激オシ小説レビュー・感想

2015年11月

第21回は長沢樹さんの『消失グラデーション』です。


これほんとにオススメです!

横溝賞受賞作なので実質デビュー作になると思うんですが

どんでん返しのトリック
ストーリーにひきこむ力
登場人物の魅力

全部すごかったです。


選考委員の綾辻行人氏、北村薫氏、馳星周氏も絶賛しているだけあるなーと思いました。

あらすじはこんなかんじ

私立藤野学院高校のバスケ部員椎名康は、ある日、少女が校舎の屋上から転落する場面に遭遇する。康は血を流し地面に横たわる少女を助けようとするが、少女は目の前から忽然と消えた。監視された空間で起こった目撃者不在の“少女消失”事件。複雑に絡み合う謎に、多感な若き探偵たちが挑む。繊細かつ大胆な展開、“真相”の波状攻撃、そして驚愕の結末。最先端で最高の青春本格ミステリ、第31回横溝正史ミステリ大賞受賞作。

内容は青春ミステリーでバスケ部がでてきたりってことでなんとなく軽そうだなあ~と思ってたんですが、内容はしっかりしててよかったです。


やっぱりこの作品で一番注目されるのがラストのどんでん返しなんですが、
もともと叙述トリックがあるというのはわかってたのに全然わからんかった笑


えっ!?まじで?
って感じで最後ニヤニヤしながら読んでました。笑


もちろんそのトリックもおもしろかったんですが、
転落した少女、網川の「消失」のトリックと言うか方法もなるほど!そういうことか!
となっとく

ラストの叙述トリックも「消失」の理由も
ネタバレにはなっちゃうんですけど、

「性別」

が関係してきているので
一貫性があってほんとに良くできた作品やなーと思いました。


他の作品も読んでみたいです。






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20回は三島由紀夫の『命売ります』です。


なぜか今この『命売ります』がめちゃくちゃ売れているらしいです。
発売元のちくま文庫さんって帯がいいんですよ、、めちゃくちゃ、、
『うれしい悲鳴をあげてくれ』もちくま文庫なんですけど、もうなんか読みたくなっちゃうんですよね。

ちなみに帯の内容が
 

 もっとはやく教えてほしかった・・・・・
    隠れた怪作小説発見!
        想像より数十倍オモシロイ
 読んだ人のほとんどが「みごと!」と唸る三島由紀夫の
 極上エンタメ小説。イメージを裏切る読みやすさで
 ラスト10項の衝撃的どんでん返しまで一気読み。
 スリリング&ロマンティック!これを読まずして三島を語るべからず!!




みたいな感じでものすごく煽ってました(笑)

でも読んでみて本当に面白かったなと思います。


最近
太宰治とか文豪の作品が人気みたいで、
三島の『命売ります』も10万部以上売れてる異常現象らしいです。
なんか見た記事によると
ピース又吉の『火花』の影響じゃない?
みたいなことも書いてありましたけど、

もともと文豪の作品ってみんな読んだらなんか得意な気分になれそうだし、
読みたいとは思ってたと思うんですよね、
でもなんでみんな今まで読まなかったかというと
「難しそうだし、おもしろくなさそうだから」
だったと思うんですよね。

事実三島由紀夫の『仮面の告白』は読んだんですけど、自分にはまださっぱりわかんなかったです(笑)


ただ、この『命売ります』は文学的な小難しい「おもしろさ」ではなくて
今どきの普通の人のオモシロイとイコールな意味でオモシロイと思います。
しかもオモシロイながらもやっぱり三島由紀夫の作品なので
文学してるなあ~
っていう表現や描写もあったりで一石二鳥です。

あらすじとしては(wikioediaより抜粋)

