二十歳のOLで~す!そんなに若く見えた?ありがと~。でも、いくらイケメンでも、お前呼ばわりはないんじゃない?」
 彼女はポーチから免許証をカウンターの上に取り出して、彼に見せた。
 「明日、会社休みなのか?」
 「普通に出勤だよ」
 「家に帰らないのか?」
 「なんで?」
 「電車無いのに家に帰れるのか?」
 「そんなこと、どうでもいいじゃん!帰ること考えてたら、つまんないよ。それより、これも何かの縁だし、一緒に飲も!」
 「やれやれ、ガキの相手は疲れんだよ」
 彼はネクタイをほどいた。

 外の雨音は一層強くなり、暗い店内はカウンターの灯りだけとなり、親密な雰囲気が濃厚になった。二人は他愛のない世間話をしながら、飲むにつれ、酔いが回って饒舌となり、いつしか打ち解け合っていった。
 夜の底が白くなり、雨音は遠のいて、店の時計は午前五時を過ぎていた。
 「申し訳ございませんが、閉店です」
 バーテンが低い声で言った。
 「あら、いやだ!飲んでたら、時間が経つのをすっかり忘れてた。私帰る」
 「これから帰って、すぐに出勤か?」
 「うん、お酒臭いのいやだから、お風呂に入らなくっちゃ」
 「元気だなあ・・・・・・」
 彼は思わず苦笑した。
 「楽しかったわ。ありがと」
 彼女は微笑みながら、手を差し出した。彼はゆっくり握手した。
 「また、会えるかな?」
 「会えるに決まっているじゃない!また、この店で・・・・・・。だって、夏が来るんだもの」
 彼女は美しい身体のラインをさらに強調するかのような、颯爽とした身のこなしで店を出て行った。
 「夏か・・・・・・」
 一人残った彼は、思わずつぶやいた。
 「・・・・・・俺の夏はいつまで続くんだろう」
 煙草を喫おうとパッケージを覗いたが、既に空になっていた。

                                    了

受験

我が家は、今年、長男と次男のW受験だ。

この時期になると、関東は冷たい〝からっ風〟が吹くのである。

長男は、今日、センター入試だ。早朝より、飼育している愛鳥のインコに合格祈願を熱く語り、気合いの雄叫びをあげて出て行った。

考えると、兄弟揃って受験、というのは、寧ろお互いに励みになって都合が良いのではなかろうか。この半年、彼ら二人は居間を占拠し、夜遅くまで頑張っていた。

受験は選別の一工程のようで、私はあまりいい印象を持っていないが、頑張った結果を出す、という意味に於いて、成功の果実を味わって欲しいものだ。

2011年を迎えて

And now, the end is here
And so I face the final curtain
My friend, I'll say it clear
I'll state my case, of which I'm certain
I've lived a life that's full
I traveled each and every highway
And more, much more than this, I did it my way

Regrets, I've had a few
But then again, too few to mention
I did what I had to do and saw it through without exemption
I planned each charted course, each careful step along the byway
And more, much more than this, I did it my way

Yes, there were times, I'm sure you knew
When I bit off more than I could chew
But through it all, when there was doubt
I ate it up and spit it out
I faced it all and I stood tall and did it my way

I've loved, I've laughed and cried
I've had my fill, my share of losing
And now, as tears subside, I find it all so amusing
To think I did all that
And may I say, not in a shy way,
"Oh, no, oh, no, not me, I did it my way"

For what is a man, what has he got?
If not himself, then he has naught
To say the things he truly feels and not the words of one who kneels
The record shows I took the blows and did it my way!

Yes, it was my way

2010年を振り返って

思い切り好きなことをやった2年目だったように思う。

欲を言えば切りが無いのだが、なかなか思うようにはいかの金玉なのだ。

自然体で過ごす、という年頭の抱負は達成できたように思う。

先を読みながら、駒を打ってはいるものの、吉と出るか凶と出るか、私には分からない。

時の流れに身を任せるだけである。

Christmas Eve の梗概(シノプシス) Vol.6

ゴールドのイヤリングに想いを込めて

彼女は約束の時間に彼を待つ


待ち合わせのツリーの下は

大勢の人だかり


幸せそうなカップルが

彼女の前を歩み去った


彼は来ない・・・・・・


諦めかけたそのとき

ドア ウィンドウに映った彼の姿


あなたが逢いたい人も、きっとあなたに逢いたい

悪魔のささやき

例題 『口笛の歌が聴こえる』(1985年 嵐山光三郎・著 新潮社)より抜粋

私の軀の中ぬは、古井戸があるんでしよ。だから、喉がかわいだとぎは、自分の軀のなかの古井戸へ降りでいっで、そこから水を汲んで飲む。じつはこの古井戸には、私の姉が身投げして死んじゃったんだが・・・・・・。

習作 『ニコチンフレーバー、タールテイスト。あるいは希求』

私の軀の中ぬは、火の点いた煙草があるんでしよ。だから、喫いだくなったとぎは、自分の軀のなかの火の点いた煙草へ降りでいっで、そこから煙草を喫う。じつはこの煙草の副流煙が原因で姉は肺癌で死んじゃったんだが・・・・・・。

ActiveXが無効のため、映像を視聴できない

動画(映画)鑑賞しようと思い、某サイトから試行したら、「ActiveXが無効になっているため、映像を視聴できません。」との文言が赤字で閲覧画面に表示され、鑑賞できない。

昨日は観ることができたのに何故なのかと思い、ヘルプベージを見たところ、Internet Explorerの設定を変更する必要があるとのメッセージが記されていた。

そこで、そのサイトが推奨するInternet Explorerのバージョンのダウンロードを試みたのだが、私のPCは、以前バージョンのアップグレードを既に行っており、そのサイトが推奨するInternet Explorerのバージョン以上のため、ダウンロードができないことが判明した。

のみならず、私のPCのInternet Explorerのバージョンは、そのサイトではNGであるとのことで、アイインストールをしなければならないのか、と考えると億劫になってしまった。

このままでは、いつになったら動画鑑賞ができるのか分からぬが、以前は別の障害で視聴できず、2、3ヶ月放っておいたら、自動更新か何かの影響で、視聴ができるようになったので、今度も放っておくことにした。

雨降り道玄坂

師走に聴く楽曲かどうかは別として、久しぶりに『雨降り道玄坂』(1976年 ふきのとう)を鑑賞した。

タイトルの通り、雨降り道玄坂、である。いやに具体的だが、渋谷の道玄坂に雨が降っているのである。

そこで、バスを待っている女性が、同じくバスを待つ男性の寂しさに声を掛けたのは、気まぐれではなかった、とおっしゃっている。

うう~ん、詩情がある。切ない女心を感じる。懐かしい青春時代にあったかのような情景を彷彿とさせる。

この曲を今の若者が聴いたら、どう感じるのだろうか? 感想を聞いてみたいものである。

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