第138回 堂場瞬一 『十字の記憶』

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主人公は警察官と新聞記者、

それで二人は高校の同級生。

田舎で起きる殺人事件

消えてしまった同級生との関連

昔できなかったことをもう一度



いかにも堂場瞬一さんらしい設定で、カッコいいハードボイルドっぽい作品です。


もう少し長く掘り下げてほしいなーと思うところもなくはなかったですけど、

全体的に
盛り上がっているようで落ち着いていて、
スピード感のある展開のようで、地に足がしっかりついていて

読んでいて安心感と興奮が一緒に味わえるベテランの味でした。


大人になって形は変わっても、
やはり友情は消えない。
そんな熱いメッセージが、
魅力的なストーリーや展開に込められた作品です。


作品のなかでは市政の問題にからんでるのでスケールでかいですけど、

誰でも昔できなかったことを後悔していることはあるはずで、

時間は経ったにしても、もう一度やり直せるんじゃないなと思えるような
良い作品だったと思います。







《あらすじ》
100冊のなかで、ただ1冊の辛い友情の物語である。――堂場瞬一 

新聞社の支局長として20年ぶりに地元に戻ってきた記者の福良孝嗣は、着任早々、殺人事件を取材することになる。被害者は前市長の息子・野本で後頭部を2発、銃で撃たれるという残酷な手口で殺されていた。一方、高校の陸上部で福良とリレーのメンバーを組んでいた県警捜査一課の芹沢拓も同じ事件を追っていた。捜査が難航するなか、今度は市職員OBの諸岡が同じ手口で殺される。やがて福良と芹沢の同級生だった小関早紀の父親が、20年前に市長の特命で地元大学の移転引き止め役を務め、その後自殺していたことがわかる。早紀は地元を逃げるように去り、行方不明になっていた……。