第197回 佐藤正午 『アンダーリポート/ブルー』
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内容

自宅マンションの隣人が何者かに撲殺されてから十五年。検察事務官・古堀徹のもとに、当時四歳だった隣室の娘が訪ねてきた。思わぬ再会によってめくれはじめた古い記憶のページ。そこに記された、かつての交際相手や被害者の妻、そしてもうひとりの女の存在。彼女たちが秘めていた過去が、未解決事件の真相をひも解く。記憶を頼りに組み立てた荒唐無稽な仮説―交換殺人という絵空事が、疑いのない現実となる!サスペンスフルな語りと展開の長編小説『アンダーリポート』に、衝撃的な後日譚が描かれた短編小説『ブルー』を併録した完全版。




小説の醍醐味を味わえる作品。

『アンダーリポート』に衝撃の後日談『ブルー』を加えた作品。


解説で伊坂幸太郎が語っていることですが、
この作品は構成や語られる順番が凄い、
それでその順番で書いてなお読者を惹き付ける作者は凄い。


『アンダーリポート』を読み終えた時に、
読者は必ず作品の冒頭に戻ることになります。
読み進めるなかで冒頭からの謎が解けていきながらも、最後に淡く解決が提示され、
同時にスタートに戻る。

『ブルー』は衝撃の場面とともに、『アンダーリポート』にオチをつけたようにも感じますが、

最終的に『アンダーリポート』に戻る。

そんな稀有な魅力を持った作品に感じました。


佐藤正午の力をとても感じた作品です。