※ほぼネタバレです

広告会社に勤務する27歳のコピーライター・山田羽仁男は、ある日突然、新聞紙の活字が全てゴキブリに見え出し、世の中が無意味と感じて睡眠薬自殺を図るが失敗する。
自殺しそこなった羽仁男の前には何だか空っぽな自由な世界がひらけ、三流新聞の求職欄に、「命売ります」という広告を出し、自室のドアには、「ライフ・フォア・セイル」と洒落たレタリングの紙を貼ってみた。
さっそく第一の依頼人の老人がやって来た。
老人は、50歳年下の若妻・るり子が成金悪党の三国人の愛人となってしまったので、羽仁男がるり子の間男となり、二人でその三国人に殺されてほしいと依頼した。
羽仁男は老人の依頼に従い、るり子の部屋に行くが、彼女の話によると、その三国人は秘密組織・ACS(アジア・コンフィデンシャル・サーヴィス)の人間らしかった。
羽仁男はるり子とベッド・イン中のところをベレー帽をかぶった三国人に見つかるが、殺されずに帰された。しかし、るり子は翌日隅田川で死体になって発見された。

次の依頼者は図書館の女司書であった。
彼女はある外人らに、飲めば自殺したくなる薬の製法が載った甲虫図鑑を高額で売ったが、羽仁男にその薬の実験台となってもらい、再び彼らから金を貰おうとしていた。
女は彼らがACSかもしれないということを匂わせていた。
外人一味の待つ芝浦の倉庫に羽仁男は女と行った。
その薬は効き目がなかったが、羽仁男は自分のこめかみにピストルを当てた。しかしその瞬間、何故か女が羽仁男からピストルを奪い取り、彼女が自殺してしまった。
女は羽仁男を愛してしまい身代わりになったのだった。またしても羽仁男は命拾いをした。

次の依頼者は井上薫という学生服の少年であった。
薫は、吸血鬼の母(未亡人)のために、羽仁男に犠牲の愛人になってもらいたいと頼んだ。依頼に従い羽仁男は、夫人に血を吸われ衰弱していきながら、荻窪の井上家で薫親子と家族のように仲良く暮した。
そして夫人は羽仁男と一緒に心中しようと、家に火をつける計画をし、薫を親戚の家に泊まらせた。
しかしその日、羽仁男と夫人が最後の名残に公園へ散歩している時、羽仁男は煙草屋の前で倒れ救急車で運ばれた。夫人は家で一人焼身自殺し、またしても羽仁男だけは生き残った。

見舞いに来た薫の跡をつけ、次の依頼者の二人組が病院に現われた。彼らはB国と対立するA国大使の仲間のスパイで、羽仁男にB国大使館に潜入して毒の塗られた危険な人参スティックの中から、暗号解読のカギとなる人参を見つけてもらいたいと依頼した。
羽仁男はその話を聞いただけで暗号解読のヒントを得て、B国大使館に潜入することなく事件を解決してしまった。

多額の報酬を得た羽仁男はしばらく中休みをするため、世田谷に引越先を探し、梅丘周旋屋に来た。そしてそこで出会った30歳前の玲子の家に間借りすることとなった。彼女は元大地主だった両親の屋敷の離れに住み、つまらない妄想から自分が先天性梅毒で将来、発狂すると思い込み薬物に溺れてヒッピーとなっていた。
玲子は新宿で配られていた羽仁男の写真を持っていて彼の商売も知っていた。そして玲子は羽仁男に処女を捧げ、一緒に心中し、私の命を買ってくれと羽仁男に言い出した。
羽仁男は世間知らずの玲子の死を引きとめ、二人は傍目には新婚夫婦のように暮した。そんなある日、羽仁男は玲子と公園にいる時に偶然、第一依頼者の老人を見つけた。
老人は別れ際に、「君は遠くから監視されている。時期がきたら消されるだろう」と忠告していった。

玲子の夢は平凡な主婦になることであった。玲子は自分が将来発狂したら、羽仁男は自分を捨てると思い、羽仁男に毒をもろうとした。羽仁男はそんな玲子から逃げ出した。
逃亡中、誰かが羽仁男の太腿に小さな針の発信機を刺していった。
羽仁男は傷の手当てをし、ホテルを転々としたが、発信機のせいで怪しい男たちが常に付きまとっていた。太腿の発信機に気づいた羽仁男はナイフでそれを取り去り、「死の恐怖」を感じながら池袋駅から飯能へ逃走した。しばらくその地で落ちついていたのもつかの間、大型トラックに殺されそうになった。
羽仁男は商店街でストップウォッチを買い、木工所で木箱を作ってもらい。
小型爆弾に似せたものを持ち歩いた。

