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第119回 葉真中顕 『政治的に正しい警察小説』

短編集ですが、どれも完成度が高く、もっと読みたいという気持ちになる作品集。

葉真中顕さんは『絶叫』、『ロストケア』など社会派のミステリー作品を中心に執筆されてますが、

『政治的に正しい警察小説』は「こんな作風やっけ?」とだれもが思うくらい気色が違う作品です。

ある意味、表題作「政治的に正しい警察小説」なんかは今まで社会派ミステリーを書いてきたことを"フリ"にして、ブラックで皮肉っぽい作品を書いてる感じなので、初めて葉真中作品を読む、っていう人には『絶叫』とか『ロストケア』から読むのがおすすめかもしれません。

「リビングウィル」のように少し社会派要素もあるものもあり、「カレーの女神様」のようにどんでん返し系もありますが、すべての短編が共通して
"ブラック"で
"ユーモラス"なので、ところどころ苦笑もしながら読めて楽しませてもらいました。

なにより作者が楽しんで書いているのが伝わってくるのが、いいなって思いました。

これは…問題作です笑



"あらすじ"
社会派ミステリー作家が放つ問題作
“ポリティカル・コレクトネス"をコンセプトにした警察小説の依頼を受けた、新人作家・ハマナコがたどり着く境地とは……!? 表題作「政治的に正しい警察小説」ほか、偶然通りかかったカレーショップで、生き別れた母の思い出の味に再会した大学生の僕とその“隠し味"をめぐる「カレーの女神様」、25歳の若さで亡くなった“史上最強の棋士"紅藤清司郎の没後20年にあたり、彼の軌跡を取材したライターがたどりつく真相を描く「神を殺した男」など。驚愕と感嘆にあふれた全6編を収録。『ロスト・ケア』『絶叫』など社会派ミステリーの新鋭が放つ、ブラックユーモアミステリー集が文庫オリジナルで登場。