激オシ小説レビュー・感想

2017年01月

image

第74回は島田荘司さんの『帝都衛星軌道』です。

この作品は不可解な誘拐事件を描いた『帝都衛星軌道』の上下のあいだに『ジャングルの虫たち』という中編をいれこんだ一風変わった作品です。

帝都=東京で
こんな仰々しい言い回しにも意味があり、
帝都衛星軌道もジャングルの虫達もお互い直接繋がってるというわけでもないですが、
日本の首都東京を題材に
ミステリーやクライムノベルの枠を超えた傑作だと思います。

ジャングルの虫たちをあいだにはさみ、都会の最下層で蠢く人間を描きながら

帝都衛星軌道のラストでは日本の国体まで幅を広げたなんとも守備範囲が広くて、内容も濃い傑作だと思います。

作者もこれを書き終わったときは、ニヤけがとまらなかったんじゃないかと、、
それか疲れはてたかどっちかかなと、


<あらすじ>

誘拐事件の裏にある、驚愕の真実。人を愛することは、哀しい。俺はこの、たった1時間が欲しかったんだ。 
巨匠が放つ、傑作クライム・ノベル! 

一人息子が誘拐された。身代金の額はわずか15万円。受け渡しの場所として山手線を指定され、警察側は完璧な包囲網を敷くが……。前後編の間に、都会の闇で蠢(うごめ)く人びとを活写した「ジャングルの虫たち」を挟む異色の犯罪小説(クライム・ノベル)。大胆なトリック、息をつかせぬ展開、繊細な人間描写が織りなす魅力に満ちた傑作。 




image

第73回は貴志裕介さんの『新世界より』
です。

上中下巻の大作で圧巻です。

読む前は長いし、なかなか手出せないとおもってましたけど、
他のよみたい本2、3冊を犠牲にしてでも読むべき、読んでよかった傑作だと思います。


わかりやすいエンターテイメント性を維持しながら、作者の想いが伝わってくる作品。

逆にこれを読んで、ただ面白かったで終わる人はすごい、相当なパリピですね。


正義、戦争、安全保障、絆、悪 、復讐など、人間世界で逃れられないテーマにどんどんぶつかっていく。

オーウェルの、『動物農場』なんかもなんとなく思いだしました。

結局最後では、本当に何が正しいのか、わからない。そんな、やるせなさもあります。

かなり刺される小説


あらすじ
1000年後の日本。人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身に着けていた。

注連縄に囲まれた自然豊かな集落「神栖66町」では、人々はバケネズミと呼ばれる生物を使役し、平和な生活を送っていた。その町に生まれた12歳の少女・渡辺早季は、同級生たちと町の外へ出かけ、先史文明が遺した図書館の自走型端末「ミノシロモドキ」と出会う。そこから彼女たちは、1000年前の文明が崩壊した理由と、現在に至るまでの歴史を知ってしまう。

禁断の知識を得て、早季たちを取り巻く仮初めの平和は少しずつ歪んでいく




このページのトップヘ

ーバーレイ広告は掲載できません。