ある日、羽仁男は飯能駅前で、品のいい初老の外人に羅漢山の場所を聞かれ、道案内中、商工会議所の前に待ち伏せしていた車に拉致された。目隠しされ約2時間後に到着した場所は洋館の地下室だった。
そこにいたのは車に同乗した男二人と、甲虫の薬の実験台の時にいた外人三人と、るり子の愛人だった三国人と、羽仁男に対して申し訳なさそうな顔している一番目の依頼者の老人(実は三国人の使用人)だった。三国人らは本当に秘密組織・ACSのメンバーであった。リーダー格の三国人は、「お前は警察の人間であるのことをここで白状したらよいね」と言った。彼らは、「命売ります」の広告は自分たちをおびき寄せる罠で、羽仁男をおとり捜査官だと思い込んでいたのだった。
そしてわざと手下の老人や図書司書の女を使って羽仁男を泳がせ、仲間の警察スパイを調べる尾行していたのだった。
彼らは、羽仁男がA国大使のためのスパイ活動をした時から羽仁男を警察スパイだと確信し、絶対に捕らえようとやっきになっていたのだった。

羽仁男は偽小型爆弾を取り出し、自爆すると脅して彼らを退散させて別のドアから何とか逃げた。
町まで来るとそこは青梅市だった。羽仁男は交番に助けを求め、密輸と殺人秘密組織・ACSのことを話すが、住所不定の羽仁男の言うことなど信用してもらえなかった。
泣き声で訴える羽仁男に警官は、命を売る奴は刑法を犯していないが人間の屑だと言い、羽仁男は留置場にも匿ってももらえず、突き帰された。



衝撃的どんでん返し!ってほどでもないけど、ストーリー展開もスリリングなので飽きないです。


今売れてるだけあって絶対的オススメ作品です!


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第19回はいしわたり淳治さんの『うれしい悲鳴をあげてくれ』です。

いしわたり淳治さんは元ロックバンド"supercar"のメンバー

現在は作詞家や音楽プロデューサーとしてご活躍です。

まず本作の内容の前に書店にならぶこの作品への推薦がすごかった

「たったの5頁だけ読めば面白さを確信するハズ」

「好き過ぎて本当は誰にも教えたくない この本を楽しめないなら他にオススメはありません!」

といったベタぼめなコピーがド派手に掲示されていてついかっちゃいました。

読んだ感想としてはおもしろかったけどさすがにほめすぎじゃない?って感じです笑

まあでも結果おもしろかったです。笑


さて、内容なんですが
いわゆるショートショートでかなり短い短編集で、小説とエッセイが章にわかれて編集されてます。

解説にもあるんですけど、基本的に小説とエッセイの中間のような作品が多いです。
事実とフィクションの間をいったりきたりする作品で妙にリアルでひきこまれます。


全体的にいえるのが、
作者の世界観、人間観、価値観が色濃く反映されていて、
面白いオチやどんでん返しもあるにはあるけど、それよりも作者のメッセージ性が強くて面白いです。

やっぱり音楽家だけあって
ちょっとひねくれてますけど、共感できちゃう
描写を言葉でつくりだすのが天才的だなーって感じです。

明るい人と面白い人は違う

とか印象的ですね

もちろん面白い人の方が好き

一時間語れるものはあるのか?

これも考えさせられました。

個人的に好きな話

偶像崇拝
永遠に続くもの
チャレンジ運転 エッセイ
Dance in the booom エッセイ
数字の話 エッセイ
正義の見方
イメージと未来の差 エッセイ
CD屋敷

偶像崇拝とかわかりやすく面白いですね
この作品の代表的なはなしではないかと、

ひとつひとつの話が短いのでまとめて本を読む時間ないひとなんかにはおすすめですね!


けね第18回は貫井徳郎さんの『光と影の誘惑』です。


貫井徳郎さんといえば!
デビュー作の『慟哭』が有名だしめちゃくちゃおもしろいです。

ただ、
結構あとあじ悪かったり個人的にはめちゃめちゃ好きな作家なんですけど、
若干読む人選ぶみたいやし、
『慟哭』もめっちゃいいんですけど読むのに少し骨折れるので
入門には逆に『光と影の誘惑』がオススメです!

