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2010年01月

第二十七回特別講習会

講師 鎗田 勝司
内容 陳式太極拳老架一路と推手および用法
日時 2月14日(日) 15:30〜18:00
場所 文京スポーツセンター 多目的室
 〒112-0012 東京都文京区大塚3-29-2 
(TEL.03-3944-2271)
受講料 2,000円

*詳細は事務局までお問い合わせください。

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2010年2月練習日程

2月7日 通常練習(西神田コスモス館体育館B 13:30〜)
2月14日 第二十七回特別講習会(文京スポーツセンター 15:30〜)
2月21日 通常練習(西神田コスモス館体育館B 13:30〜)
2月28日 通常練習(西神田コスモス館音楽室 13:30〜)

* 場所および時間が変則的になります。確認をお願いいたします。

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套路の重要性について

套路の重要性について


東京陳式太極拳倶楽部 代表 鎗田 勝司



 この倶楽部も立ち上げからもうすぐ3年になる。会員数は多くはなく、入ったり来なくなったりで、特別講習会を除けば、通常練習に来ているのは6人〜8人くらいのものである。常に来る人は時々参加する人と比べると格段の差でうまくなっているので、やはり武術は地道に続けることが大切だとつくづく思う。はじめたころは覚えが悪く、いつまで続くかなあ、と思っていた人も、長く続けていると確実に強くなっている。もちろん才能ということも関係がないわけではないだろうが、上達の速い遅いがあっても続けられるということ自体、一つの才能といえるのかもしれない。
 人数が少ないということで毎回毎回お互いに研究しあいながら、技の向上に努めやすい反面、自由推手や散手では、やっている相手がいつも同じなので、手の内がわかっている者同士なかなか思った技がかからない。本倶楽部の散手練習は、勝ち負けよりも自分の思うとおりの動きを研究する場、と位置づけてはいるが、やはり相手に向かうとお互いに勝とう勝とうという意識がでてくるので、思いきった技が出しにくくなるものである。そこをいかに乗り越えるかというのが個々の課題となる。そんな状況のなかで時々体験に来る他の格闘技経験者との軽い組み手や推手は、我々にとって大変に刺激になり勉強になる。私自身中国武術以外の格闘技経験がほとんどないので、他武道経験者の会員の方から多くを学んでいる。
 どのような武術も、その歴史にはさまざまな武術との交流があったはずであり、基本原理は変わらないとしても、技自体は変化していくのが自然だと思っている。現代における空手などはそのよい例で、伝統空手、フルコンタクトの空手、さまざまな格闘技の要素をいれた総合格闘技的な空手など多種多様な考えを持った先生方によって多くの流派が生まれ、技も多様化してきている。それを発展と呼ぶかは意見の分かれるところだと思うが、時代を反映しつつ柔軟に変化していることは、私はすばらしいことだと思っている。中国武術も同じで、門派が確立するまではさまざまな武術を研究し、取り入れていたはずである。このことは陳家溝の武術の歴史を紐解いてもわかることである。要は強くなる理を求めるということであろう。
 私は単純に古い武術がいいとは考えないし、伝統をそのまま継承することにこだわるつもりもない。我々の目指すところは「伝統芸の保存」ということとは違うのである。

 さて、この倶楽部は陳式太極拳をベースした中国武術を練習している団体であるので、陳式太極拳での戦い方もしくは陳式太極拳を武術として使えるような身体能力づくり、ということを中心に練習をしている。そのため套路練習は必須であり、套路の上達によって技が活きてくるようでなければならない。もちろん「套路の上達」というのは表演の試合で高い点数を取ることとイコールではないことは言うまでもない。しかしながら私は武術として太極拳をやるのなら、表演選手以上に套路にこだわり套路練習に時間をかけるべきだと思っている。

 この倶楽部での練習では、比較的対人練習時間が長い。すなわち、推手とその応用、関節技を含む套路の用法などを套路練習と同じくらいの時間をかけて練習をする。およそ3時間の練習のうち90分以上は対人練習をしているのである。しかしこれは決して套路練習を二の次に考えているわけではなく、ひとり練習は普段の日々のなかでもできるので、相手のいる時に対人練習をやっておこうというにすぎない。基本は套路練習であり、練習中は套路のチェックももちろん行なうし、会員の方たちには次回までに教えたところは充分に自分で練習してきてほしいと思っている。そうしなければまた元に戻ってしまい、先にすすむことができない。套路を覚えてからが練習なのだ。
 しかしながら、往々にして他の武術、特に日本の武術をやっている人に多いのだが、套路練習よりも対人練習ばかりに興味を持ち、套路を覚えるのは二の次、というより覚えようとさえしない人がいる。このような練習態度では、中国武術、特に太極拳のような武術の本質を理解することは決してできない。用法を習うことによって技を多少使えるようになったとしても、結局は力んだ状態で技を使う、いわゆる力任せの技で満足してしまい、太極拳本来の動きから生まれる自然の力を利用した使い方を理解することはできないのである。結果をあせっては本来の効果を得ることはできないのだ。

 套路を学ぶことにより、バランス感覚、力の緩急、瞬間的な爆発力、ある部分に力を集中させる能力、よどみのない動きなど多くの能力が養われる。太極拳における真の放松(ファンソン)の効果によって、これらが養われるのである。放松の効果は大変に深く、練習すればするほどその効果が肉体を通じて感覚的に理解できるので、練習せずして理屈だけで太極拳を理解することは不可能である。その効果を言葉で簡単に説明することはできない。練習の過程でさまざまな発見があるので、いくら同じ套路を繰り返しても新鮮さが尽きることがないのが太極拳の套路なのだ。
 多くの技の中にある普遍の原理を追究するところに私は太極拳をやる意義を感じている。まさにそれは武術の先達たちが目指した最高の境地、すなわち宇宙普遍の原理を探すことに通じるのかもしれない。

 武術として太極拳をやるのであれば、套路練習をよくやっていただきたい。いきなり悟ることを期待するよりも少しずつでもいいから地道に練習をかさね、進歩していただきたいとこれからこの道に入る人に、切に願う次第である。

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