中編4つが収録されていて、
サクッとよめちゃいます。

貫井徳郎さんって結構さまざまな雰囲気の作品あるんですけど、
この中編4つ全部雰囲気ちがって、幅広さを堪能できるかなと、


「長く孤独な誘拐」
「二十四羽の目撃者」
「光と影の誘惑」
「我が母の教えたまいし歌」


全部おもしろいんですけど、(若干ネタバレ)


「二十四羽の目撃者」
は作者にしては若干コメディ臭あるミステリー
で愛される主人公です。
保健会社の調査員っていうなかなか珍しい主人公。殺害された顧客の死に不審な点がないか調べるうちに真相に行き当たるっていう話。
なかなか登場人物の個性があっておもしろい。

「光と影の誘惑」
はまさに慟哭とおんなじ手法で時系列を使ったトリックで、ラストどんでん返し!
綺麗にやられました笑
再読オススメです。
切り替わりの時の印にはきずかへんかったなー

「我が母の教えたまいし歌」
最後に衝撃の結末!
っていうのもあるんだけど
ミステリーというよりは、、心理サスペンス?的な登場人物の心の動きが描かれていて結構揺さぶってきます。
結構後味悪い。貫井徳郎さんらしいかなあ~と思う。


これ一冊でうすーくひろーく貫井作品の感じつかめるかなあと思うし、

中編っていっても
内容も濃くて全部満足できる内容であっというまに読めちゃうので

オススメです!


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第17回は森村誠一氏の『人間の証明』です。

いわずと知れた傑作なので今さらレビュー書くこともないような気もしますが、読んだのが最近なので書こうと思います。

森村誠一氏の代表作と呼ばれているこの作品ですが
うぃきぺでぃあより
森村の代表作「棟居刑事シリーズ」の主人公・棟居弘一良の初登場作品。新刊雑誌への連載を前提に角川春樹から依頼されて執筆した作品である。森村は代表作と見なされる本作について「代表作とは読者が決めるものであるが、自分にとって相当に重要な作品である」と語っている

と作者自身にとっても相当思い入れのある作品です。

連載が1975年からなので相当古い作品ですが、今でも色あせない、多少時代が違うのが目に付く部分もありますが、そんなの関係なく相当面白い作品です。

ドラマ化、映画化もされています。

あらすじ・紹介文


「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」
西条八十の詩集をタクシーに忘れた黒人が、ナイフで刺され、
ホテルの最上階に向かうエレベーターの中で死亡した。
棟居刑事は被害者の過去を追って、霧積温泉から富山へと向かい、
ニューヨークでは被害者の父の過去をつきとめる。
日米共同の捜査の中であがった意外な容疑者とは・・・


複数の人間の語りが切り替わり続いていって
最後にバーンって繋がる感じの小説です。

そういう小説今ではよくあるような気もしますが、
そういった小説のどれよりも
一つ一つの場面、人物の心情や行動が繊細に描かれています。
なので物語に引き込まれちゃいます。

その中でも
棟居刑事が中心になってくるので一番心動かされます。
戦後幼いころに父親が米兵にリンチされ死んでしまい、
その米兵はもちろん、それを周りで黙ってみていた人も含め
人間の悪を徹底的に追い詰めるために刑事になったというツワモノです
その棟居刑事が最後は犯人に人間の善を信じて犯人を自供させるシーンは本当に心動かされます。

棟居シリーズというのが後々できるくらい、作者にも、読者にも思い入れが強い登場人物です。


他にも政治家とタレント夫婦の御曹司とか、ニューヨークの警察官とか、失踪した妻を捜す夫とその妻の不倫相手とか、
それぞれの話が最後ひとつにまとまって衝撃的なラストになります。


しかも
えー!!!!
って言う展開というかオチが何個もあるので本当によくできた物語だと思います。
そりゃ代表作だわ



唯一殺された黒人が人となりが見えなくて感情移入できなかったんですけど
最後の結末ですごく悲しい状況だったということがわかり、

なんの不満もない

ただの完璧な小説でした。

小難しくもないし有名な小説なのでかなりお勧めです!


ただニューヨークには完全にいきたくなくなりました

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